松阪市では今年やたらと「移住促進」の言葉を使っている気がします。小さな流れが大きくなって当たり前になっていく前段階らしく、移住促進を市の大切な取り組みとして進めてもらうようになったのは、小規模な学校を残したい一心の身にはとてもありがたいことです。
先日も市議会報告会で「移住促進」について市民と意見交換をする、という機会がありました。小さな地域で語り合っているだけでは残りにくいけれど、公の場で出る前向きな意見は記録に残るし、市の政策に刺激を与える力にもなりそうなので、遠慮なく見解を述べてきたのです。聞いて頂きありがとうございました。
地元の人々はこの地域が当たり前で、若者が出で行くのも当たり前で、何故移住者が来るのかわからないと言います。こんなに清流と身近に暮らせる豊かなところも珍しいだろうに、こんなに教育者が多く児童・生徒に関心のある地域は当たり前じゃないだろうに、地元の魅力を外から見ることは難しいです。もっと便利なとこに住めばいいのに、子供が大勢の方がいいだろう、と田舎の魅力発信には懐疑的です。地域の存続をあきらめているわけではないけれど、盛り上がって持ち直していくビジョンが描けず不安でいっぱいなのです。
それでも移住者を拒絶せず受け入れる懐の深さはいいなぁと、受け入れてもらった身としてはしみじみ思うのです。
数ある日本の田舎の中でも、飯高町に移住してきて本当によかったと思うのは、清流と生物多様性に加え、緩く温くつき合える人々のおかげです。
この飯高町を廃れさせず続かせていくためには、もっと仲間が欲しいです。
住みたい街に大事なのが「便利さ」でなく「豊かさ」なら、「行動範囲が狭いこと」でなく「伸び伸びとこの町で育つこと」が大事なら、松阪市の飯高町は希望通りです。
下記のお題とは大いにズレるけれど、言いたいことは残しておく姿勢で。移住促進、続けていきます。一緒に育つ大切な仲間に届くことを希求して。
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