勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

芋掘りの激しいおまけ

 地上の木がたわわな柿なら地下は溢れるほどの芋なのが正しい秋の田舎です。どこの庭先もプリプリとオレンジの実でいっぱいで、収穫が間に合わずに落下しているのを見るのは切ないですが、持て余すほどあるのもまた事実。悪ガキの集団がやってきて根こそぎ採っていくような活気があればいいのにと楽しい青写真を描いてみます。 

 
 柿よりも子供に人気があるのはサツマイモでしょうか。たまに苦手な子もおりますが、ホクホク甘いお芋はいつもおやつに飢えている昔っぽい子供たちには待ち望んだ収穫です。地上の柿に負けじと地下の芋もまたいっぺんに太って掘り出し待ちになります。夏前に植えたヒョロヒョロとした芋蔓からよくぞここまで立派にと感慨深い秋の楽しみです。チビたちの通う保育園では近くのおうちが作ってくださっているのをみんなで掘りに行きました。姉たちの小学校ではごっそり植えたのをもうすぐ掘ります。地域の中学校の芋は既に掘られて給食に使われているみたいだし、子供たちの周りはどこもかしこも芋だらけ。芋掘り体験を我が子にとの考慮はしなくてもよいことがわかったので、亀成園では時間のある時にお父ちゃんが勝手に掘ってくれてます。どちらかというと体験したい私が一緒に掘ってもらうことをお願いして、秋晴れの中裏の畑に行ってきました。 
 
 コロコロと土から出てくるサツマイモはルビーに見えなくもない。またこれでしばらく楽しく生きていけるという安心と喜びを同時に掘り出します。近くにある里芋もそろって掘ってみて、ホクホクが重なりました。 ついでに掘ってみた生姜も上出来です。そろそろ寒さに備えてもいい頃ですからね。

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私はズイキと呼ばれる 里芋の茎が好物の一つですが、どんな里芋でもいいわけでなく、決まった種類のでなければ食べられないようです。芋を取るか茎を取るかで楽しい悩みが未解決のまま、今年の芋は立派です。そんな悩ましい里芋とは違ってサツマイモの茎は葉のついた柔らかい部分なら食べられます。山菜の蕗のように薄皮をむいて煮たり漬けたりの調理でなんとも言えない滋味をいただける芋つるは、サツマイモ掘りの嬉しいおまけとも言えるのですが、なんせ量が多いのが曲者です。調子に乗ってポキポキポキポキ太い茎から外していったら溜まるわ溜まるわ。農家は収穫後すぐの集中作業が基本らしいなので、まだヘボい農民としては絶好の練習チャンスと思って頑張ってみました。 

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 大阪育ちの私はどうしてもある特定の数字に弱いのですが、数百を超えるとどうも意識してしまって、今回の芋つるの数はちゃっかり551本です。この数字に合わせておくだけで幸せな気になるから我ながらおめでたい。ま、これでそのまま頂けるなら簡単なのですがね。萎びる前にどれだけ頂くことができるのか、やむなく鶏行きになるのか。どうにも秋は食材に追われがちになりますよ。