勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

和むってことは価値なのだろうか

自己肯定感をはぐくむことが現代の子育てや自分育てには欠かせないことになっています。少なくとも私が20歳以下の頃はそんな言葉は知らずに育ってきました。どちらかというと「アイデンティティ≒自己同一性」が脚光を浴びていて、個性を磨いて自分探しをする生き方を推奨されてきました。私は名前がとても変わっているのもあり、個性に困ることはなかったのですが、自分探しは相当行ってきました。旅に出たりいろいろなジャンルの本を読んだり様々なタイプの人に話しかけたりはたまた引きこもってみたり。散々探してきたものの、見つけたところまでは至らないまま他者(実子たち)の世話をするステージに突入して今に至るので、時々自分に自信がなくてもやもやします。自己肯定感簡単テストなどに手を出すと、十分ですという結果なのですが、果たして己を認めることはできているのだろうか。私の価値は何なのだろう。いまだそんなことにぐるぐる悩みながらきておりますよ。

 

子供たちはいつも私に「ありがとう」を伝えてくれます。それは本当にありがたいことなのですが、「いつもおいしいご飯を作ってくれてありがとう」なことに引っかかるのが私のいけないところです。飯炊き以外に価値はないのか、と。ほかにもいろいろあるけどともかく命に関わることだし代表して「ご飯」と言ってくれているはずで、それに誇ればいいものを、引っかかる自分があることは事実で、困ったものです。

 

そこで更に自分に呆れつつも恥を忍んで長女に尋ねてみました。

「ご飯を作る以外に私の価値はなにかある?」と

 

いつも頼られすぎな長女には頭が上がらないのですが、彼女自身はさほど困らず答えてくれました。

「和むこと」と

 

もう本当にびっくりしたのです。そうきたか。

でも考えてみればそれは特質かもしれません。

そんなことを思っていた矢先、12月に撮影された動画が公開されました。

 

youtu.be

 

三重に移住した人に各地域の人にそれぞれスポットを当てて、リレー形式で紹介していき、移住促進を測るこの企画に、恐れ多くも地域代表で出演しておりました。数年前から県の移住促進課とつながりがあり、協力的でありそうとのことで依頼がきたので気軽に引き受けたのですが、かなり注文をつけて撮影してもらったおかげで、香肌峡を紹介し、小学校での撮影もあり、バランスのとれた5分にまとめていただきました。

 

撮影は丸一日で、ご協力頂いた皆様ももっと長くインタビューに応じて下さったし、私ももっといろいろなことを話したのです。わりと力を入れて、「移住したものの一年くらいは人とのつながりがなくて不安が大きかったけれど、前向きにつながってきたことで地域が好きになり、受け入れてもらうことができ、これからもなんとかなる気がしている。ウンヌンカンヌン」ということを移住を考えている方に聞いてほしかったのですが、見事にカット。動画に映っていたのはどう見ても気楽そうな姿でした。

 

ああ、こういう風に見えていて、そこに価値があるのかもしれない。

そう思えたのがこの動画のエポックです。お気楽和み系。

 

言葉をつづることを生きがいとしている者にとっては耳の痛い話ですが

「動画は文章の500倍効果がある」そうです。

私は普段ちっとも見ない身ですが、近隣での反響の大きさを考えても、500倍はわからぬまでも10倍以上の効果は既にあったようです。恐るべし!

 

ともかくもこれにより移住が促進された方がいたら、私のモヤモヤも晴れることでしょう。飯高で子育てしたいと思う方が現れたら、己の価値を信じられるのですが、まだそううまくはいきません。気楽にしているようでいて、本音は結果を出したくて焦ってたまらないのですが、「和み」を自覚してなんとか自分をも和ませていきたいものです。

 

今夜は満月。願いが叶いやすい日だそうですよ。