勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

夢見る鯉のぼり

五月のこどもの日のために上げられた、空をゆらゆら泳ぐ鯉のぼりに出会うと、この時期日本にいられて幸せだなとしみじみ感じます。日本の風物詩全てが大好きなわけでもないけれど、鯉のぼりは憧れも強く、込められた物語も好きで、いつだって前向きな上昇エネルギーに引っ張られる気がして特に好きなアイテムなのです。

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私自身は姉妹だったので、鯉のぼりを飾ることはなかったのですが、息子が生まれた時に無茶苦茶悩みました。ドーンとデカイのを用意してやりたい、でも身の丈がわからない。調べると本格的な鯉のぼりって安価な買い物ではありません。それに息子が生まれた頃は、借家であり、暮らし方はまだまだ変わりそうだったので、家に合った鯉のぼりが決められなかったのです。とりあえずベランダから飾る手頃なものでいい、とは私には思えなくて、余っていたシーツを可能な限り大きく切ってつなげて一つだけ自作しましたよ。しかしその思い出の鯉のぼりは、手っ取り早く墨でウロコやらを描いていたため、取り込み忘れた時に雨に当たってワンシーズンで無用な物となりました。うーむ、ベランダ用を買っておけばよかったかも。
 
以来なんとなく先送りにしていた鯉のぼりなのです。フィリピン暮らしでは気にしなくてよかったし、帰国してきたのも6月だったので、気にしないままきましたが、今年は4月上旬から近隣でやたらに立派な鯉のぼりが上がるのです。毎日通って風になびいているのを見るのがとても嬉しいのですが、息子が憧れて欲しがるようになりました。そりゃそうでしょうが、憧れの品はあまりにも立派です。
 
というわけでまた作ってみました。今度は取り込みやすいサイズで、ウロコを描くのは息子にも手伝ってもらい、彼の好きな緑色で。

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本当に欲しいのはドーンとたなびく立派な鯉のぼりってことは承知ですが、棒に付けた自分の鯉のぼりを振り回すのも結構気に入ってくれたみたいで、かなりホッとしました。自分でも作りたいと、紙に描いて切って貼って、工作にもつながったし、保育園でも描いたり、みんなの手形で大きなのを作ってもらったり、今年の息子はやたらに鯉のぼりづいております。
 
全くただの親バカになりますが、辰年の息子が鯉のぼりに強い思いを抱くのは私には感無量です。まだ子供のうちにもっと高くなるように、年々作り足すことに挑戦していきたいです。そして孫の代には立派な鯉のぼりを掲げてやれるかな。鯉のぼりの階級格差を考えていると、ドラえもん第6巻に出てくる「こいのぼり」の話を思い出します。こいのぼりが買えないタバコ屋の子を不憫に思ったドラえもんが、スネ夫君ちの立派な鯉のぼりに卵を産んでもらって、柏餅を与えて育て、その子の部屋いっぱいに鯉のぼりを泳がせていくという印象的な話でした。

 

ドラえもん (6) (てんとう虫コミックス)

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部屋いっぱいの鯉のぼりがやってきたら、後々片付けるのに困るだろうと今ならちょっぴり心配になりますが、きっと大事にしたんだろうなと思うほうが幸せですね。大きな鯉のぼりも沢山の柏餅もダブルで夢が広がります。今年のこどもの日は最高に気持ちの良い風に吹かれて、息子の成長も娘たちの成長も、そして亀成園の成長もくっきり描けますように。