勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

知られざるヒラヒラの力

たまごのぼりを立てました。

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風雨による劣化を懸念したためめっちゃ奥まったところに立ててしまい、ちっとも目立っておりませんが。更に目立たない卵直売所の助力にはなるのかな。もっと盛大にヒラヒラなびかせたい気持ちと奥ゆかしく永く使うのもいいかなとの気持ちにはさまれておりますよ。

 

五月は一番風の気持ちよい季節。

田舎の立派な鯉のぼりももうしまわれてしまいましたが、大きくたなびいていると子供ならずともテンションが上がります。スックと立った棒と横向きに泳ぐ大きな鯉の家族。こんな鯉のぼりを見るためだけにも町の子は田舎を訪れたらいいのになぁと思います。最近川に紐を張って泳ぐ鯉のぼり集団も多いですが、あれだと向きが違う気がして、正統(個人主観)のぼりを存分に拝める暮らしに勝手にうっとりするのです。

 

だからうちのたまごのぼりももっと堂々はためいてほしい。ヒラヒラに誘われてつい寄ってしまう人を待ちかねているのに、効果が見られないのはヒラヒラが足りないからに違いありません。

 

そういえば以前通っていたシュタイナー幼稚園では、先生方の服はいつもヒラヒラの長いスカートでした。これはたまたまそういう服が好きな先生が集まっているというわけでなく、シュタイナー教育を取り入れた幼稚園での方針なんだそうです。小さい子の周りにいるゆったりとした雰囲気の大人が、いつもヒラヒラの布をまとうことで子供の心に落ち着きとリズム感が養われるのだとか。布の色に決まりはありませんが、曜日によって使い分けてあったので、お迎えに行くと淡いピンクや草色、薄いブルーやクリーム色など微妙に違うけど先生方みんなおそろいの色に出迎えてもらっていました。ゆったり動くとヒラっと風にゆれる自然素材の長いスカート。こまめに動く先生の周りはいつもヒラヒラが舞っていて、きびきびしているのに優雅という在り方を体現してもらいました。男性の保育士はいつも同じ格好だった気がしますが、子供の周りにいる大人たちが、小さな子供にふさわしい服装をいつも心がけてくれていたというのはきっととてもありがたいのです。

 

私もたまに柔らかい布地のスカートにしているとやたら子供がまとわりついてきます。小学校も後半になるとそんなこともないですが、七歳くらいまでは布がゆれると自分もふわっとしてしまいます。そしてそんな時の子供はワァワァ騒がずなんだか幸せそうなのです。カーテンに巻きつくのが好きな子供も多いですね。柔らかい布にくるまれるというのは安心感があるなぁとわかっていると、子供がなんだか元気のないとき自分が身につけていたスカーフなどでさっとまいてあげる癖がつきました。ただ温かくなるだけでなく、ヒラっとふわっとしたものが身体を包むということが大事なのですね。

 

大人として暮らしているとなかなかヒラヒラに素直に反応して心がふわりとすることも難しいですが、風の気持ちよい五月はヒラヒラを感じて子供心を取り戻すにはぴったりかもしれません。はためくのぼりに誘われて、爽やかな風を浴びにお越し下さいませ。

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