勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

飯高で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

抱腹絶倒の90分


飯高町の隣町、多気町には熱心な司書さんぞろいの大好きな図書館があります。松阪市街地の図書館よりもうちから近いということで通うようになったのですが、新刊や季節のおススメ本だけでなく、ちょっとした空きスペースに置かれる本も小まめに更新されているので、新しく目にとまる本が充実しているのがなにより嬉しいです。それに企画展も数ヶ月に一度は実施されるし、更に図書館を使ったイベントにも積極的で、地域の交流スペースにもなっています。


その図書館と多気町が協力して、児童書作家である杉山亮さんを山梨から招いて、「ものがたりライブ」を開催してくれました。


『どんなときも名探偵』などの名探偵シリーズ、『怪盗ショコラ』のシリーズ、良寛さんみたいな用寛さんのものがたり迷路という、何度も遊べて楽しみ方は自分次第の創作本など、ワクワクする本をたくさん世に出して下さっている作家さんは元は保父さんの走りであり、糸鋸を駆使した創作玩具を作っていたこともある、十重二十重に魅力あふれる方です。

用寛さん旅にでる (用寛さんのおはなしめいろ)

用寛さん旅にでる (用寛さんのおはなしめいろ)


特に私が今まで読んだ本の中で面白かったのは『空を飛んだポチ』という、語り口調の笑い話で、子供たちに聞かせて大盛り上がりしていました。どうやらそれが「ものがたりライブ」というやつだったのです。


気のいいおじさんにしか見えない杉山さんが、目と鼻の先の距離で、飯高町から集まった数十名の小学生を五割ほど含む私たちにオモシロ話をしてくれます。導入で手遊びをし、子供たちの反応を見るためもあり独特のクイズなんかして、さてと話し始めたのが前に大笑いした話でした。でもまさかご本人の口から聞けるなんて、大感激です。20分くらいもかかる話なのにもちろんつっかえることもなく笑わせまくりで盛り上げ盛り上げスラスラと想像をかき立ててくれます。どんな話かというと「小淵沢の巨大カブトムシ」なのです。夏の観光シーズンの渋滞を回避するために虫に乗り出した人がいて、杉山さんも挑戦してみたらトンデモナイことになったという破茶滅茶な創作話ですが、これがもうとにかく細部まで面白くて、よくわかんないけどとりあえず来てみた子供達みんな大満足です。


一つの話が終わるとすぐにテンポよくまた幕間的遊びの時間があり、次に怖い話、またオモシロ要素たっぷりの早口言葉なんかして、昔話の漫談で締めくくりとなりました。実に90分、あの手この手でオモシロ言葉の洪水を浴びせかけてくれて、もう笑い過ぎて頰肉が引きつって痛くなっちまいましたよ。


落語をきちっと覚えるのでもなかなかできることではなく、読み聞かせしかできていない私にはあらゆるストーリーテリングはまさに尊敬しかないのに、古今東西の漫談に加え創作話も引き出しいっぱいに持って自在に操る達人技を目の当たりにでき、脱帽し過ぎてつるっ禿げになるところでありました。


落語ライブなどもなかなか行けないので、毎年津で行われる子供寄席を逃してすねておりましたが、こんだけ笑ったらお釣りがっぽりです。芸ができる人への道はいつ開けるやらわからなくとも、いい芸に触れられて家族みんなで楽しめたことに心から感謝です。


もしどこかで「ものがたりライブ」と聞いたなら、ためらい損ですよ。口コミを広めて再度来てくださることに念を込めて。

直売所ができました

新しい年の始動に合わせて、亀成園では自宅前に無人販売直売所が出来ました。

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今までは訪ねてくれて方にその場でご用意させてもらうか、予約を頂いて配送、または時折地域で売り込みに行っていたのに加えての新手段です。


毎朝何パックかここに用意しておけるので、買いに来てくださった方をお待たせせずに済みます。それに自宅前とはいえいつも人がいるわけではないので、こっそり試してみたい方にはこちらのほうが好まれる場合もあるようです。もちろん居る時に声をかけて頂ければ鶏舎を案内することもできるし、追加で卵を集めることもできます。


数が限られるのでいつもたっぷりあるわけにも今はまだいきませんが、ご希望なら勿論ご予約頂けますし、いろんな形で皆さんが亀成園の卵を手に取ることができるようになればと思います。


