勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

飯高で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

赤、黄、緑、茶色、そして赤

今週のお題「紅葉」


ちびっ子を預ける保育園まで車で二十分ほどかかります。毎日の送り迎えは時間もガソリンもかかって楽じゃないけれど、櫛田川沿いの美しい眺めを飽きずに楽しめるのは悪くない特典だと思っています。春も夏も、来たる冬もきっと綺麗だけれど、やっぱり秋の紅葉に彩られた川沿いの風景は格別です。余裕のあるときは真っ直ぐ行き帰りするだけでなく、メインの道路からひとつ逸れた旧道や集落のための道をあえて通ることも多いです。立ち止まることは流石に少ないけれど、どうしても眺めてみたい風景もあります。

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真夏でもヒンヤリとした清流の、現在の冷たさは想像してみるだけでゾクゾクしてしまいますが、だからこそ葉っぱの色付きは鮮やかになります。林業の町なので山は常緑樹が優勢ですが、だからこそ川沿いの色付きが映えます。あの木はなんだろうと考えているうちに冬の枯れ木になってわからなくなってしまうのかな。通園路だけで見所がいくらでもあります。


それにいつものお散歩道も色とりどりですよ。寒さに強い我が犬は、秋が深まるにつれ足取りが軽くなっているのがわかります。毛色も濃くなってツヤツヤですよ。

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色の好みとしては基本的に赤より黄色が好きな私は、秋の紅葉もイチョウケヤキの輝く黄色に惹かれることが多いです。懐かしの大阪御堂筋の秋、映画で憧れたNYのゴールデンな秋を連想することもできる鮮やかな黄色の葉っぱをイチオシしたいところですが、真っ赤な秋にもハッと心を捉えられてしまうことがあります。いつもいつも赤が綺麗であるわけでなく、毎日のように通る道の木がある日急に美しく見える時があり、そうなるともう赤にノックアウトされます。花盛りよりもっとシビアかもしれない紅葉盛り。そう何本も見届けてあげることはできないけれど、気付けたならば、そこに楓があることに感謝します。




大きな木ではなく茂みに使われる木でも赤くなるのがあります。

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ツツジと並んでいながら秋には圧倒する色付きのこの木はなんだろう。植木屋さんのセンスに敬服して、赤い秋を上にも下にも楽しんだ今朝のお散歩でした。


努力の晩秋

二年ちょっと続けた給食のおばちゃんを一旦離れることにしました。我が子も含めてまるごと大切な子供たちと先生方への給食に関わる仕事は私にとっても思いのこもった大切な関わりではあったのですが、なにぶん週一回なのでいつまで経っても一人前になれる気がしないまま、時ばかり過ぎていくのが苦しかったのです。学校との関わりは他にもできることがあるし、一旦給食を離れてみるのも私に許された選択肢です。そうして辞して最初の水曜日、もう下処理のための大量の皮むきはしないでいいとの認識は甘過ぎたことを知りました。


飯高町に限らず田舎では庭の果樹が余っているのはよくあることです。育ったものの食べ切れずに無駄になってしまう実があれば引き受けたいのが心温かい(意地汚い)私のスタンスであります。そして外勤があったり既にうちの仕事や用事に追われていれば引き受けなかったでしょうが、たまたまぽっかり空いていたため、ありがたくもしょい込むことになりました。


たっぷりの渋柿とカリンの実です。

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柿は通行の妨げになっていて切りたいから、よかったら実をもいでってくれと。別のうちではカリンが成り過ぎて、使うこともなく余ってるからどうぞ持っていってくれと。どちらも本音を言えばそんなに多くは要らなかったのに、採り出したら制御できず沢山抱えてしまって、あっという間に悲鳴をあげることになりました。それでもやっぱり手間ひまかける昔ながらの手作業というのはまた魅力的なもので、腰を据えて柿の皮むきから始めましたよ。


