勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

ドリームスモモ

移住してすぐには気付かなかったのですが、亀成園にはスモモの木がありました。なぜ気付かなかったかって猿に全部取られていたからです。スモモはもう大きな木なので、実が色づくまでは葉っぱに同化していてなかなか見えにくいのです。きっと色づくと同時に狙われて取られていたのでしょう。勇ましい番犬である愛犬が来てから猿が激減した昨年の今頃、初めて木に成った赤い実を見つけてものすごくびっくりしたのです。やけに鳥が群がってさえずっていると思ったら、そこにはキラキラとした丸い実が数え切れないほどあったのです。それが幸せなスモモとの出会いでしたよ。

 

一度味をしめている今年はもう五月からそわそわそわそわしていました。桜の時期に白い花を確認し、ジャガイモを植えながら小さな実をチェックし、梅を収穫しながら実が色づくのに念を送り、やっと6月も終わり頃の晴れ間に十分実ったスモモの味見をして、子供たちにスモモ狩りができることを発表しました。普段果物はあまり口に入らない子供たちは待ちに待った収穫で、木登りしながらのつまみ食いが至福の時です。あまり熟し過ぎていたら汁がこぼれて貴重な服がえらいことになりますが、ちょうどいい熟し具合で、たっぷり甘いの、そこそこ甘いの、まだ甘酸っぱくて追熟待ちのなど、手の届く限り協力してもいでいきました。

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一番下のおチビさんも、脚立に乗ったり肩車してもらったり枝を下げてもらったりで幾つか自分の手でもぐことができて嬉しそうでした。上の子たちは勝手にどんどん作業を進めてくれるので大助かりです。子供は労働力という考えには賛否両論ありますが、喜んで協力してくれるうちは大歓迎で力を貸してもらいたいです。

 

ものすごく美味しそうなのが既に鳥につつかれていたり、キラキラの粒なりがはるか高い枝についていたり、取り残しもまだ多くありますが、それでも一時間ばかしワイワイもいだ成果は、23キロの豊作になりました。

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緑の少し堅そうなのも、数日置けばあっという間に柔らかく甘く早く食べなきゃいけない状態になります。既に食べ頃で収穫したのは、虫に侵食されないように注意しなければいけません。少し傷んでいるのは愛犬にあげたら大喜びです。種ごと丸呑みなので味わっているかは疑問が残りますが、催促もするので気に入っているのでしょう。もっと傷んでいるのは鶏たちにあげました。なんでも食べる鶏たちですが、肉魚類と果物を与えたときは食い付きが顕著に違います。つまり大騒ぎ。特にまだ若い烏骨鶏たちやヒヨコたちが喜んでいたのが母心をくすぐってくれましたよ。美味しいものを家族で、生き物たちとも一緒に味わえて大満足ですが、何しろかなりの量です。頬張るように味わいつつ、こんなにいい出来ならおすそ分けして、出荷もしてみることにしました。

 

亀成園は道の駅の直売所に烏骨鶏の卵は出荷していますが、野菜などはまだ追いついていないのもあり、生産者としては後進していました。まだまだ商売慣れしてもいないので、値付けして世に出すのがなかなかできないのですが、立派なモノがあるならチャンスですね。スモモは猿にやられやすいのか植えている方が少ないのか直売所にはまだ出回っていませんでした。旬の物はだぶつきがちなのでいち早く出荷しなければ売れ残るのこともありドキドキしながらも、どうやら一番乗りに出荷できたようです。「無農薬、樹上完熟、旬真っ盛り」とダメ元でPOPにも挑戦してみましたが、お気に召してくれるお客様はいらっしゃるのでしょうか。芳しい甘みが届きますように。

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