勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

他の市町もいいやん@三重

先日私が参加させてもらった三重県移住相談会では四つの市町がブースを設けていました。仲間が欲しい身としてはもちろん松阪市飯高町に来てもらいたいなぁという思いは強いのですが、他の市町も知ることで改めて、三重県は山にも海にも恵まれて、歴史的にも興味深い県であり、県内は刺激がいっぱいである認識を新たにしました。移住は旅とは違ってひとところに落ち着くので、悩んだ末に英断を下してからが本番ですが、ピンとくるまでは旅をして物件を探してウロウロ迷うのは間違いなく楽しい経験ですね。

 

まず松阪市です。飯高町櫛田川に沿った山間部で、奈良県から大阪に抜ける道が通っている利点があります。川遊びに最高の場所がいくつもありながら、釣り人やカヌー人以外にはまだあまり知られていません。ライダーやサイクリストの来訪は多いので交流人口は年々増加している気はしますが、それ以上に空き家が増えております。本当に本当に子育て世代に来てほしいですね。

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 松阪市飯高町でないところはど田舎の魅力には欠けるものの、通勤や通学を考慮すると程よい田舎暮らしが楽しめます。家庭菜園に勤しんだり気軽にキャンプに出向いたり海や川遊びをするにも出かけやすいので、家族で快適な生活をするには適当なところだと思います。教育を重んじている土地柄であるし、なんといっても付き合いやすい人々なので、地方都市を選ぶなら松阪市はいいかなと思います。新興住宅地は小学校も一気にマンモス化しているのに比べて昔ながらの地域は少人数と差異がありますが、子供時代をどう過ごすのか、積極的に考えて選ぶきっかけになるかもしれません。ある程度市街地に近くてどっぷり山間部のうきさと地区というところもあり、幾人かの移住家族が楽しく頑張っているようです。松阪市もまだまだ知らないところでいっぱいですよ。

 

飯高町や美杉町は長い間林業誇る最も素敵な田舎町であったのにそれぞれ松阪市、津市に合併されてしまっています。合併については不自由なところも多いけれど、私個人としては松阪市も十分好きなので、まあ仕方ないかなと消極的な意見しか持てていません。市の中で広い面積を占める大事な地域として市街地の人にも誇らしく思ってほしいなと願うばかりですが、合併されずに町名を保っている地域のことはなんとなくいいなぁと感じてしまいます。単なる判官びいきなのかもしれませんが、町名が残っていく柔らかい感じが好きなので、合併されずに踏ん張ってほしいなと反射的に応援してしまうのです。

 

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度会町(わたらいちょう)もその一つです。都会からのアクセスは微妙に遠く、山奥でも海でもなく茶畑くらいしかセールスポイントがないと担当者は卑下されてましたが、伊勢にも近いコンパクトなこの町は移住者にとっては可能性に満ちています。一番魅力的だなと感じるのは、新参者が何かを始めたときに摩擦が少なく動きやすそうなことでしょうか。田舎で暮らしてみたものの地元との摩擦が大変で挫折した話というのは事欠かないので、その点度会町ならスムーズそうだな、と思いました。移住促進の担当者がどちらも笑顔の素敵な方で、友達になりたいなとピンときたので好感度が高いことは間違いないです。どこに行こうと人間関係が大事なので、受け入れ口の人が好印象であるのは大きな強みですね。

 

大台町が宣伝を重ねている、清流宮川でのカヌーやSUPは度会町でも人気だそうです。運動神経にはかなり難ありの私ですが、優しい地での挑戦なら楽しめるかもと期待しています。

 

さて山間部暮らしを楽しむ田舎人にとって、無い物ねだりで憧れるのは海辺の暮らしです。三重県は言うまでもなく海辺の観光地には事欠かない半分海の国で、関西人や東海人はきっと一度ならず三重の海と戯れたことがあるでしょう。伊勢志摩からずっと南に和歌山との境までボコボコの海岸線で、私もまだ知らないところばかりです。尾鷲市が移住ではリードしているらしく、海暮らしを満喫している挑戦者の話もまた是非聞きたいものですが、今回PRしてくれたのは紀北町でした。

 

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山から海につながるこの町一番のウリは海ではなく銚子川でした。私は知らなかったけれどNHKで放映されたという奇跡の川で、キャンプ場も大人気らしくそういえば知り合いが昨年訪れていたことを思い出しました。水の滑り台に川の上でのターザンごっこ、そりゃ楽しそうで遊びに行く行く、とすぐに名乗りを上げてしまいます。

 

けれど遊びに来る観光客を増やすのではなく、ずっと川を守ってくれる移住者を考えていかねばなりません。パンフレットをよく見ると、川沿いの集落に住む人はほんのわずかです。世界に誇れる奇跡の川を守り続けていくにはやはり新しい人々が必要で、住んでこそ感じる魅力をPRできたらなと勝手に課題にしました。川は遊ぶには夏ですが、春も秋も、冬もまた格別な美しさを放ってくれます。うちの近所でも見られますが、銚子川原理の滝も冬には氷瀑となるそうです。上から下まで凍った滝って、旅をしていた頃には見たことがなかったので、冬が特別楽しみな季節になる十分な理由になりましたよ。そして春はアマゴ釣りです。ちょうど櫛田川も本日解禁でソワソワしている人でいっぱいです。銚子川も今頃活気付いているのかと想像するとなんだか嬉しいです。釣り人はどんな都会にいてもどんなに朝が早くとも川に惹かれて行くもので大いに結構ですが、まだ経験も腕もない身にはそこまでの熱意は湧かないので、清流が近くにあってだんだんと家族一緒に釣りを楽しめるというストーリーが魅力的です。

 

近くの山からは海を見下ろせるという紀北町、ここも足を運ばない手はないですね。

 

縁あって、暮らしを思い描いて楽しそうな町を二つ、松阪市に続いて紹介してみました。どんな町でもそこにいることを決めれば仕事は見つかり、自分の暮らしを築いていけるのではと信じています。四季を通じての楽しみはやはり住んでみなければ分からない。発見に満ちた暮らしをしてみるには、まずは出向いてみなければいけませんね。

 

県内での移住先進地である伊賀市は別途書いてみます。