折も折、小学二年生の次女がかけ算を習っているところなので、なるべく九九の見本になるように並べます。

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五の段、四の段、三の段とどれも途中ですがキリよくかけ算して、足し算すると、私は90個の渋柿をむいておりました。計算してくれたのは長女です。ああ、どうりで手が痛くなるわけですね。


鮮やかな紐かけの方法があったはずなのですが、調べる前に手を動かして、思い出せぬまま結んで結んで、全部終わったのは次の日になってからです。努力の手仕事はなんて美しい眺めなのでしょう。

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今までも干し柿は好きで、渋柿が手に入ったら何度か作っていたけれど、せいぜい30個程でした。他の家の軒先にがっつり並んだ干し柿がうらやましくてたまらなかったけど、もう涙なしにはこの風物詩を直視できません。


満足に浸る間も無く、まだカリンが残されています。芳香剤としても優秀なこの果物は、日持ちの良さはあるにせよ、なんせ固いのが特徴です。そのままでは包丁を入れることすら難しい程で、生食もできないし、なんやかや加工することになります。とりあえずきれいな三角に並べて色や香りを楽しむことで時間稼ぎをします。保育園にもおすそ分けして嗅覚を刺激してもらいましたよ。

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気を取り直して現実を見たら、まずは定番の蜂蜜漬けからです。皮はむかずに種だけとって、乱切りにして消毒した大きめの瓶に詰めます。蜂蜜を一本使いきるのは惜しい気がしますが、カリンから汁気が出て増量&のどの薬ができることを信じて、とっておきの保存食を仕込みます。黄金のエキスが冬越しを守ってくれますように。でもカリンは三つしか減ってません。

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次に初めてのジャム作りに挑戦です。参考はクックパッドで。皮をむいて細切れにしたカリンをかぶるくらいの水で浸し、砂糖をかぶせて煮るというやり方です。こうするとエキスだけでなくカリンの実も食べられていいかなと期待して頑張ってみました。また手が痛くなります。結果は、そんなに食べやすくもないけれど、確かに食べられるようにはなりました。ヨーグルトとの相性も悪くないし、トンテキソースなんかにも応用できそうです。小瓶三つ分になりましたが、これでも四つしか使えませんでした。

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やはり大瓶の出番ですね。氷砂糖1キロ、ホワイトリカー一升の力を借りて、瓶に陣取っていたシロップ漬けの梅を追い出して(煮詰めてこして小瓶に入れてジャムにしてという作業に追われながら)、ザックザック切ったカリンを次々に詰めていきました。見事にバケツに入っていたカリンを全て保存瓶に移し替えることができました。前二つのチマチマっぷりと比べると見事ですね。口に入るのは一ヶ月以上待たなければいけませんが、また努力のひと財産です。

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スローライフにはよく働く手が必要というお話でした。

始まりは自ら

香肌渓はすっかり紅葉の化粧が素敵な時期になりました。

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今月で私も戌年生まれとして一つ歳を重ね、36歳になりました。35歳は転機になりそうな気がしていたのですが、はたして仕事に迷い追われて思いがけずヘトヘトになってしまった歳でした。といって大きな仕事ができたとはとても言えない状況ですが、今の時代に居て、仕事のデキる血縁や友達を沢山知っているのに私だけはキャリアを築くこともできず長く専業主婦をしてきましたので、未だに自分が社会的に役に立つという自信がちっともないのです。といってもう旦那さまサラリーにあぐらをかいていられる立場からはかけ離れてしまって、子供を丈夫に育てたことだけを自己の拠り所とすることもできません。心血注いだ結果ではあるけれど、それは私の仕事の結果ではなく通過なのです。そして子育てにはまだまだ悩み中、まだまだ霧の中、きっと10年先もゴールもトロフィーもないのでしょう。それでいいと思うし、むしろそれがベストだと思っています。親は土台、踏み台でいればいい。子供自身が飛んでった先まで見れなくてもいいのかなとも思うようになりました。


