勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

4月の子供は荒れ模様

子供の喧嘩とアナログゲームを混ぜこぜての話。

 

新学期が始まって2週間経ったある日。息子が学校で放課後喧嘩してカッカと帰ってきました。

本当に小規模校なので、ちょっと突けば事情は筒抜けです。ボール遊びのゲームで負けた責任を一人のチームメイトに押し付けて騒いでいる息子はどう贔屓目に見てもカッコ悪いのですが、最近心が不安定になりがちな彼にも彼の事情があるのかな。

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家族でアナログゲームをしていても、一番調子に乗ってはしゃいで、負けそうになるとキイキイわめいて遊びの場を台無しにすることがあります。一同やれやれです。勝ち負けにハラハラしながらも楽しく遊んでいたのに、なんか空気が悪ーくなります。そりゃ負けることを安易に受け入れろとは言わないけれど、あからさまに場を台無しにしなくてもいいものを。

負けん気が強いことは悪いことばかりではないとはわかっています。そもそもゲームは勝ち負けを競うもの。負けることを受け入れるよりも真っ直ぐ勝ちを目指したいです。さらに言えば勝ち負けにこだわるのは素直で子供らしいし、向上心があるということでもあるし、頑張っていると応援したくもなります。家族の中でなら、幼いわめきをスルーしたりこっそり示し合わせて勝たしてやったりもできますしね。場を保ちながら楽しく遊ぶために。

 

けれど、家族の外に出て、自分が勝てないからといって他の子を攻撃するような行動はあまりにもカッコ悪くて恥ずかしいものです。暴力をふるったとか陰湿な嫌がらせをしたとかではなくても、吠えて吠えて泣いて帰るとは、なんとまあ情けない。随分甘やかしてきてしまった親としてどうすればいいのか、今また踏ん張りどころです。

 

思えば姉たちは外でトラブルを起こすことは知る限りありませんでした。社交性が低めで、いつもそれなりに仲間に入れてもらうのですが、積極的に場を動かすこともなく、なんというか無害な存在です。それなりに立ち位置はあって、存在感が薄いわけでもないようですが、トラブルの引き金になることはまあなさそうです。大人としては有難いのですが、時に友達としてはどうかなぁと心配になるくらい、彼女たちは集団の中で頑と主張することがありませんでした。さりとて我慢を強いられているわけでもなく極マイペースにしていて本人らも不便は感じてないようですが、極たまに、申し訳ないけれどちょっぴりつまんない奴に思えることもあります。ごめん。もっと我を出しても大丈夫なのになぁってもどかしくなります。いい子が通用するのはいつまでなのか、どうでもいい子になってしまわないか、暇がある親は余計な心配をしてしまいますね。私がそうさせてしまったのかとも気になりますし。

 

アナログゲームの時も、彼女たちは穏やかです。ルールを理解するもの場数が足りないので最初はしたたかな親にリードされます。出し抜かれそうにもなります。大人は計算高く巧妙なのですから。そんなときもじっと様子を見ています。むしろ自分が有利になって周りの空気が不穏になることを嫌がるくらい、勝気に欠ける感じです。負けてもいいや、みんなで遊べればとのスタンスは、平和でよいのですが、大丈夫かな。勝ちたい気をさらけ出せるほど寛いではいないのかと思うと複雑な気持ち。まあ無駄に争う必要もないのですが、家族関係はそう簡単には壊れないからゲームの時はもっとむき出していいよ、と関係性に甘えて出し抜いたりムッとしたりする私のほうが余程子供らしいのでしょう。「親しき仲にも礼儀あり」なので家族の間であろうと上品にいきたいものですが、めいっぱい表現力を使わないと人間関係もったいないので、子供らしさを重視してしまいます。

 

となると、冒頭の坊やはそんなに悪くないのかもしれません。荒い言葉遣いや短気なところ、すぐすねたり通らない理屈をこね回したりの在り方は、もう恥ずかしくって見ていられませんが、親の顔色を窺って良い子ぶる気はゼロです。本音とは裏腹に我慢するものの、後からツケを要求してややこしくなることもないでしょう。その点は安心なのですが、情けない様子が見えてしまい、状況を聞いてしまうので、そのまま見過ごすのも難しいものです。

・私が自分の名誉のために叱りつけることなく

・あなたのためといって偽善の説教をするでなく

・お姉ちゃんたちはこんなことなかったと比較することなく

やさぐれた息子の心の荒波を穏やかにするにはどうすればよいのでしょうかね。

 

四月の時期はどの子も状況が変わって、ナーバスになる頃です。中学校に上がってガラリと変わった長女のことばかり気にかけていましたが、繊細な坊やももっと気にしてあげなくてはいけなかったのかもしれません。もう9歳、まだ9歳。慣れた担任から代わり、初めての人にも会いました。頼もしい長女の学年がいなくなり、自分もしっかりしなければと緊張しているのかもしれません。明らかに空回りだけれど、頑張っているのかもしれません。

 

勝ちたいとか、一目置かれたいとか、尊敬されたいとかの向上心と同時に

甘やかされたい、楽したい、得したい、をむき出しにしてくる子です。はっきり言ってロクでもないク○ガキですが、もしかして現代では珍しい希少種かもしれません。

 

親としては、情けなさや恥ずかしさや申し訳なさをいの一番に感じてしまいますが、それは私の問題です。彼にはきっと彼の課題があり、それは親の感情とは切り離して考えなければならないのでしょう。

 

いやはや本当に難しい。

子育てはどれだけ一所懸命取り組んでも、なかなか成果が出てきません。むしろ一所懸命だと見えてしまうものが多く、却って自信をなくしがち。

親が機嫌よく、ある程度ほったらかしにして育つ子供が良いのかなと思うものの、ほったらかしてダメな場合もあるし、構い過ぎてダメな場合もあって、ちょうど良い塩梅の見極めを誰が教えてくれるわけでもありません。教えてくれた人がいても、ご自身の経験に照らしてのみのアドバイスなことも多く、それは私の話ではなくてあなたの話ですよね、と思うとアドバイスを受け入れることも難しいです。

 

私の場合はですが、いつだって関心はあるので、とりあえず話を聞いて、子供を頭ごなしに否定することはないように最大限気をつけつつ、相手が我が子を恨まずにいてくれる在り方を考えました。後味が悪くならないように、ケロッと仲直りできることを願いました。我が子が大事ですが、その子と遊んでくれる友達もまたかけがえなく大事な存在です。めちゃくちゃ傷付けられたとかでない限り、出会う人と学び合えることが人生の醍醐味です。屁理屈はこねるくせに理屈は通じない息子に響く言葉はどんなものなのか、それとも言葉に頼らない態度こそ大事なのか、久しぶりにぐるぐる悩んでしまいました。

 

 

 

それから何日か経ち、ケロッとしたものです。

悩んだ時間は何だったのかアホらしくなるくらい。

でも多分、子供のことで悩む時間ってきっと幸せなのです。損得なく大事な存在の未来を想って自分を見直す時。おかげでここんとこ、大変眠い時間が続きました。脳が疲れたのですね。まあ、時々は、それもよし。

 

 

ちなみに、家族で白熱のアナログゲームはこちら

 

GP Games カタン スタンダード版 Standard

GP Games カタン スタンダード版 Standard

  • 発売日: 2015/11/30
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 人生ゲームのドイツ版と言われているようですが、資源のやり取りやサイコロの運など相まって、かなり力を使います。おかげでまた眠く、、、

春は、やっぱり、睡眠欲。