勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

三重暮らし応援コンシェルジュの役目として

「三重暮らし応援コンシェルジュ」というものを引き受けております。たまたま県の移住促進課とご縁があった県の各地域からの(お人よし)移住者が10人集められて、他都道府県からの移住者との懸け橋になる役割を与えられております。まだ特別に何をやっているということもないのですが、その縁で移住促進動画にも出演させてもらい、(移住促進につながっているかどうかはまだ陽の目を見ていないから疑問符ながらも)昔の知り合いなんかにも喜んでもらえたので、十分役得させてもらってはおりますよ。

 タイトルからはわかりにくいですが、移住促進動画のYouTube貼り付け記事は下記です↓

kamenarien.hatenadiary.com

 

 

そんな「三重暮らし応援コンシェルジュ」も先日ようやくオンライン顔合わせがありました。なんとなく北から四日市市鈴鹿市伊賀市名張市松阪市の私、多気町、鳥羽市の答志島、尾鷲市、熊野市にそれぞれ在住の9名と県の担当面々が参加しました。志摩市の方はご欠席でしたが、大阪出身でイチゴ農家をされている方ということは動画で知っています。ビタミンたっぷりの大粒イチゴも食べたことがあります。他のメンバーは地域おこし協力隊上がりの方が3名、どうしたって手に職のある方も半数程で、なぜ私がそこにいるのかかなり引け目を感じてしまうのですが、エピソードたっぷりの人々とつながれるのはどうにも嬉しい役割です。

 

メンバーの多くは移住体験記事にもなっており、なんか知ってる人に会えるかんじですね。取材されたことと自分の本音とはズレることもありますが、各地でとにかくも頑張って人とつながって地域を元気にする思いのある人々に焦点を当ててもらえるのはいい時代の流れだと思います。

www.ijyu.pref.mie.lg.jp

 

 

 集まった9名の中で子育て中のお母さんという立場が3人おりました。子育てはもちろんお母さんだけの役目ではないのですが、理想の子育てよりも現実に根差してあっぷあっぷすることが多いのはやはりお母さんなのですね。小さな子供が求めるのもお母さんなので、子育てをできるだけお母さんが引き受けるのはこれまた役得だと思うのです。次年度三重県の移住促進は「子育て世代」に軸を置くという話もあり、県の担当者も交えて、「三重県のどこが子育てをするのにいいのか」というテーマでグループトークをする時間がありました。

 

私以外のお二人は、三重県の中でもかなり街中で暮らされています。三重の魅力として大きなところはかなり共通していて、どうも子育て世代が現実的に求める良い子育て環境というのは集約されていたように感じました。

・生活環境が整う程よく便利な町

・仕事にも教育環境にもあまり困らない

・伸び伸び遊べる自然が近い

・人との距離がちょうどいい

こんなところでしょうか。

十中八九の親が求める「子育てにいい環境」は「親にとって子供を育てやすい環境」なのです。子供の遊ぶ場所もありながら買い物も医療も困らず、学校に通わせやすくてなんならお稽古ごとの選択肢も多く、ママの息抜き場所も充実している、といったような。ナルホド、確かに思い起こせばそのような視点の話を聞いたことがあります。むしろほとんどの親の求めることは「子育てしやすい環境」だったのです。三重県の市町はそんな親の要望にフィットするところが多そうです。ほどよく田舎でほどよく街っぽいから、不便を感じず窮屈でもなく自然体験もさせてあげられて、三重っていい!もっと見直されていい県ですね。

 

そうなると、私は全く視点がズレていることに気付きました。薄々知ってはいましたが、改めて認識しておく必要を感じました。私が求めているのは子供を育てやすい環境ではなくて、あくまで「子供が活き活き育つ環境」なのです。

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 子供にはどこまでもたくましく育ってほしいと望んでいます。別にずば抜けた身体能力がなくても涙もろくてもいいのですが、目の前に壁があったら自力で乗り越えてほしい、くらいのことは思っています。そのために基礎体力と手足の力とバランス感覚、そして探求心と感性を育んでほしいと願っています。

 そのために必要な環境が、川があって山があって生き物が多い里山で自然に囲まれて伸び伸びと暮らすことに他ならないのです。暮らしに必要な農作業やDIYを手伝ってもらうのも、力をつけて生きることに対しての自信を育てて好奇心に酸素を送るからと信じるからです(いえ、まあ本心は手伝ってもらうとほんと助かるからなのですが)。