となると私はこの先どう生きようか。もちろんまだ小さい子にはできうる限り寄り添いながらも、同時にそれとは違った自分の道への助走を始めておかなくちゃなりません。そんなこともあれこれ考え、と言って大きな手も打てず、ああでもないこうでもないと足踏みをしていたのでは、そりゃ疲弊しちゃいますね。手を動かすか頭を回すかどちらかに集中しなければ仕事というのはなかなか進まないもので、優先順位のつけ方も下手くそなまますぐに心を乱しがちな私は社会人としてはやはりまだまだ新米さんなのでありました。


さてこの先私にどんな仕事の転機があるのか、ちゃんと前を見据えて有言実行していかねばなぁと今更ながら思います。座右の銘に「意志のあるところに道あり」を掲げるわりに見えている道がぬかるんで険しいばかりではなかなか進めません。くねくねしながらも遥か高く遠くに見渡せる道が好きです。そんな気持ちを時々思い出すために手放せない写真集が下記。最近はピンタレストで素敵な道の画像を集めることも多いですが、結局は心に焼き付いている写真に行き着きます。

道のむこう

道のむこう

  • 作者: ベルンハルト・M.シュミッド,Bernhard M. Schmid,アイディ
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 手に職が付かないまま考えあぐねてばかりではありますが、一方先月、香肌小で夢見た一歩を踏み出しました。コミュニティスクールボランティアとして、前年度より図書室に出入りしていたのですが、やはり対面での読み聞かせがしたくてお願いしてみたところ、月に一度からのペースで時間を作ってもらうことができたのです。どちらかといえば子供たちには自分で本を読むことより、物語を聞くことのほうを勧めたいので、オススメ本を並べるだけでなく、聞かせる活動ができるのは本当に念願の一歩です。


 記憶力抜群のアイヌは言うまでもなく、民話の語り部たちに比べると私の力はあまりにちっぽけとはいえ、読み聞かせに関しては、自画自賛してよいのかなとようやく鼻息を荒くしています。声に出して読むだけのことなので誰でもできるのですが、読む人によって聞く人がどれだけ物語に浸透できるかは大きく異なります。私は昔からどうも忙しくない人生を歩んでいることもあり、文庫や図書館などでも聞く機会がわりと多かったし、ラジオドラマを夜の楽しみとして夢中で聴いた時期もあり、読み方、言葉の運び方が身についておることを今更自覚しました。私やっぱり上手なんだわ。だったら、次に伝えるのが当たり前の務めですね。


香肌小の子供たちが表情豊かに耳を大きくして聞いてくれたことは、私にとっては花に水をやるように幸せなことで、数える程の機会であってもこの時期に聞くに足る物語を経験してもらうことを、使命として果たしていきたいと思っています。好きなことは仕事にはならなくても使命にすることはできます。社会に役に立つかどうかは別にして、私の道は豊かな実りに満ちています。ワクワクする道を、長く確かに歩んでいけますように。

芋掘りの激しいおまけ

 地上の木がたわわな柿なら地下は溢れるほどの芋なのが正しい秋の田舎です。どこの庭先もプリプリとオレンジの実でいっぱいで、収穫が間に合わずに落下しているのを見るのは切ないですが、持て余すほどあるのもまた事実。悪ガキの集団がやってきて根こそぎ採っていくような活気があればいいのにと楽しい青写真を描いてみます。 

 柿よりも子供に人気があるのはサツマイモでしょうか。たまに苦手な子もおりますが、ホクホク甘いお芋はいつもおやつに飢えている昔っぽい子供たちには待ち望んだ収穫です。地上の柿に負けじと地下の芋もまたいっぺんに太って掘り出し待ちになります。夏前に植えたヒョロヒョロとした芋蔓からよくぞここまで立派にと感慨深い秋の楽しみです。チビたちの通う保育園では近くのおうちが作ってくださっているのをみんなで掘りに行きました。姉たちの小学校ではごっそり植えたのをもうすぐ掘ります。地域の中学校の芋は既に掘られて給食に使われているみたいだし、子供たちの周りはどこもかしこも芋だらけ。芋掘り体験を我が子にとの考慮はしなくてもよいことがわかったので、亀成園では時間のある時にお父ちゃんが勝手に掘ってくれてます。どちらかというと体験したい私が一緒に掘ってもらうことをお願いして、秋晴れの中裏の畑に行ってきました。 