近くの方は勿論、四季折々飯高町を訪ねる機会があれば、ぜひお立ち寄り下さい。


そうそう、1月6日の中日新聞に亀成園のお父ちゃんが掲載してもらったので、ご紹介しておきます。写メで少し見にくい点ご容赦ください。

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この記事を見て買いに来てくださる方、ご連絡下さる方もあり、新たなご縁がつながって嬉しいです。毎日頑張ってるお父ちゃんが誇らしいですね。取材は私も同席させてもらっており、若い記者さんの熱い反応が嬉しいようなこそばゆいような。自然食を志す潜在需要を感じて励みになりました。


今後は全国発送も形にしていきたいと現在何軒かで試運転中です。気軽だけど大事なお届けものになり、まだ見ぬ沢山の優しい人々とつながっていけたら光栄です。平飼い養鶏を実践している農園さんは全国にいくつもあり、大人気の大先輩もいらっしゃいます。それでも亀成園を選択してもらうにはどうしたらいいか、私なりに頑張って頭を絞りたいですね。そんなことを考えながら、寒い日の幸せのために、煮卵仕込もうっと。

冬休みの最後には

もはやとても安っぽくなってしまった感の強い「平成最後の」ではありますが、平成最後の冬休みも今日が最終日です。もう始まっているところも多いようなので、なんだかおまけのお休みで、得した気分を盛り上げてきました。


なにせ年末は私の仕事が忙しかったので、家の掃除を上の娘たちにお願いしておりました。断捨離の進まない母がいるよりは余程はかどったようで、長年片付かなかった子供部屋がだいぶすっきりした感じ。もちろんもっとモノは少ない方が良いとは思うのですが、大きく片付けを進めるにはあと一歩大きなきっかけが必要そうです。というわけで今回は頑張った娘たちに素直に感謝です。小さな頃から労働力として鍛えられてきている子たちです。まだまだ家事全般お任せまではいかないにせよ、年々できることが増えてきて頼もしいですね。基本的に子供は親の役に立ちたいのだと聞いたことがあります。手を出さないでいてくれるほうが助かるのが多くの親の本音ですが、大きくなっても役に立たないのは困るというのも正直なところ。勝手なのはお互い様なので、早めに役に立つ子にしてあげればお互いのためだなと信じています。うちの場合はいつも小さな子を抱えていてあまりに手が回らないため、姉たちに本気で助けてもらわなきゃどうにもならずに鍛えてしまったので、上二人はいつでも戦力、下二人は普通に足手まといな状態です。うーむ、やはり勝手に立派に育つものではないのか。もっと苦労が必要ですね。


家のお手伝いをして、卵売りも手伝って、サンタクロースにもらったアナログゲームではたっぷり遊んで、理想的な冬休みじゃないかと思っていたのですが、最後の日は久しぶりに遊びに出かけました。そしたら思いの外楽しかったようで、そういえばわざわざ時間かけて外で遊ぶことを怠っていたなとまた反省です。暮らすだけで豊かな田舎暮らしというのは私の体力が足りず、感性だけで満足できるからであって、子供たちを解き放って遊ぶ場所や時間はまだまだ必要なのです。


楽しかったその場所は、高見峠を越えて宇陀市にある「平成 榛原 こどものもり公園」です。年号変わったらどうするのかという突っ込みは、夏以降の再訪のお楽しみですね。キャンプ場にもなるここの広い公園は、当初の目的だったアニマルパークが休園日のため急遽変更して訪れてみたところです。水の遊び場あり、木々の多い公園は、春夏秋には大にぎわいを想像させてくれましたが、今日はほぼ貸切でした。恐竜をモチーフにしていて斜面いっぱいに遊具が設けられていました。


飯高町にはない大きな滑り台を滑りまくってひゃっほいひゃっほい。

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ターザンロープは道の駅にもあるけど、何度も何度も行ったり来たり。

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外で跳ね回ると子供達の血がたぎってるのが見えるようです。

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通り道の東吉野村宇陀市は私の住む飯高町とは同じような田舎っぷりで、元々の住人なら近いがゆえの反発があるのかもしれないけれど、移住者の私ならどちらもいいなぁと思います。心なしか奈良側の方が人が多い気もします。遊ぶところも素敵なお店もあるようにも見えます。でも三重側の方が陽の差し方は明るい気がします。そして茶畑があるので暮らすにはこちらかなとやっぱりちょっとひいきです。


