親子山村留学活動を続けてきて
子どもたちが通ってきた山間の小さな学校をなくしてしまわないよう、児童の数を増やすために取り組んできた親子山村留学募集の活動がもう丸6年になります。
親子山村留学の実践者0が1になるまでがとても永く、もう限界かと言うところからの児童数V字回復があり、試行錯誤しかない中でも児童数で見ると素晴らしい成果を出しながら、一旦活動の息切れがありました。
細々続けているもののこのままではまた学校が残らず萎んでしまいそうということで、はちまきを締め直しています。そうして今年は協力者を新たに募り、更に持続的な活動に向けての下地固めをして、嬉しい成果につなげていかねばならぬ時です。うぬぬ、なかなかのプレッシャーですが、私にできることの優先はなんでしょう。
空き家探しと仕事探し
親子山村留学を検討する人にとって2大の壁であるこの辺の問題は、私にはどうにもできません。良い家との出会いと、ハマるお仕事がありますようにと念じるのみです。ここをカバーするためにも地域の人の協力を仰いでつないでいます。
「子供の小学校を変える」となったら、それだけではなくて親の生活は子供以上にガラッと変わります。だからいかに「田舎で子育て」に憧れがあっても、実際問題が容易ではないことは重々わかります。だからこそ、そこまでしたいと思えるほどのモチベーションにつながるストーリーがいるのです。心が躍り湧き立つようなストーリー、それを届けることができるでしょうか。
私と松阪市立香肌小学校との付き合いは、現在高校2年生の娘が小学校2年生で編入してきたとき以来です。それまで過ごしたのはフィリピンのシュタイナー学校で、これ以上の学校はないだろうと期待せずにやって来たのに、めちゃくちゃ素晴らしい学校だなと感激したのです。
やってきた理由は日本の田舎で子育てをするためでした。古民家で豊かな自然に囲まれて、川のそばで暮らして、子どもたちにも自分にも育つ力を実感したかったのです。
たまたま近くにあった公立の小・中学校に大きな期待をしていたわけではありません。通うかどうかも自由に考えていましたが、娘もすぐに気に入ってここに通いたいと意思を示してくれたことから、大きな縁がつながっていきました。
それ以来、次女、長男、三女も香肌小学校でお世話になってきました。児童数が減るばかりだったので、一時期は全校児童14人のうち3人が我が子というほど幅を利かせていた時代もありますがw、現在は小学校4年生に末娘が在籍するのみとなりました。25人のうちの1人として、堂々と馴染んでいてくれます。
けれど児童数を増加するための活動がなければ、今娘はこの学校に通えていなかったです。
学校が残ったがゆえにどれほどの学びや育ちがあるのか、そこを振り返っておきたいです。

末娘は生まれこそ違うものの、物心つく前からここで育っています。
歩けるようになる前から川で遊んで、犬や鶏がいて、動き出してからは振り回せる木の棒がいくらでもある環境でした。
山の学校に通う子どもの姿
現在、娘は徒歩で学校に通っています。
学校に通うことは好きでも嫌いでもありません。そうするもんだと納得して、教科書での勉強をして、当たり前に様々な体験学習もして、しっかり給食を食べ、遊んだり読書をしたりしています。
1年生は2人で入学したけど、1年生が終わる頃に1人増え、2年生からまた2人、そして1人増え、3年生の春にもう1人増え、今は7人の学年で学校で一番の人数になっています。
同級生が少なかったことや増えたことに対して、彼女に一喜一憂はありません。保育園は隣の小学校区と一緒になっているので娘だけ違う小学校の進学だったのですが、その時も「みんなと違うのは嫌だ」なんてちっともなかったですね。肝の座った子なのです。
とはいえ、少ないクラスメイトや他学年の学校の友達からの影響がないわけではなく、
「○○ちゃん、春休みどこそこに旅行やってんて。いいなぁ」とか