 コロコロと土から出てくるサツマイモはルビーに見えなくもない。またこれでしばらく楽しく生きていけるという安心と喜びを同時に掘り出します。近くにある里芋もそろって掘ってみて、ホクホクが重なりました。 ついでに掘ってみた生姜も上出来です。そろそろ寒さに備えてもいい頃ですからね。

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私はズイキと呼ばれる 里芋の茎が好物の一つですが、どんな里芋でもいいわけでなく、決まった種類のでなければ食べられないようです。芋を取るか茎を取るかで楽しい悩みが未解決のまま、今年の芋は立派です。そんな悩ましい里芋とは違ってサツマイモの茎は葉のついた柔らかい部分なら食べられます。山菜の蕗のように薄皮をむいて煮たり漬けたりの調理でなんとも言えない滋味をいただける芋つるは、サツマイモ掘りの嬉しいおまけとも言えるのですが、なんせ量が多いのが曲者です。調子に乗ってポキポキポキポキ太い茎から外していったら溜まるわ溜まるわ。農家は収穫後すぐの集中作業が基本らしいなので、まだヘボい農民としては絶好の練習チャンスと思って頑張ってみました。 

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 大阪育ちの私はどうしてもある特定の数字に弱いのですが、数百を超えるとどうも意識してしまって、今回の芋つるの数はちゃっかり551本です。この数字に合わせておくだけで幸せな気になるから我ながらおめでたい。ま、これでそのまま頂けるなら簡単なのですがね。萎びる前にどれだけ頂くことができるのか、やむなく鶏行きになるのか。どうにも秋は食材に追われがちになりますよ。

危険な月夜

だんだんと木々も森も色付いてきて、空気冴え渡る秋の夜は、寒くもあるので外に出ることはためらいがちになりますが、星を見るには一番いい時だと夏の星空観察会で教わりました。秋の星座は目立って明るい星や派手な星座はないようですが、その分たくさんの星が見えやすいし、星座の物語も楽しみやすいようです。飯高町は星空好きには最高の暗さ指数を叩き出しているらしく、星空で町おこしも夢じゃないと太鼓判を押して頂いていますよ。つまり街頭も少なく家々から溢れる明かりも少なくて本当に暗いのですが、視点を変えれば何が武器になるかわかりませんね。私ももう少し星空ツウになれたら夜空の啓蒙活動に乗り出してみたいものです。暗い中の明るい道は前途多難かな、でもきっと求め甲斐がありますね。


そして星も綺麗ですが月も綺麗なのが、言わずと知れた秋の夜です。特に十月の十三夜は幸い天気もよく、長く美しい姿を見せてくれましたね。まんまる満月ももちろん大事な日なのですが、その少し前の真ん丸とはまた違った卵型の月は、日夜おいしい卵のことばかり考えている養鶏家にはまた嬉しいものです。


月がきれいな夜はただうっとりするというよりも、なんだか切ないようなどこか落ち着かない気になります。産まれてくる赤子ほど敏感にそのパワーにあやかることはできませんが、なんだかそわそわしてしまうのは確かに感じていて、まあでもあまり気にせず寝てしまっていたのですが、月夜の晩に落ち着かないのはもちろん私だけではなかったのです。日付が変わる前後、或いは丑三つ時、番犬である愛犬の吠え声が聞こえます。遠吠えなら一度や二度で終わりますが、何度も続く時は、侵入者です。金目のもの泥棒ではなく純粋なる鶏泥棒が来るのですよ、明るい月の晩には。


