勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

風邪をひいた鶏さん

幾多のウイルスにも負けず、全員無事に冬を乗り切れそうだった亀成園で、ついに風邪引きさんが出ました。とはいえ子供たちは被害なしですが、先日一歳になりたての鶏さんの一羽が数日前からぐったりしていたのです。

 

その更に数日前から鶏たちは昼間は放し飼いになっています。三、四羽ずつの小屋を広く囲った果樹園スペースに置いて出入り口を開け、庭木の間を自由に歩き回り、地面をつついて耕してもらっています。時々囲いから逃げ出してびっくりする所にいることもありますが、概ね順調にご機嫌にうろついてくれており、産卵時やご飯の時、暗くなって眠る時は自ら小屋に戻ってくれます。念願の放し飼いがようやく軌道に乗って一安心なところでの、ぐったり一羽を発見しました。生き物と共にあることはいつだって未定だらけです。

 

この一年間、両手に余るほどのわりと激しい風雨にもめげず、数多の外敵からも逃れ、どの子も無事に元気に育ってきたのが不思議なくらいです。鶏だって風邪を引くし数々の不運に見舞われておかしくないのに、亀成園の鶏たちは産卵率を落とすくらいの被害で(飼い主サイド)、極順調に育ってきたのですから。ぐったりした一羽をとりあえず保護して、うちに連れて帰りました。

 

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風邪はとにかく温めて休ませること、とシンプルな信念に基づいて、家の土間に場所を作り、近くでストーブを焚いて暗くして静かに一晩過ごしてもらいました。静かにという条件は子供たちが起きている間は当てはまらなかったかもしれませんが、鶏はそんなに耳がよくもないようなので、温かさと安全第一です。火が見えると怖がってしまうので、囲いを工夫して、あれこれ世話を焼くのが結構楽しい非日常事態でした。

 

保護してから次の日もなかなか動かずじっとしていましたが、午後に外に出してみるとだいぶ動き回るようになりました。お日様を浴びてのんびりと、その後食欲を取り戻し、土間を動き回るようになったので、もう大丈夫な様子でしたが、もう一晩温かく休ませてあげました。飲み水にちょっぴりトウガラシを入れたり、エサにヨモギを入れるのも効いたのかな。

 

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そんなこんなでもうすっかり良くなって、また他の鶏たちと一緒に放し飼いできるようになりましたよ。悪化させることなくみるみる回復してくれて保護者冥利に尽きます。どの生き物も健康が一番ですが、時たま弱る時はなんだかやけに保護欲をそそられて、新たな一面が可愛らしく思われます。滅多にないことだから、新鮮でいいのですけどね。丈夫な面々に大感謝。