山村留学の大きな看板もあって気になる気になる。町を離れて森のそばにいたい人に優しい場所であって欲しいですね。あっちもこっちも盛り上がる方法を探っていきたいです。


さて冬休みは無事に終わるのか。最後の宿題チェックが必要でなくなるにはまだ幼い子供たちでいることが、厄介でもあり可愛らしくもあるものです。どうか目が吊り上りませんように。

川原で大きなどんど焼き

飯高町に越してきてから楽しみにしているイベントの一つは、新年明けてのどんど焼きです。飯高町どこでも行われているわけでもないようで、使いやすい広い川原があり、協力する人々が残っている地域に限られるのでしょうか。広大な飯高町のことをくまなく知るにはまだまだ程遠いですが、近くでこのイベントがあってありがたいなぁと参加二年目でしみじみ感じています。


年末に青竹を組んで左義長という燃やし台を作っておきます。川原に高いオブジェが組まれる様はそれだけでワクワクしますね。

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寒い風雨にさらされてちょうど乾いたところで年が明け、近くの神社の神主さんをお招きして、祭壇がしつらえられ、神事が執り行われます。丁寧な心のこもった神事はこの地域の人々にふさわしいありがたさです。美しい川と山に守られて、今年も飯高町に恵みがありますように。

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その後いよいよ点火です。盛大に燃やして、ドンドン音を立てて、邪気を追い払い、みんなの無病息災を願う地域行事なのです。立派な左義長があっという間に燃えて崩れていくのは壮観です。火の粉が飛び散る中ではふはふと頂くお善哉もありがたく、子供はさらにお菓子がもらえて大喜び。そんな地域に子供がほとんどいないことだけが残念なので、絶えることのないよう今年も希望を持っていきたいですね。

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我が家は基本的に病気知らず医者要らずなのですが、珍しく年末から末娘の体調が悪く、グズグズとした日が続きました。変化と頑張りの多かった日々を労ってあげる機会だったのかもしれません。幸い正月旅行や派手に遊び歩く予定もなかったので、様子を見ながらゆったりと、ありがたく晴れた気持ちの良い松の内を過ごしていましたよ。両親はアウトドア好きなのに子供たちはわりとインドア派というのが良かったのかもしれません。


そろそろゆったりの冬休みも終了です。ネジを巻き直してやりくりしていかねばなりませんね。今年も亀成園が平和でありますように。鶏たちと共に地域で明るく生きていけますように。よい人々、よい本の数々と素敵な縁がありますように。それにはやっぱり日々の健康が一番ですね。大きく燃える火を自分の内に持ち続け、力たぎる吾であれ。

逃避からの年末所感

お節作りから一旦逃避して年末の振り返りをしてみます。どこでも誰でもやっているナンテコトナイ雑感ですが、自分の歴史を残せるのは伝記を書いてもらえるほどの偉人或いは変人にならない限り、多くの場合は自分であるので、怠らず書いておくのも勤めかな。特に生き方や仕事において大きな一歩一歩を踏みしめているときにはね。


2018年は飯高に移住してから細々と積み重ねてきた暮らし方が、次々と実を結び、地域の人脈も随分と広がった、恵まれた年でした。夏の日照りはきつかったけれど、それでも畑の収穫は増え、野菜を買うことは激減しました。上手く育たなかった玉ねぎと、作ってないけれど大好きなズイキくらいかな。時々小学校で収穫されたおすそ分けもあり、似たようなものばっかりとはいえ身体サラサラで暮らしています。猟も大進歩で、続けてかかって収納場所に困るとは、一年前は想像もできなかったです。どちらも苦しい時期があったからこそ今の恵みがひとしおありがたく、調子に乗らないようにせねばと自戒することができます。


そしてとりわけ大きな変化は鶏たちでした。2017年の春に10羽から始めた養鶏が、あれよあれよと100羽に届きそうになっています。増えなかった卵も並々ならぬ試行錯誤の結果、近頃は余って営業が追いつかなくなり、次の戦略を練らなきゃいけなくなりました。これぞ嬉しい悲鳴です。子供の成長も早いけれど、鶏の急ピッチな巡りとは比べ物になりません。ヒヨコたちが産まれ、育ち、成鳥になり、一部を自ら絞めることまで経験できた今年の様々を、忘れることはないでしょう。


