勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

20人の運動会

 5月26日土曜日に、飯高地区香肌小学校の運動会が行われました。在校生わずか20人で半分ずつの各10人で紅白の2チームを組んで、五月いっぱいほとんど毎日練習を重ねてきた成果を出す日です。私が小学生の頃は、運動会は学年種目のダンスをなんとかこなして、あとはあまり迷惑をかけないようにしようと心がける、ひたすら喪女的なイベントでありました。なので子供たちが運動会を素直に楽しみに、闘志にも燃えて練習も工夫を重ねて待ち望んでいるだけで感涙ものです。そして当日、雨は降らず、照り過ぎず、ずっと明るい曇りで守られたお天気の中、運命的な運動会が行われることになったのです。

 

 何しろこの人数なので、どの競技もあっという間です。始まったと思ったらもう終わり、の繰り返しですが、知っている子ばかりなので終始目を離すことができません。子供たちの競技の合間に、保護者や卒業生、地域の方向けの競技もあり、ほぼ交代で応援と出演を楽しみ、全部で21の種目をダレることなく一所懸命こなしていきました。運動会は時に力の差が出やすい場にもなりがちですが、上手にチームを組んでいたこともあり、勝ち負けが切磋琢磨して進んでいきました。

 

 開会式で2チーム向き合っての応援合戦が行われました。山々に元気な声が響きました。ゴーゴーゴー!ゴーゴーゴー!

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分かり易く箇条書きで、香肌小学校運動会の素晴らしかった点を挙げてみます。

 

・競技は一貫してフェアプレーでした。当たり前だけど風通しが良くて優しい素地が育っててこそだと思います。

 

・点呼係、誘導係、得点係、放送係などの仕事を三年生以上がしっかり受け持って、いつもみんなでどの競技も作り上げていました。

 

・保護者の参加率も100パーセント以上でした。テント設営や片付けなどもテキパキと、保護者も卒業生も児童も当たり前に協力して行っていました。

 

・ラジオ体操のBGMに英語版が採用されて盛り上がりました。スカイプでオーストラリアの学校と交流を続けている香肌小学校はわりと英語導入に積極的です。

 

・紅組白組の最後の点差は一点でした。接戦だった全校リレーも含めて全てのプレーが報われました。

 

・昼休みに子供たちは恒例でおやつ交換をします。和気あいあいの可愛い交流を示してくれました。

 

・保育園の先生方もコミュニティスクールの関係者方も来て、大人向け競技に参加してくれました。沢山の人に支えられて、オープンな学校で育つ子供たちであることに感謝します。

 

上記のように、全体を通して礼儀正しい子供たちと、それを育む大人たちによって、勝ち負けはあれども心温まる運動会が実現したのです。児童もPTAも出ずっぱりで大変ですが、その分いつでもがシャッターチャンスという、信じられないメリットもあります。一所懸命に係をする姿も手作りの応援グッズを駆使して応援し続ける姿も、我が子に限らず眩しくて、この学校の存続を強く強く願わずにはいられません。更に児童が減ると、このまま運動会を運営することすら難しくなるかもしれませんが、まだ小さな下の子たちの時も、この素晴らしい運動会を経験させてあげられることに望みをつないでいきたいです。

 

 大人競技は参加賞があります。今年の戦利品の一部ですよ。ラップ、軍手、ゴミ袋にティッシュなど。コミュニティスクール制度の前から続く習慣なようですが、滅多に出さない力を振り絞った甲斐あって嬉しいものですね。菓子食い競争も全員参加で盛り上がりました。閉会後の餅まきで、もはやお土産だらけになり、みんなで喜びを分け合った感じが残りました。大満足な春の日でした。

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