勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

もしかして何もかも失ったとして、求める物は

年始に知り合いの方のおうちが火事になりました。素敵な家族の暮らしがいっぱい詰まっていた木造古民家は何の因果かすっかり燃えてしまいました。隣家に燃え広がることもなく、ご家族には怪我もなく避難できて身体は無事だったのがなによりですが、あまりに大きな出来事です。


今たくさんの方がサポートをして、たくさんの方がお見舞いに訪れて、これからどうされるかはまだわからないけれど、たくさんの想いが重なる時を過ごされています。私もさほど親しい間柄でもなく知り合い程度なのですが、せめて卵だけでもお届けしなければと会いに参じました。たくさんの方が続々と現れて応対も大変でしょうが、力が集まっているのはお人柄あってなので、少しずつでも受け止めて下さると嬉しいです。


住は時間がかかるとして、食や衣に関する物は続々と集まったようです。生活用具類も子供たちの学用品も。小さな頃からの写真も親しい方々が焼増しして集まっているようです。なんてぬくくて太いつながりがあるのかと、やっぱり憧れの人たちです。ご家族の歴史は途切れるわけでなく、組み立て直されていくというのを感じさせてもらえます。単純に「神は乗り越えられる試練しか与えない」などとは言えないし、何故そんな試練がと胸が詰まる想いですが、乗り越えた先にある何かに向けて、また確実に歩んでいかれることは間違いないのでしょう。


支援をと思った時、人によって思いつくサポートはさまざまです。とにかく食べ物を蓄えることを考えることも大事だし、お風呂に重きをおいたり、安らげるものを欲するだろうと思う人もいて、それぞれが自分の思いに従ってそっと差し出すのがなによりのサポートなのでしょう。そして勿論支援金が一番と考える方も多いのでしょう。本当にどれも大切です。だからたくさんの人が支え合わなければならないのでしょう。


そんな中、いわゆる役に立つ人ではない私が一番に届けたいと思ったのは、やっぱり本だったのです。どっしり読み応えのあるものではなく、装丁や中身の美しい本で、見て楽しむ要素が強く、それでも言葉はしっかりと真っ直ぐで、自分が弱っている時にもそっと心に寄り添うような本が、一刻も早く手元にあってほしいと思ったのです。


とはいえ本はかなり好みがあり、邪魔になってしまう可能性もあります。押し付けるのもなぁと腰重くクヨクヨしていたら、図書館の司書さんがこっそり企画をしてくれたのに縁がありました。図書館にある本を選んで、メッセージを付けてお預けすると「図書館貸し」にして届けて下さるというのです。なにかと頼りにされ、人と人をつなげることの多い図書館なのですが、今回もまたすぐに動いて下さるとは、さっすがさっすが拍手喝采でした(一人でですが)。


私が選んでお願いしたのは以下の三冊です。多分これらはきっと自分にもしも何かあったときに必要な本に違いないです。

増補版 富士山にのぼる

増補版 富士山にのぼる

  • 作者:石川直樹
  • 発売日: 2020/05/28
  • メディア: 大型

素直な疑問符―吉野弘詩集 (詩と歩こう)

素直な疑問符―吉野弘詩集 (詩と歩こう)

道のむこう

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本は衣食住に必須ではないけれど、暮らしを支えてくれるもの。そっとそばに寄り添ってくれるもの。蔵書をやたらと増やすことはしなくなりましたが、もし自分の暮らしから本が一気に失われてしまったらと思うと、なによりゾッとします。そんなに貴重な本を持っているわけでもないけれど、焼け出される時に惜しくなるのは多分これ

藤城清治の旅する影絵 日本

藤城清治の旅する影絵 日本

生きていると多分これからも想像を絶するいろいろなことがあります。悲喜交々それはもうダイナミックに。恐れより楽しみが多いうちに、大事なものを確かにしておく作業はしておきたい。いつか寄り添ってくれる言葉や風景や人の存在なんかを、寒い空を見上げながら振り返ってみました。