勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

手作業礼賛

地域の食品工場でパートをするようになってしばらく経ちました。自分のあまりに男らしいお弁当に今後の課題を感じながらも、新しい仕事に慣れていくのは緊張しつつも楽しいことで、踏み込んでみてよかったなぁとしみじみ感謝しています。


学生の頃、日雇いで何度か工場のバイトをしたことがあります。パン工場、あられ工場、日本酒の瓶詰め手伝い、後は何だったかな。どれも定期的なバイトにはなりませんでしたが、さっぱりといい疲れのある仕事であったことが好印象だったので、今になっての新しい仕事でたっぷり工場らしさを体験できるのはなんだか気持ちのよいつながりです。


ベルトコンベヤーから出来立てをどんどん拾い上げる仕事や商品の厳しいチェック、発送前の箱詰めや在庫点検などなど色々させてもらっています。責任はあるから気は抜けないけれど、きちんと詰められると嬉しいし、次々出来上がっていく商品を並べていくのは、経済社会の一員になっている気がして不思議な安心感があります。今までが経済社会に取り残されている不安でいっぱいだったので、その反動ですね。


そんな中、昨日はシール貼りをしました。商品の表と裏に、名刺大のシールをペタペタと何百も貼りました。商品のシールなので、きちんとズレずに正しく確実に貼らなければいけないそれは勿論ちゃんとしたお仕事なのですが、私は無性に子供たちに対して後ろめたい気持ちでいっぱいになったのです。こんな大きなシールをこれでもかと使っていいなんて、シールが格別好きな子供ならどんなに喜ぶことでしょう。


そうです、工場の仕事というのは子供たちが好んでする遊びの作業がいっぱいなのです。シール貼りにたくさんのものを並べること、運ぶこと、同じ事を繰り返すこと、仲間外れを見つけることなど、子供たちが飽きずに集中して遊んでるときの作業と工場の仕事がこんなに似通っているとは、目からウロコでした。勿論経済社会における仕事なので、手順はあるし、楽しいばかりでもありません。それでも作業に没頭していると昂揚感があって、無我夢中で遊んでいる子供達の姿がチラチラと浮かんでは消えていきます。


現代はどこもかしこも機械化が進み、AIが当たり前になれば、小さな工場の仕事はほとんど無人でよくなってしまいます。現にAmazonなんかでは人はもはや細かい仕事や力仕事をすることはなく、管理とボタン押しくらいで事足りるようになっているようです。人手不足で効率化を図るには素晴らしい進歩であることは間違いないし、精密な機械工場というのも魅力的ではあります。とはいえ、自分の手で商品を整えて、社会に送り出していく手工業の良さをしみじみ味わい、子供の遊びと縁が深いことに気付くと、この仕事を残しておいてほしい気が強くなります。シンプルに手と目と頭を使い、何度もなんども繰り返す仕事は高度な頭脳労働とはまた違った良さがあり、価値があるのだと思います。そりゃ私もあまりに毎日毎日同じ作業ばかりだときっと次は文句が出てくるのでしょうが、飽きるまで、飽きても尚、工場で必要とされる人になれたらいいなと今は素直にそう感じています。手作業と力仕事を残せる未来であったらいいですね。