二歳の娘がお兄ちゃんのストライダーを借りたがることが多くなりました。犬の散歩中に上り坂で彼女にストライダーが回ると、遅々として進みません。小さな子が新しいことに挑戦するにはたっぷりたっぷりの時間が必要です。歯車が噛み合い回り出せば、驚くほど一気に上達するのですが、その前段階はとにかく「待ち」の一手しかありません。
時間に追われている気から逃れられない大人はとにかく待つことが苦手で、意識の最上位を「暇であること」にしている私ですら、ちんたらちんたら進まない我が子につい苛立ってしまい、急かすことは少なくありません。どうしようもない時というのはありますが、もっと待ち上手になれたらどんなにいいでしょう。
その点、犬は小さな子を待つことがちっとも苦にはならないようです。せっせか走りたい気持ちも強いけど、一緒にいることがより嬉しいのか、必ずじっと待っていてくれます。
時間に追われていないだけでなく、共存の鉄則をわきまえているようで、待ち上手な犬の姿は好ましいだけでなく、教えられることが詰まっています。愛犬に待ってもらった小さな娘はきっとゆったり育ってくれますね。親を補ってくれる犬が居て、なんてありがたいことでしょう。
ま、彼も自分のご飯は待てずに催促しますけどね。食べる姿もガツガツで、優雅とは程遠いですよ。一長一短、でも長がだいぶ勝っています。