勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

始まりは自ら

香肌峡はすっかり紅葉の化粧が素敵な時期になりました。

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今月で私も戌年生まれとして一つ歳を重ね、36歳になりました。35歳は転機になりそうな気がしていたのですが、はたして仕事に迷い追われて思いがけずヘトヘトになってしまった歳でした。といって大きな仕事ができたとはとても言えない状況ですが、今の時代に居て、仕事のデキる血縁や友達を沢山知っているのに私だけはキャリアを築くこともできず長く専業主婦をしてきましたので、未だに自分が社会的に役に立つという自信がちっともないのです。といってもう旦那さまサラリーにあぐらをかいていられる立場からはかけ離れてしまって、子供を丈夫に育てたことだけを自己の拠り所とすることもできません。心血注いだ結果ではあるけれど、それは私の仕事の結果ではなく通過なのです。そして子育てにはまだまだ悩み中、まだまだ霧の中、きっと10年先もゴールもトロフィーもないのでしょう。それでいいと思うし、むしろそれがベストだと思っています。親は土台、踏み台でいればいい。子供自身が飛んでった先まで見れなくてもいいのかなとも思うようになりました。

 

となると私はこの先どう生きようか。もちろんまだ小さい子にはできうる限り寄り添いながらも、同時にそれとは違った自分の道への助走を始めておかなくちゃなりません。そんなこともあれこれ考え、と言って大きな手も打てず、ああでもないこうでもないと足踏みをしていたのでは、そりゃ疲弊しちゃいますね。手を動かすか頭を回すかどちらかに集中しなければ仕事というのはなかなか進まないもので、優先順位のつけ方も下手くそなまますぐに心を乱しがちな私は社会人としてはやはりまだまだ新米さんなのでありました。

 

さてこの先私にどんな仕事の転機があるのか、ちゃんと前を見据えて有言実行していかねばなぁと今更ながら思います。座右の銘に「意志のあるところに道あり」を掲げるわりに見えている道がぬかるんで険しいばかりではなかなか進めません。くねくねしながらも遥か高く遠くに見渡せる道が好きです。そんな気持ちを時々思い出すために手放せない写真集が下記。最近はピンタレストで素敵な道の画像を集めることも多いですが、結局は心に焼き付いている写真に行き着きます。

 

道のむこう

道のむこう

  • 作者: ベルンハルト・M.シュミッド,Bernhard M. Schmid,アイディ
  • 出版社/メーカー: ピエブックス
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 手に職が付かないまま考えあぐねてばかりではありますが、一方先月、香肌小で夢見た一歩を踏み出しました。コミュニティスクールボランティアとして、前年度より図書室に出入りしていたのですが、やはり対面での読み聞かせがしたくてお願いしてみたところ、月に一度からのペースで時間を作ってもらうことができたのです。どちらかといえば子供たちには自分で本を読むことより、物語を聞くことのほうを勧めたいので、オススメ本を並べるだけでなく、聞かせる活動ができるのは本当に念願の一歩です。

 

 記憶力抜群のアイヌは言うまでもなく、民話の語り部たちに比べると私の力はあまりにちっぽけとはいえ、読み聞かせに関しては、自画自賛してよいのかなとようやく鼻息を荒くしています。声に出して読むだけのことなので誰でもできるのですが、読む人によって聞く人がどれだけ物語に浸透できるかは大きく異なります。私は昔からどうも忙しくない人生を歩んでいることもあり、文庫や図書館などでも聞く機会がわりと多かったし、ラジオドラマを夜の楽しみとして夢中で聴いた時期もあり、読み方、言葉の運び方が身についておることを今更自覚しました。私やっぱり上手なんだわ。だったら、次に伝えるのが当たり前の務めですね。

 

香肌小の子供たちが表情豊かに耳を大きくして聞いてくれたことは、私にとっては花に水をやるように幸せなことで、数える程の機会であってもこの時期に聞くに足る物語を経験してもらうことを、使命として果たしていきたいと思っています。好きなことは仕事にはならなくても使命にすることはできます。社会に役に立つかどうかは別にして、私の道は豊かな実りに満ちています。ワクワクする道を、長く確かに歩んでいけますように。