 実家や義実家に帰省していたとき、子供たちと公園で遊ぶのに一苦労でした。人が多く監視の目が多いので、なかなか遊べないこともありました。街中へ出かける必要のある時は、もちろん優しい人もいたけれど「こんなところに子供連れて」と恥ずかしげもなくおっしゃる人もいたし、子供を押さえつけているのが親の役目とみなされてしまうのが、ひたすら合わなかったのです。

 私は自分が鈍臭いので、子供たちがひゅんひゅん走り回ったり飛び跳ねたり木に登ったりするのを眺めるのが好きです。もぞもぞ動く虫を見つけたり、きれいな鳥の声に耳を傾けたり、野イチゴを探してワラビを摘んで、草笛を練習したり獣の足跡を探したりしている子供の姿が本当に好きです。自分も子供以上に楽しむこともあれば敵わないこともあって、一方的でない関係性を築くのも好きです。

 

 野山でよく遊ぶ子は、身綺麗にしてはいられません。静かにおとなしくすることは不慣れで、都会ではやかましくて恥さらしかもしれません。電車が珍しくて騒ぐし吊革にぶら下がるし、エスカレーターを何度も上り下りして街中でも動き回らなくてはいけません。でも街中でおとなしくしていられる子はロープなしで木登りの力を鍛える機会は少ないし、山で滑って泥んこになることを受け入れにくいのでしょう。同時に求めることは「二兎追うものは一兎も得ず」になるのなら、小さなうちは野山での駆け回りを求めたいです。なぜならそのバランス感覚や感性への響きかけは大人になってからでは得難いからです。大きくなってから静かにおとなしくすることはできても、大きくなってから木登りが上手になったりめいっぱい泥遊びを楽しんだりすることができるとは考えにくいです。発達には順番があって、静かにおとなしくすることは後回しでいいのです。後回しにしてもできることなのです。

 

 感性への響きかけと書きました。どういうことかというと、自然の中では一度には捉えきれないほどの多種多様な音がするし、視界に入るものも一つとして同じ形をしていません。水の冷たさや土の感触、緑をはじめとするアースカラーの色合い、そして木や魚や花の匂い。人工物では補えない五感への刺激がそこら中に溢れているのが豊かな自然の中です。

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香肌イレブンマウンテンの一つ、迷岳の登山道で

 苔の色も様々で、岩の形も大きさも触った感じも千差万別で、水の音と鳥の声が同時に響き、ふと桧の香りが漂ってくる登山道。ここはうちから一時間もかからずいけるところで、別世界だけれどとても近くてつながっていることをよく知っています。

 

 子供を優れた芸術家にと望んでいるわけではないのですが、優れた芸術家たちが幼少期を振り返るときはほとんど必ず豊かな自然体験があります。緑の山々とか水の流れとか生き物との出会いとか。感性を育むのは人知を超えた自然からの恩恵で、豊かな感性を育むことができれば、心の土台が強くなってくれそうな気がするのです。自伝を書けるような人はみな人生山あり谷ありですが、くじけずあきらめずしぶとく自分を高めて光を放ってくれています。たいしたことのできない私が子供たちに与えてあげられるのは、自然環境とそこで一緒に過ごす時間に限るのです。

 

 というわけで、子育てしやすい環境を求める多くの方は、三重県の街中をお選びください。松阪市も大きな公園があり、ショッピングモールもそんなに混んでおらず、なにより食べ物が美味しいので予想外に満足な環境になることでしょう。山も近いですし。

 子供が育つ環境を求める方は、もっと奥地へどうぞ。必ずたくましく育つ保証はありませんが、心に余裕があって明るく優しい子にはなります。習い事は通わせるのが大変なので、本当にやりたいことしか続きません。学校でも地域でも親子共に役割が求められることが多いので、こなすと決めれば人間関係が広がるし、信頼ができます。

 

 子供が活き活き育つ環境として求めるのは豊かな自然と共に過ごす時間ですが、子供に求めるものは以下3つです。

・好奇心を持ち続けること

・とりあえず笑顔でいられるようにすること

・損かもしれない役割を前向きに引き受けること

 

 子供は育ちます。時間が経つと必ずそれなりに一丁前になっていきます。そして子供時代は戻りません。だから思いっきり子供らしい時代を過ごしてもらうことは悪くない選択です。でも覚悟が要りますね。だから仲間がいるともっといいなといつも望んでいます。子供に「たくましくあれ」と求める母はマイノリティーなのでしょうが、数%は居るのだと思います。たくましい子供は優しい子供です。子供が優しいと母はなによりも幸せでいられます。子供が幸せでいてくれればそれでいいのですが、母が幸せでないと子供は納得してくれませんので、どっちも優しく居れることがいいです。苦労しても豊かで自由で優しくて。自然に囲まれた暮らし、応援しますよ。