夏場は山の中に豊富に餌があったのか鶏たちも犬も、台風とマムシ以外は呑気に暮らしておりましたが、寒い季節は敵が活発になります。イタチなのかアナグマなのかはたまたハクビシンか。うちに鶏がたくさんいることは隠しようがないので、穴をあけられたり侵入を許せばひとたまりもありません。今のところひいき目に見て優秀な番犬のおかげで悲惨な被害はないけれど、犬をつなぎっぱなしではそのうち回り込んで入られないとも限らないので、吠えて知らせてくれたら見に行く必要があります。子供たちはピクリともせず熟睡の中、フラフラしながら夜の外に出て行くと、なんとまあ屋内より明るく妖しい美しさです。愛犬にお礼を言って(ご褒美をやって)様子を見ます。単に尻尾を振ってじゃれてくるときは安全ですが、大体身体も鼻先も山の方を向いてこちらに知らせてくれます。やっぱし。写真は明るいときの無垢な愛犬ですが、結構優秀です。

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鎖を放してやって愛犬にお仕事をさせている間に念のため鶏小屋の見回りです。無事に固まって、動じることもなく呑気に眠る鶏たちを確認してやれやれ一安心。犬もひとしきり追いかけて追い払ったら戻って来てくれるので、もう一度お礼を言って(ご褒美をやって)から床に帰ります。たいした時間ではないけれど、夜中なのでなんだかグッタリです。明朝もまた無事な鶏さんたちに会えることを信じてバッタリ。

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月の綺麗な晩の次の朝、養鶏家の運転はちょっとばかし危険になるのでありました。安全第一。

骨の髄まで工夫して

亀成園のお父ちゃんが猟師をするようになってから一年が経とうとしています。鉄砲猟ではなく罠なので、罠を仕掛けた場所を毎日見回って、かかっていなければどこかに跡がないか調べ、考えてまたかけ直しを繰り返します。もしかかっていた場合は早めに仕留めてしまわなければ獣も気の毒だし、血が回ってしまうと食べられなくなり無駄な狩りになってしまうので、成果のあるなしに関わらず毎日マメに見回ることが大切です。そんなわけで雨が降ろうが暑かろうが寒かろうが眠かろうが、来る日も来る日も罠のチェックを欠かさず行い、跡がないか観察し、次の手立てはないかと現場での考えを積み重ねてきたこの一年です。それだけでもなかなかできることではないので、立派なものだと感服しておりますが、最近続けて成果を収めることができました。


しばらくぶりに鹿の雄がかかり、大喜びしての精肉が終わるか終わらないうちに、初の猪も仕留めたのです。大体見回りを見送っても成果なしが普通だったので、驚くやら嬉しいやら、お父ちゃんの株価が急上昇です。一定の所得を頂いていた安定のサラリーマン時代とは一八〇度異なる不安定な浮き沈みの自営暮らしは、楽でないし悩ましいこともありまくりですが、報われた時の喜びが段違いなので、感情も思考も豊かになります。


そんなに頻繁にかからないとはいえ、数度ではないし、丸ごとの頂き物も何度かあるので、解体や精肉はそれなりに経験を積むことができています。以前は脚一本で大変だわと思っていたのが今回は集中して手際よく片付けることができました。ちゃぶ台にどっさり並べた肉入りの袋はまさにひと財産です。

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干し肉の技術がまだないので、すぐ消費する分以外は冷凍になります。すっきりしていた冷凍庫が一気にパンパンになり、追加の一頭でどうにも入らなくなるので知り合いに幾つかもらってもらい、ジビエ普及も前進です。消費力の高い(食べ盛りの)おうちに声をかけると目をランランとして受け取ってくれるので、肉の力はすごいなと実感します。肉不要の家庭もあるので一概には言えませんが、私は好きだし同じく好んでくれる人がいると幸せですね。それでもまだ獣を普通に食べる家庭は少なくて、害獣とされて処分されるだけの猟が多いのが現実です。解体や精肉の手間や管理を考えると無理からぬことなのではありますが、しっかり頂いて命をつなぐ暮らしもあるのだということをあきらめずに実践し、普及活動をしていきたいものだと思います。


