勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

鳥羽には博物館もありました

 海水浴に行く予定の日、あまりに雨模様で行き先を変えなければいけなくなりました。お父さんと子供は水族館に行きたいとの意見でしたが、水族館に行くともれなくぬいぐるみをお土産に買わなければいけなくなることを危惧した私が反対し、堂々ジャンケンで勝利したため、一同「海の博物館」を目指すことになりました。うん、そこ行きたかったからですね。

 

 雨の中飯高町を過ぎ、勢和多気を通り、伊勢に入ると雨は上がり、鳥羽市はすっかり晴れていました。海行けたやん。そして人の多そうな鳥羽水族館を横目に通り過ぎて、ぐねぐね山道をドライブすること十数分、牡蠣の産地を抜けたところに海の博物館はありました。

 

 何度となく行きたかったけれどなかなか叶わず、やっと着いた建物はなんだか素敵な建築で、明るい中庭には浅い池があり、緑も多くて風通しの良い敷地でした。博物館というと昔のイメージでは四角い建物に古めかしいものが並んでいる感じがしますが、近頃は建築や展示法にも凝るところが増えているようで、文化物好きとしては嬉しい限りです。子供を退屈させずに済みますからね。

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 子供たちの目的は、ここでの体験工作です。夏休み期間中毎年行われている貝の工作なのですが、標本作り、ジェルキャンドル作り、ストラップ作り、マグネット作りと4種あり、どれもなかなか捨てがたいです。根が真面目な長女は標本作りを選びました。

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ややこしい名前の貝ばかり、と思ってしまうほど未知の分野でした。それでも係のお兄さんたちが博識でさりげなくヒントをくれたおかげで、娘は選んだ11種の貝を調べ切ることができましたよ。

 

 

キラキラに目がないお年頃(小さい子編)の次女と息子はジェルキャンドル、自分ではまだ作業できない末娘はお父さんと一緒に二個セットのマグネット作りをすることになりました。

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貝の他、ビー玉や砂も入れて固めます。あれもこれも入れたくなりますが、すき間があったほうがジェルは美しそうと懸念しつつ見守りました。

 

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こちらはマグネット会場です。タイルに貝でお絵描きする感じですが、作品例に感心するものの、オリジナルアイデアはすぐには出ないもので、一から自分で着手するのはさぞかし大変だろうと思いました。父子は素直に大好きなカメさんを作っていましたよ。

 

ここでちゃっちゃと夏休みの工作を終わらせてしまおうというわけではありませんが、いくつでも提出可能という幅の広い課題なので、一つでも済んでいると親子共に安心感があります。

 

 博物館の展示は、伊勢志摩の漁師たちや海女さんたち関連がたくさんあり、大きな人の模型はちょっと怖かったけれど、木造船の数々や九鬼水軍のお城のミニチュアは興味深かったです。海が近すぎる暮らしは豊かさもある反面、危険も多いので、海の人々が信仰深いこともよくわかりました。商売繁盛の神様として有名なえびす様はもとは海の神様ということで盛大に祀られているし、宝船に乗った七福神の絵や模型の数々もあり、縁起物に惹かれてしまう私には楽しいところでした。

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息子が喜んだのは何と言っても潜水艇です。展示だけかと思いきや、好きに乗り込んでいいとのことで、ハシゴをそろそろ上り下りして海の中を空想しに行きます。

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この白鯨号は青函トンネル開通前の調査に使われたらしく、プロジェクトXに燃えた身にはたまらないドキドキ感がありますね。通りかかるどの子も乗りたがったので、もたもたとつかえてしまいそうなお母ちゃんは遠慮しておきましたが、息子は何度も乗って操縦気分を味わって大喜びでした。潜水艇はまだ乗客として乗る機会は一般的でなく、仕事で乗るにしても研究職か海の自衛官くらいだろうと思うので、貴重な機会をすかさず楽しんでくれてよかったです。

 

 お昼は近くの牡蠣食堂に寄りました。冷凍の焼き牡蠣も十二分に美味しかったけれど、また旬の頃存分に食べてみたいです。三重の海はまだまだ魅力がいっぱいなので、息子には鳥羽商船高等専門学校に進学してもらおうかな。頭よりよだれに忠実になりたくなる時ってあるものですね。