勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

懇談が楽しい

月曜日に小学生の娘二人の個別懇談がありました。ここの学校は二学期制を採用しているので通信簿はないですが、今までに勉強した単元一覧表がもらえ、学習態度の話その他、たっぷり30分の時間をとってもらえます。


なにせここは僻地校と言われるくらい、生徒も少なく、行き届かないことは皆無な環境です。複式学級で二学年分の授業をしなくてはならないので、担任の仕事は多いのですが、生徒一人一人を把握することには恵まれた環境のようです。成績の話はさっくり終わってからも、ほぼ雑談のようでいて、本当に子供をよく見てくれているなぁと親冥利につきる懇談でした。人数が少なくて先生の側にも子供を見る余裕があるとこんなにも丁寧な懇談をしてくださるのかと、楽しく談笑しながら感激してしまいました。私に似て大食らいな我が子たちの給食費をいつ上げられるかとビクビクして学校に行くのですが、みんなが減らすのを食べてくれて助かっていますとまたありがたいお言葉でした。

九月に私が保健の先生に「長女のチック症が気になる」話をしたことがあるのですが、以来何度となく気にかけてくださり、担任の先生と共に見守ってくださっているのです。長女は神経質とは程遠いのんびりさんですが、昔から肩に力が入りがちで、失敗したくない気持ちが大きくて、発表前やらは音が聞こえるほどまばたきを激しくします。それと人間関係がちょっと難しかった時かな。あまりバチバチまばたきしているとこちらもどうかしてあげたほうがいいのか気になるので相談したわけですが、「目くじらたてず温かく見守ってください。こちらも気をつけておきますから」と言われ一安心しておったら、本当にちゃんと気をつけていてくれていたのです。もっと人数が多くて現代的な学校だったら他に気にするべき児童がいくらでもいて、うちの子なんか一番保健室から遠いに違いない健康児なのに、わりとみんなが元気にしていると、少しの相談が期待以上にしっかり受け止めてもらえました。申し訳ないような、でもありがたいですね。


 フィリピンでシュタイナー学校に通っていた頃の懇談は、学校の方針として懇切丁寧で、いいところばかりを認めて先生と親とで子供のいいところを共有するのが懇談の目的なのか、褒められまくりで恥ずかしいくらいでした。個人個人のレポートをしっかり時間をかけて作ってくれて、学年の終わりには児童に対して個別の詩が贈られるような学校なので、そりゃ懇談も親にとって気持ちよいものでした。グチャっとした絵にゆったりといいものがあると言われたり、友達のいない娘なのにみんなが気にかけて一目おいている、みたいに言われたり、暴れん坊は身体の力が素晴らしいと言われ、こうして子供を認めたら双方幸せだなぁとたくさん学びました。


ですが今の学校は、日本の公立校です。普通の学校、私が通った学校と大差なくてもいいはずなのです。なのに子供たちは余程運が強いのか、どんな所にいてもいい学校、いい先生に巡り会えるのでしょうか。折しも私が今手にしている小説は、マンモス小学校の学級崩壊がテーマの一つです。少人数のアットホームな学校に行かせてあげるというだけでも、一極集中でない生き方をしていきたいものです。