かつての狩猟採集文化にあった人々のように、仕留めた獲物の全てを無駄なく使い尽くすことはまだまだ難しいけれど、食べる部位は増えました。枝肉も内臓の幾つかも工夫して調理できるようになりましたよ。ダメもとでの工夫と経験と挑戦の繰り返しです。内臓を必要以上に摂取すると身体がびっくりしているのを感じるので食べ方には更に改善が必要ですけどね。それでも子供たちがたくましくなったのかもしかして私の腕が上がったのか、以前は残してばかりだった内蔵にも抵抗がなくなってきたこともあり、気が付けばなくなっているようになりました。こういう時貪欲な口がたくさんあるのは大助かりです。ワンコもね。


脚の長い鹿の骨は入りきる鍋がなくてなかなか消費できなかったのですが、初の猪は脚が短かったです。

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活力鍋に全部入ったのでクツクツ煮込んで柔らかく柔らかくしているところですよ。骨の髄まで溶けるかな、飽きない味付けを考えなきゃな、でも失敗したら鶏たちにバトンタッチです。小さな亀以外はあまりあるパワーの亀成園です。


鶏と新聞

ありがたい縁があって、先月末に毎日新聞三重版に亀成園を紹介して頂きました。台風がぶつかったこともあり、半時間以上かかる最寄りのコンビニに訪れて該当の新聞を買い占めるということはできませんでしたが、購読されている方々の目にとまることはできたのでしょうか。経歴と鶏小屋を紹介してもらい、記者の方がうちの卵を気に入ってくださってお買い上げ頂いたこともあり、今までは道の駅飯高駅では烏骨鶏の卵しか置いていなかったのですが、赤玉も扱ってもらうことになり、養鶏家として少しずつ前進しておりますよ。自己宣伝は小っ恥ずかしくありますが、こんな機会がいくらもあるかわからないので、遅ればせながらですがPRしておきます。

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烏骨鶏の卵は6個で900円だし、赤玉も350円と安くはないお値段ですが、自家製配合国産飼料の平飼いたまごというとびきりの好条件を満たすには、このくらいの値は法外ではありません。とはいえ産直市場というのは新鮮ないいものをとびきり安くが求められているので、いい値をつけてバカ売れということはなく甘くはない現実です。それでも大事な鶏たちのとびきり美味しい卵なので、少しずつでも大切に販路を広げていきたいと思っています。


最近の鶏舎の様子をご紹介します。


烏骨鶏と赤玉系鶏を仕切って広々と飼育しています。赤玉系のほうが体も大きくてよく食べるし活動的なのもあり、烏骨鶏の所に侵入しがちなのが困ったものでありながら可愛いところです。ちょっと鈍臭いので捕まえるのも楽なので、抱っこして戻している間にまた別のコが逃げたりして、あらあらと振り回されるのを時々楽しんでいますよ。

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ひょんなことから飼うことになった純白の烏骨鶏は、時々惚れ惚れする美しさを見せてくれます。今年生まれの若鳥たちもしっかり育ってきてそろそろ初卵を産んでくれているかもしれません。雄鶏も一人前に鳴き声が立派になってきました。まだまだ増やして育てていくのが楽しみです。

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最後に五月にヒヨコを買い求めたゴトウモミジという品種の雌鶏たちです。

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三十羽くらいいるのでもう区別もしてあげてないけれど、丸々と順調に育っております。雄鶏はかなり白っぽくてもうトサカも出ています。雌鶏たちもトサカが赤くなってきて卵を産んでくれたら、亀成園も一気に忙しくなりますよ。


養鶏家としてまだまだ新米なれど、地域の人たちのご協力のおかげで実のある日々を過ごさせて頂いております。自然卵なので季節によっても産卵率は大きな差があって、産まないときはさっぱり産まなくて困ったものですが、できる限り鶏たちの希望に応えて産みやすく整えてあげる、win-winな養鶏を目指しています。だいぶ産卵率の上がってきた今のうちにもっとファンが増えてくれることを願っています。よろしければ発送申込みお待ちしております。