勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

金の成る木を作ろう

なんだかご縁があって、椎茸のホダ木に最適なクヌギをどっさり軽トラいっぱい頂きました。山を持つ人って時々大胆でドキドキしますね。

 

クヌギは薪としても魅力的ですが、せっかくなので菌打ちして、椎茸栽培もやってみることにしました。菌床でもにょきにょき収穫できて楽しいけど、やはり原木栽培の椎茸は一段と美味しくてサイズも段違いです。時間はかかって、再来年にしか出てこないという気の長い育ち方ですが、田舎暮らし特有の「場所ならある」を強みに、また新たなチャレンジです。

 

椎茸の菌打ちというのは山暮らしではありふれたことなのでしょうが、私には初めてのことだったので、憧れの体験でした。里山の暮らしを体験するとかで何度かチャンスはあったはずですが、残念ながらご縁がなく、今やっとチャンスをつかめて有難い有難い。

 

ホダ木にドリルで穴を開けていき、そこに種菌を一つずつ置いてトンカチで打ち込んで、陽の当たらない湿った場所に運ぶというのが、キノコの原木栽培作業です。ざっくり言えばこれであとは待つばかり、なのですが、一つ一つが重厚な労働でありましたよ。

 

まずドリルです。

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これが重たくてパワフルです。でも硬い木にグリグリ穴があくから楽しくて、次々に空けていってしまいます。

次に種菌をほぐして空けた穴に打ち込んでいきます。

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500の塊が3つで1500を、開封したならナルハヤで打ち込んでしまわなくちゃいけません。美味しいものは鮮度が肝要です。

トントントントン夢中になっていたらいつの間にか肩が上がらなくなっていましたよ。ドリルと菌打ちを適当に交代しながら1500やり遂げた時の喜びと言ったらたまりません。これぞ労働、を味わえて、怠け者の私には大変刺激的であり、菌打ちを終えた木がいつの間にかキラキラに見えてきたものです。

 

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更にこれを薄暗く湿った場所に運びました。正確には、一段高い違う場所に運び上げました。細い木なら一人で三、四本楽に運べるのが、太いのは二人でもキツくて、でもたいした数でもないからと一気に運んだので、重労働も甚だしいのです。いなぁ、よくやったものよ。

 

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さあこの木からにょきにょき椎茸が生えて、飛ぶように売れるかな。多少の体験なら美味しく自家消費で満足ですが、これだけ頑張ったなら、金の成る木であってほしいものですね。

 

とはいえうちは木を分けて頂いたので、苦労は半分もありません。木を育てて選別して切る作業があってこその菌打ちです。いずれそこまでできるようになるのかならないのか、この木が変わっていく様を見届けながらじっくり考えて、体力をつけていきたいものですね。