勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

飯高で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

夏野菜経済教育

お祭りの時期が近付いて来ました。飯高地域ではお盆の時期は連日各地区のお祭りがあり、帰省の方々でどっと賑わいます。私はここのお祭りが好きなのでどこも行かず毎夏飯高を楽しんでおりますが、お祭りといえば屋台が出ます。食べ物だけでなく、ヨーヨーやヒカリモノを毎年子供たちは欲しがります。そして屋台おもちゃは質より気分を買うため、ヒカリモノに子供ほど魅力を感じられない大人には非常に高価に感じられます。そして祭り後しばらくで必ず邪魔になることもあり、ポンと買ってあげにくい悩ましさがあります。当日に予算を決めて与えるという手もありますが、それすら惜しがりそうな予感がしたので、先に子供たちに稼いでもらうことにしました。


夏休みということもあり、ナス、トマト、キュウリの一株ずつを上の三人の子供たちに一つずつ世話をしてもらう企画です。最初の植え付けとお世話のアドバイスだけして、後は自分でマメに手入れをして、収穫できれば買い上げてあげるということで始めたのは5月の頃でした。世話をされたりされなかったりだった野菜たちも、雨を受けてお日さまのパワーにさらされて、7月後半には待ちに待った収穫時期になりました。


花が咲けばあっという間に実がついて大きくなってくれる夏野菜は、毎朝成長が見れて楽しいものです。娘たちのナスとトマトは畑の柵の中にあるので、注意して見に行かなければ成長を見逃してしまいますが、息子のキュウリは縁側のすぐ近くなので、出かける時と帰宅時に必ずチェックして報告してくれます。声かけが多いおかげかキュウリはお父さんのものより育ちがいいようです。もちろん全体量では及ばないですけれどね。

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さてこの貴重な野菜をいくらで買ってあげるかでまた一悶着しました。高く売りたい素直な子供心と厳しい消費者である母心がぶつかり、きゅうり一本四百円との暴挙をなんとか制して、キュウリとナスは五十円、ミニトマトは一個二十円で落ち着きました。お祭りの一週前、つまり今週はボーナスも出すということで、せっせと育ちをチェックしては台所に納品に来てくれます。畑の野菜を持ってくるだけなら数えなくていいし記録しなくてもいいのですが、お小遣いがかかっているのでそうはいきません。報告して母の閻魔帳に書きつけてもらわねば後で困る、ということも週を重ねるうちにわかってきたようです。


キュウリとナス担当の長女と息子は、デキを見て欲しいのもあり私に直接見せに来てくれますが、畑でつまみ食いの癖がある次女はつい食べちゃって苦労しておりました。妹にもあげて三つ食べちゃった、と初めの週に事後報告があったときは見逃してあげましたが、次は納品するようにと念を押したので、自分のトマトはつまみ食いしなくなりました。これは彼女にしてみればなかなかの成長なのですよ。

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収穫も収入も期待した割にはなかなかうまくいきません。なにしろ一株しかないし、今年の暑さもあるし、土作りが間に合わなかったのかもしれません。親も農はまだまだ模索中、めくるめくもうかる経験には程遠くて少し子供たちには申し訳ないですが、苦労を分かち合うまたとない機会になっております。スタートが出遅れたと感じた長女は早くも来年への思いも膨らませて、長期的な経済教育になりそうです。そうこなくっちゃね。


苦労して稼いだちょっぴりのお駄賃を持ってお祭りに行き、彼らは気前よくヒカリモノを買うのでしょうか。キュウリ六本分の価値と引き換えにできるのか。子供には難しい選択になるかもしれませんが、悶絶する子供たちを見守る楽しみもできました。気持ちは甘やかしがちですが、境遇は苦労させまくり、亀成園の子供たちはまた一回り大きくなっていきます。