勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

飯高で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

危険な月夜

だんだんと木々も森も色付いてきて、空気冴え渡る秋の夜は、寒くもあるので外に出ることはためらいがちになりますが、星を見るには一番いい時だと夏の星空観察会で教わりました。秋の星座は目立って明るい星や派手な星座はないようですが、その分たくさんの星が見えやすいし、星座の物語も楽しみやすいようです。飯高町は星空好きには最高の暗さ指数を叩き出しているらしく、星空で町おこしも夢じゃないと太鼓判を押して頂いていますよ。つまり街頭も少なく家々から溢れる明かりも少なくて本当に暗いのですが、視点を変えれば何が武器になるかわかりませんね。私ももう少し星空ツウになれたら夜空の啓蒙活動に乗り出してみたいものです。暗い中の明るい道は前途多難かな、でもきっと求め甲斐がありますね。


そして星も綺麗ですが月も綺麗なのが、言わずと知れた秋の夜です。特に十月の十三夜は幸い天気もよく、長く美しい姿を見せてくれましたね。まんまる満月ももちろん大事な日なのですが、その少し前の真ん丸とはまた違った卵型の月は、日夜おいしい卵のことばかり考えている養鶏家にはまた嬉しいものです。


月がきれいな夜はただうっとりするというよりも、なんだか切ないようなどこか落ち着かない気になります。産まれてくる赤子ほど敏感にそのパワーにあやかることはできませんが、なんだかそわそわしてしまうのは確かに感じていて、まあでもあまり気にせず寝てしまっていたのですが、月夜の晩に落ち着かないのはもちろん私だけではなかったのです。日付が変わる前後、或いは丑三つ時、番犬である愛犬の吠え声が聞こえます。遠吠えなら一度や二度で終わりますが、何度も続く時は、侵入者です。金目のもの泥棒ではなく純粋なる鶏泥棒が来るのですよ、明るい月の晩には。


夏場は山の中に豊富に餌があったのか鶏たちも犬も、台風とマムシ以外は呑気に暮らしておりましたが、寒い季節は敵が活発になります。イタチなのかアナグマなのかはたまたハクビシンか。うちに鶏がたくさんいることは隠しようがないので、穴をあけられたり侵入を許せばひとたまりもありません。今のところひいき目に見て優秀な番犬のおかげで悲惨な被害はないけれど、犬をつなぎっぱなしではそのうち回り込んで入られないとも限らないので、吠えて知らせてくれたら見に行く必要があります。子供たちはピクリともせず熟睡の中、フラフラしながら夜の外に出て行くと、なんとまあ屋内より明るく妖しい美しさです。愛犬にお礼を言って(ご褒美をやって)様子を見ます。単に尻尾を振ってじゃれてくるときは安全ですが、大体身体も鼻先も山の方を向いてこちらに知らせてくれます。やっぱし。写真は明るいときの無垢な愛犬ですが、結構優秀です。

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鎖を放してやって愛犬にお仕事をさせている間に念のため鶏小屋の見回りです。無事に固まって、動じることもなく呑気に眠る鶏たちを確認してやれやれ一安心。犬もひとしきり追いかけて追い払ったら戻って来てくれるので、もう一度お礼を言って(ご褒美をやって)から床に帰ります。たいした時間ではないけれど、夜中なのでなんだかグッタリです。明朝もまた無事な鶏さんたちに会えることを信じてバッタリ。

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月の綺麗な晩の次の朝、養鶏家の運転はちょっとばかし危険になるのでありました。安全第一。