勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

春うらら、ヒナの誕生

3月の頭から抱卵してもらっていた烏骨鶏が、無事にヒナ誕生を迎えました。


鶏の抱卵期間は21日間とは聞いていたことなのですが、なにせこちらも初めてなので、二十日目ぐらいから今か今かとドキドキしておりました。鶏の孵化率は7割とも3割とも言われ、書物によってあまりにも差があり、うちの10個の卵は一体どうなるのか、実際に誕生を迎えてみるまでは何もわからないも同じでした。母鶏となる雌鶏の二羽はたまに水を飲んだり餌をついばむ以外はそれこそひたすら卵を抱き続け、じっとじっと待ち続けるばかり。すっかり忍耐なんて忘れてしまったかのような身には、信じられないほどの忍の一手で頑張ってくれていました。この子たちのためにも半分くらいは孵化して欲しいなと思って迎えた21日目の朝のことです。


「ピヨピヨ、ピヨピヨ」と明らかにいつもと違う幼い、しかしやたらに大きい声が聞こえて覗きに駆けつけてみると、ああ、ヒナが卵の殻を破って出てきたところなのでした。続けてもう一羽、小さな声がして、卵の中からヒナが殻をつつくと母鶏も外から殻をつついて手伝ってやり、また一羽誕生したのです。


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誕生したヒナは卵の黄身をまとったかのように黄色くて、地肌は烏骨鶏らしく黒くて、予想より更にちっちゃくてちっちゃくて、UFOキャッチャーの景品みたいな可愛さで、でも動いてて生きてて、なんかもう頭がこんがらがってしまいます。じっと見ていたいのに母鶏たちは温めるためか眠らせるためかすぐに懐に隠してしまってなかなか見せてくれません。


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そんなわけでその日のうちは何羽産まれたかもはっきりとわからないまま、チラ見えするヒヨコたちの姿にキュンキュンして過ぎました。



次の日になって、更に二羽ほど産まれた頃から、母鶏たちが急にヒナを離れて餌に食い付いたり盛んに砂浴びするようになってようやくヒナの様子が明らかになりました。


10個の卵のうち孵化したのは8個、そのうち一羽は奇形だったのか羽毛が生えそろわず力尽きてしまい、結局7羽が可愛いヒヨコとして産まれてきてくれました。残りの2個は残念ながら無精卵だったようです。


鶏を雌雄混合で飼っていると、人が狙わずとも自然にヒナが産まれていることもわりとあるらしく、ヒヨコの誕生なんて世の中では珍しくないことなのかもしれません。それでも亀成園では烏骨鶏の孵化はわりと重要度の高い初のプロジェクトだったので、いやそれより私にとってヒナが産まれるなんて、犬も猫もハムスターもなくて我が子以外初めてだったので、それはそれは強烈な出来事だったのです。酪農家のようにお産が日常的であれば自分のお産ももっとゆったり構えていられたのかもしれませんが、今更仕方ないことですね。現代ではきっとどんなヒナや仔の誕生も強烈な体験に違いありません。


誕生後すぐはか弱くてヨタヨタとしてまだ生命力が乏しく見えたヒヨコたちも、三日もすれば活気盛んに動き回り、どんどん食べるようになりました。いつまで黄色なのか、ピヨピヨ鳴いてくれるのか、毎日目が離せません。人工孵化のヒヨコはかなりお世話が難しいようですが、この子たちは母鶏と一緒なので、寒ければ懐に入れてもらえるし、小屋が安全でさえあればこのまま育ってくれそうです。さて雌鶏は何羽いるのか、養鶏家としては一番気になるところですが、しばらくはゆったり見守ってあげたいですね。雄も。折しも春休みに入った娘たちが夢中になっているのも嬉しい傾向ですよ。

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