「休んでた子がいるから今日の掃除は大変だったー」とか
そんなことを言ってくれることもあります。上の娘たちはもう少し他者に関心があって
「○○ちゃんはめっちゃ絵が上手いねん」とか
「○○ちゃんは将来ほにゃららになりたいんやって。すごいなぁ」とか
随分と丁寧に他者への関心を育てていたものです。
末娘はとりわけマイペース、我が道をいく、我関せずができあがってる子なので親に知らせないことがほとんどとなりますが、つい先日こっそりと打ち明けてくれたのは
「あのな、○○に速く走るコツ教えてもらってん」でした。
走ることでライバル視していた子からの思わぬ助言にとても喜んでおりましたよ。
なかなかまとまりそうにはありませんが、
山の小さな学校で当たり前に育つ我が娘をいい感じに紹介するならば
・強く自分を認めて育っている
・時間に追われずやりたい遊びをしている
・生き物や地形に当たり前に詳しい
そんなところがポイントになってくるでしょうか。
子供が少ない中で子供らしく育ってきたので、周囲に可愛がられるのが当たり前の環境です。
末っ子ということも輪をかけて、自信満々のまま10歳を迎えそうです。
でもその自信は井の中の蛙ではなさそうなんですね。たまに他所の同い年の子に出会うと、なんだかふにゃふにゃしてるなぁと感じることがあります。体の使い方もですし、内面も。
登山と自転車が好きな娘は自分で自分を鍛えられる環境にいます。
遊んでいるのか自分を鍛えているのかわからない自由時間が増えました。
そんな娘を、親の私は眩しい目で見守り、信頼することができています。
家で小言をぶつけることもありますが、いい意味でほとんど聞いてくれていませんw
苦手なこともあるけれど、そこにコンプレックスを抱くことや過度に嫌がることなく、好きなことに意識を多く向けて大体機嫌よく過ごしてくれています。
田舎で子育てする親のメリット
山の小さな学校で当たり前に育つ子は、親にとって心配事が少ない子ではないでしょうか。
先生や他の家族もすぐにわかるし会えるので、何かあれば向き合えばいいし
地域に人にも知ってもらっていて、皆で見守ってくれていることを知っています。
周囲に対して警戒をせずに迷惑はお互い様で育てることができているのは幸せですね。
心身たくましくなって、学校のことも友だちのこともほとんど話さないけれど大体うまくやっていることを信じられる状態なので、親としてこれほど安心なことはありません。
私は上の子たちが中学生、高校生になった状態も知っているので、今下の子がそんなにベッタリ友達付き合いをせずにマイペースに育っていても、親元も離れて仲間を必要とする時代になると問題なく入っていけるということも知っていて、何の心配もしていません。
むしろ今は自分の世界をとことん大事にする彼女の強さに惚れ惚れしています。
香肌小学校で当たり前に育つ娘は、芯がしっかりとした呑気者です。
豊かな自然と与えらえる学びを真っ直ぐに受け止めて、自分の心と体と頭をしっかり使ってどこまでも前向きに育っています。
ここまで辿り着いて改めて伝えたくなりました。
小さな学校での親子山村留学にどんな価値があるのか。
素直、安心、信頼
そんなことがキーワードになってくるでしょうか。
いつも周りの自然に知らず知らず癒やされながら、子どもも親も認められ、尊重し合って過ごしています。
子供が育つ環境を選んだことがこんなに人生を変えるとは思っていませんでした。
これからの不安がないわけではありませんが、子どもたちの姿を見ていると、怖いものなんてなくなってしまいます。学ぶ力、生きる力を素直に身につけ育っていくと、もうその先は信頼しかありません。親としてこれほど安心なこともないでしょう。
時間をかけた甲斐あって、私に伝えられることがますますパワーアップしました。
何度も何度も言葉にして伝え続けていきます。
大切な子どもの学童期、どんな環境のどんな小学校を選びますか。







