今週のお題「2018年に買ってよかったもの」
書きかけてなかなかまとまらなかったのを、お題の出た機会になんとかまとめてみました。
体育と並んで家庭科が一番苦手だった私ですが、長女が胎児の頃から細かいものを作ってみることを続けています。たっぷり暇だったからというのも大きな理由ですが、駐在暮らしで日本にいるより買い物がしにくかったこともあり、ぬいぐるみや布の玩具が作れたら楽しいかなと思い立って始めました。それから早10年、いつも子供の存在を感じながら手を動かして針を使い、少しずつながらモノづくりを続けるのは今でも好きな時間です。縫い目はそろわないし仕上がりもピシッとしない不細工作品であっても、時間をかけてこしらえたものが子供のそばにあるのは嬉しいものです。小っちゃい枕とか、ペタンコのぬいぐるみとか、やわらかボールとかなんてことない袋ものとかですが、10年の月日があるのでわりと溜まっています。他人にあげるほど上手なレベルには至らないので、捨てない限りうちにあり続けるのでいつの間にか囲まれてしまいます。これらの整理は課題ですね。
とはいえ、手作りなんて受け入れてくれるのは小さいうちかなと思っていたけれど、10歳の長女は未だに母の物が大好きです。リクエストもするようになり、ペンケースが古くなったから作ってほしいとお願いされました。ペンケースというからにはランドセルにどんな向きに突っ込まれても大丈夫でなくてはなりません。机に立てた時の安定感もなくてはなりません。それまでは持ち手付きバッグや巾着で精一杯と思っていたから開閉式のチャック付き袋物は大きな壁でしたが、他でもない長女の頼みとあらば頑張らずにはいられません。
入念な下調べの結果、バラ買いより10本まとめた方が、断然お得なだけでなく、デザインも良く、安心して失敗できることも考慮に入れ、初挑戦のくせにまとめ買いの暴挙に出ました。
それから数ヶ月、十本あったチャックは残すところ三本になったのです。
娘の小さな頃のワンピースから試しに作ってみた紐付きポーチを皮切りに、バッグに細々入れるものをまとめるポーチ、それから課題の長女ペンケースもわりとあっさりできました。一個目は裏表反対になるというミスをしたのでもう一つ慎重に作り上げるとどちらもお気に入りいただけました。ペンケースとその他の文具入れとして毎日使ってくれています。
お上品なピンクはもとファミリアのワンピースだったものです。すっかりワンピースを着なくなった長女をおめかしさせていた頃を思い出して、なんだか幸せな思いでチクチクしていきました。
こちらはあっという間に作れた私の小さなペンケースです。ミニタオル一枚で作っているので洗うのも気楽です。もっとすいすい作れたらバザーの商品になるかなと思いながら、そこまで針が進まないのが実力ですね。
大きな仕事をしてやれやれと思っていたら、今度は長女自身が私が最初に作った紐付きポーチを自分で作りたいと言い出しました。一年生の頃に裁縫セットを与えたもののちっとも出番がなかったけれど、やっとやる気になったかと感無量になったので、またサポート体制を敷かなければいけません。
子供と目的を持って一緒に過ごすにあたっては、「できるところは口出しせず、静かにそばで見守り、難しいところだけヘルプ」をモットーにしておりますが、これってなかなか容易じゃありません。一応そのために時間を空けつつ自分は真剣になり過ぎずに他の用事をするのです。イメージとしては昔懐かしのいつも編み物をしているおばあちゃんなのですね。私の場合それを急遽演じることになるので、どこかちぐはぐですが仕方ありません。いつもはやらないけどやっておきたかったことは結構あるもので、なんとかゆったり母さんのそばで頑張る娘を上演することができました。
まだ糸を通すのもマゴマゴする娘なのに、一針一針なるべく細かく頑張ったおかげで、素敵なポーチができました。裏表重ねて縫っているので見た目より丈夫です。アクセントにリボンも付けて、ちょっとしたオシャレさんっぽいかしら。
よく見れば縫い目は明らかに大きいし、紐のつけ方も無理矢理だし、心得のある方々からすると目も当てられないことは承知ですが、「自分のものは自分で作る」ことを大事にする教えからいくと、良き挑戦ができたのではないでしょうか。
手芸チャックをまとめ買いしたことで、母子ともに良い機会ができました。残りのチャックは何に使ったのかなくなってしまってあと三本、うずうずしている他の子供たちにも何か作ってやらなくちゃいけませんね。それは来年に持ち越しかな。
たいしたことじゃないけれど、手間かけて時間をかけて日々を作ることを、これからもないがしろにせず続けていきたいです。