勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

蓮ダムに一番近い宿

4月にゲストハウスとガイドを開業するにあたり、改めて地域を発掘して過ごしています。まだ移住四年目ではありますが、この地に来てからの発見や感激を、訪れた人に伝えるのにどれくらいのストックがあるのか自問自答中なのです。四季折々の自然との関わり、花暦、ダイナミックな生き物の話など、自身の集めた経験だけでなく、地域の人々の声を拾って、時代の流れを感じてもらうガイドがしたいです。


開発と自然保護、過去と未来の人間を語るキーの一つになると思っているのが、すぐ近くにある蓮ダムです。


ダムは自然保護を訴える人には不人気の建造物です。そして飯高生え抜きの人々の多くはダムにあまりいい印象がありません。「昔の川とは比べものにならない」と口をそろえておっしゃいます。田舎暮らしを始める前に街中の茶色く濁った川を見てきた私には、飯高の川は夢のように美しいです。もちろんダムの影響が強いところよりもっと上流が綺麗なことは一目瞭然であるのですが、ダムのすぐ下の川にしたって汚れているなんてとても思えません。幻想的で生き物の多い、十分好きな川なのです。

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チラッとダムが見えていますね。歩くと二十分ほどの距離にあります。


確かに大雨の後は川の濁りがなかなかとれません。上流や支流はあっという間に済んだ川に戻るのに、ダムで堰き止められた水はなかなか浄化されないのでしょう。けれども地元の人は台風シーズンには決まって伊勢湾台風の被害を振り返って命拾いを語ります。近年の大雨で土砂崩れはありますが、川の氾濫による洪水や浸水がないのはダムに守られているからなことは否めないです。水嵩が増えてくると点検に来て、昼夜問わず川を見張ってくれているダムの職員さんたちを知ると、有難さが募るばかりです。日々の管理と建設の仕事は違いますが、ダムといえば思い出す絵本もあります。故かこさとしさんが最初に手掛けた絵本です。だむのおじさんたち

だむのおじさんたち

ダムやトンネルは確かに山を切り開いたり川を大幅に変えたりといった自然破壊の側面はありますが、工事の後に人々が暮らしやすくなり、地域がつながっていく効果もあります。松阪市の端っこのこの地も、人の流出が激しいけれど、蓮ダムは管理し続けなければいけないし、そこに至るまでの道も維持し続ける必要があります。開発して仕事があれば良い、という考えではなく、あくまでこのダムに関してだけなのですが、よく理解して上手に付き合っていきたいなと思うのです。

人工的ではあるけれど、私は展望台から見たダム湖が好きです。そして林業をする人々、大台山系を愛する人々の心が反映されているのか、ダム湖の上流には有効な植林地だけでなく、秘境といえる山が残されています。山を削ってしまってダム湖の上は殺風景になってしまうことが多い中、この作りはちょっと珍しいのだとか。大好きな宮ノ谷渓谷はこの奥です。

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多少古いデータのままですが、地図を見てもダムがあってなお豊かな山系がわかります。

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ダム自体に関しての解説はまだブラッシュアップ中。とにかくこれから案内することの多い誇らしい場所として、蓮ダムとの関係を深めていきたいものです。亀成園にお越しの際は、ご案内しますね。