とはいえ収入<支出のままで二年も暮らしているので、現実は厳しく、ちょっとでも持ち堪えるために私はパートを増やすことにしました。フルタイムとは程遠い呑気な働きぶりなれど、地道に稼いでいくのは楽じゃありません。新しく学ぶところも多いし、有閑な時間は減ったけれど行動範囲も人脈も広がったし、生き方暮らし方を見直すのには又とない機会です。地域で永く生きていくためにも、地域の誇る会社に縁があったのは幸せなことです。そう言いつつフルタイムにはせずふるわない家業を大事にしたい私はまだまだわがままを貫いています。このもがきはしばらく続きそうですね。


子供達の変化もそれぞれ目を見張るものがありました。べったり一緒だった時間が一気に減ったのと重なり、私の手を離れてそれぞれの世界を築いていったのが目に見えて、寂しい気持ちも大きいですが、一緒に居る時は濃密で可愛がることができるようになり、ワーママの気持ちの一部を学んでいます。学校からの連絡事項や保育園の持ち物を見落とすことも多くて、両立なんて言う資格は毛頭ないこともよくわかりました。わかっていたことですよ。その分子供たちがしっかり育てばいいなと落ち込まないようにしています。


全体を通して今年はこの十年になかったほど忙しかったのです。それがいいのか悪いのかはこれからの対処次第ですね。見失ってしまっている大事なことはないか、毎日をもう少し無駄なくこなすことはできないか、私なりに次のステップを考えておきたいです。


毎日を一所懸命生きなければ夢には近付かない。なれど日々に埋もれると夢が見れなくなる。シンプルに頑張るしかないのです。いつの時代もどんな道も。私の道はデコボコした面白い道なので、シンプルにストイックに己を鍛錬するというのは難しいような気もしますが、案外曲がりくねってもいないのかなと思い出しました。


さてさて気を引き締めてお節の続きに戻ります。どうぞ澄み渡る新年の風が、世界中に優しく吹く年越しでありますように。年女だったので戌年を通過してしまうのは例年より切ないけれど、猪も好きです。豚も好きです。食べるだけでなく好きな生き物です。うん、だからやっぱり前向きに。犬さんたちありがとうございました。

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亀成園の卵はなぜ黄色いのか

亀成園ブログは母ちゃんが自由に麗しく担当しておりますが、最近営業に力を入れている父ちゃんが頑張って長文を書いてくれたので、ご紹介します。

ほとんど冬眠しながらも亀成園を支えてくれているイシガメさんの推薦付きです。

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「亀成園の卵の黄身はなぜ黄色いのか?」
改めて漢字で書くと、おやっと思いませんか?
でも、お客様からは十中八九この反応を頂きます。

主な理由は二つです。

①パプリカ色素など黄身の色を濃くする飼料を添加していない

いつからか、『高級な卵は黄身の色が赤に近い』というのが世の共通認識となりました。一方、鶏たちは素直なもので、食べた飼料の色素をそのまま黄身に送ります。このため、多くの養鶏家が見た目の商品価値を上げるため、パプリカ色素などを添加して、黄味の色を濃くするために頑張っています。残念ながら、この努力と栄養価や味はほとんど関係ありません。
亀成園では「健康な卵は健康な鶏から」をモットーとしており、鶏の健康に関係のない飼料は入れていないため、卵の黄味は自然な黄色になります。

②国産米を主エネルギー源としているため

ご存知でしょうか。乳幼児アレルギー源の一位は残念ながら鶏卵です。そしてほとんどの養鶏家は、鶏の主エネルギー源に輸入トウモロコシを使用しているため、国内で産卵したにも関わらず鶏卵の自給率は10%にも満たないのです。
因みに乳幼児アレルギー源の二位は小麦。こちらも代表的な自給率の低い食べ物ですよね。
亀成園園主は、このことが気になって仕方ありません。そこで、鶏にあげるご飯は全て素性の知れたものでないとダメだと決めたのです。

亀成園の鶏は、地元の飯高、飯南地域の農家さんに育てられたお米のうち、粒が割れたり未熟だったりで人用にならないものを分けてもらったものを食べています。

輸入のトウモロコシではなく、近所の米を食べて生きる亀成園の鶏は、かくして市販の卵より薄い黄味の色となるのです。

ちなみに黄味の英語訳はyolk。yolkを英英辞書で調べるとyellow part of the egg。中国語でも「卵黄」と出ました。
黄味が黄色なのは万国共通認識のようですよ。

園主からすると誇らしいまでの黄色の黄味を持つ亀成園の卵、是非ご賞味下さいね。    ***



お父ちゃんありがとうございました。

黄味が強くて橙っぽさがないので、玉子焼きにしたときはもっと白っぽくなり、写真映えはよくないのですが、一様にカラフルなものが美味しいわけではありませんね。むしろ地味なほうが滋味豊か。チャンチャン。


