勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

実りの秋の苦手仕事

雨続きの秋ですね。田んぼも散歩も畑も晴れてなきゃなんだか気持ち良くありません。たまの晴れでの散歩がとても幸せでした。

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しかし雨でも風でも力入らなくてもぽっかり空いた時間でできることはあります。むしろそうやってぽっかり使える時間がなきゃ進まなかったのが、栗の皮剥きです。

 

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今年は栗が成り年だったのか、たまたまご縁があったのか、続々と三箇所から頂きました。我が家の栗はまだ小さくて実がとれそうになく、ありがたい限りではあります。とはいえ栗って美味しいけど手間かかりますね。焼き栗にしておやつにホクホク食べるくらいなら幸せだし各自がむくから手間は減るのですが、うんとあるとせっかくなら保存してなんかしたいなと思ってしまいます。とりあえずの栗ご飯なら10個くらい包丁でむけるけど、50個くらいあると私にはもうむける気はしません。それでも食べるなり保存するなりしてしまわなくてはいけません。すぐ腐るものではないにせよ、虫ばっかりになったら悲しいのでね。というわけで今年はニューアイテムを使うことにしました。多分もっと前からあっただろうけど知らなかっただけです。栗の皮剥き器ってのがあるのですね。

 

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この新しい相棒、クリクリ坊主を手に、浸水させてふやかしておいた栗むき開始です。おっ、確かに鬼皮はつるっとむけます。下のノコギリ歯で栗を固定して、上の鋭利な歯で剥がしていく仕組みなので、包丁の歯がツルッと滑って抑えていた手に怪我をするというワンパターンからは脱出です。刃物での怪我が絶えない私には嬉しい優しい道具。クリクリ坊主よりクリリンって感じです。

 

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クリリンの力を借りても一個一個、渋皮までむいていくのは楽な作業じゃありません。ベテラン栗むき職人なら日に何百(或いは千、万単位なのか)とむけるのでしょうが、腕や手に無駄な力が入る私はもう10個でやっぱりしんどいです。なんなのでしょうね、この地味な伝統的な台所作業の過酷さって。ちゃんと自分の手と時間を使う作業は嫌いじゃないです。むしろそれに費やしている時間は現代では長いほうだと思うけれど、当たり前のこととして行うにはまだハードルが高いというのが私の実感です。一所懸命むいていったけど、まあ仕上がりはこの程度です。売りに出せそうにはありません。

 

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百個以上の栗を何回かに分けて、無理せず剥く気になった時に頑張って、だいぶリズムも掴めてきたあたりで、なんとか全部むき終わり、鬼皮がたまりました。

 

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むける自信がついたところで栗がなくなり、ちと残念ですが、今度はこの鬼皮で草木染めをする友達のところを訪ねる用事につながりました。田舎ならどこにでもありそうな栗の皮だけど、たまたま沢山必要な人がいて、ちょっと役に立てそうなのは嬉しいつながりです。

 

さて沢山むけた私の栗たち。お正月の栗きんとん分以外は自由に使えます。もっと寒くなってきて、ストーブ必須になったらゆっくりケーキにしてみようかな。お菓子と相性抜群の栗は、これまた私にはハードルの高い素材。でもきっとまたぽっかり空く時間があるから、その時が挑戦のチャンスです。素材はある、時間もある。だったらもう、自分次第ですね。今はちょっと先延ばしにして想像力ふくらまし期です。これぐらいの呑気は許されてもいいかなと自問自答の、やっぱり雨の秋。