香肌小学校オープンキャンパス報告 その二

物事が起こってからひと月も経っての報告とは、書き手としてあまりにお粗末で目を覆いたくなります。とはいえ自由なブログであるし、なかなか進まなかったことを反省するためにも、削除せずに書き上げることにしました。タイムラグがあって読み苦しいのは承知ですが、香肌小学校応援を続ける理由がある身です。ふりかえりのためにも無駄な時間にならない報告でありますように。
 以下本編 です。

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やっと冬らしい寒さになってきました。寒いのは好きでも平気でもないけれど、年々苦手意識は弱まっています。なにせ寒くないと薪ストーブのありがたみがわからないし、冷え切ったらやっと虫たちがのさばらなくなるし、静かでピリリとした空気は冬の持つ最大の美しさです。それにまた寒くてじっとしている時間があるからこそ、過去の活動を振り返ったり次へのモチベーションを高めたりもできるわけで、書き物を好む者にとっては冬はありがたい季節です。 そんなわけで遅くなりましたが先月22日に行われた香肌小オープンキャンパス第2弾の報告をします。当時は有り難みの少なかった温かい焼き芋を思い出してほっこりとしながらね。 

小学校で焼き芋会は毎年行われているのですが、今年はコミュニティスクール活動の一環でボランティアが入って、例年より多くの芋つるを植えるところから参加することができました。紅あずま、紅はるか、安納芋の三種を二箇所の畑で育てて、秋の乾いた日に無事にたくさん収穫することができました。ツルさしも収穫もお手伝いに行けたので、喜びもひとしおです。スクスク育つように、鹿や猿にやられないように、いつも心配することは同じです。なんせ児童より出入りの猿が多い香肌小、柵と猿との戦いは地域の誰もが知るところです。でも今年の芋は学校の勝利でした。

 焼き芋会の前日から、上級生はカマドを設えて準備してくれていました。当日はみんなできれいに芋を洗い、食べたいのを選んでカマドに入れます。焼き芋といえば落ち葉を燃やして、新聞紙とアルミホイルに包んだサツマイモを焼くとしか思っていなかったので、香肌小のカマドは衝撃でした。 

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何年も試行錯誤をした結果、一斗缶とお菓子の缶で新聞紙もなくできるこの方法に行き着いたそうです。ありがたい伝統があったものです。 燃やす木材は、地域の木材店から端材をどっさり分けてもらうことができます。わりと細かいので薪を足す手間はかかりますが、火の番になった子のやり甲斐には丁度いいですね。薪ってつい足したくなるのはよくわかります。足して空気を入れてちょっと見てまた足して。 

みんなで点火を見守って、めでたく燃やし始めたら、数人の火の番を残して後の子は体育館でレクリエーションをして出来上がりを待ちます。オープンキャンパスということで見学に来た子もうちの子もここの遊びに入れてもらい、初めはモジモジしていたのが走り回るうちに打ち解けて、一員になって楽しんでいました。ゲームの数がわりとたくさんあって、準備したり説明したりの手間もかかりますが、児童の中には焼き芋よりこのレクリエーションが楽しみという子も少なくないそうです。学校全員で仲良く遊ぶ機会を進んで大切にしている上級生ってそれだけで素敵だなぁと、その当時は何かと斜めに構えがちだった私のような者からすれば、憧れてしまいます。 遊び足りないけど楽しい時間は過ぎるのが早く、ホクホクの焼き芋が出来上がりました。

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 紅あずま、紅はるかの味の違いを敏感にキャッチした子はいたのかな。私がおすそ分けしてもらった安納芋は、流石甘さが自慢なだけあって、そのままでどんなスイートポテトより上質な甘みが効いていました。洋菓子が苦手な私でも、口からハートが飛び出しそうになりましたよ。

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 この日は知り合いの方が大阪から子供を連れて来てくれたので、学校案内をしたり、香肌小学校のPRコンテンツを見てもらったり、終わってから空き家見学もしてもらって、こちらの移住促進気分は盛り上がりましたよ。

子連れで移住してくれる人が増えなければ小学校の未来は真っ暗です。これがもう誤魔化していられない現実で、持ち堪えるためには勇気と夢のある人々の力が必要です。 ほっこりな火とホカホカの焼き芋がにぎやかな未来の風を呼んでくれる。そう信じてこの冬も乗り切っていかなきゃやってられませんね。