今週のお題「575」
飯高町に定住するようになって、この6月で5年が経ちました。当初はとりあえず小規模農家を目指しながら、何かやって生きていこうというあってないような夢を掲げ、とにかく日々新鮮に学んで、壁に突き当たりながらも何でもつかんでいき、多少腐ったり鬱々としながらも完全にあきらめることはなく、おおむね呑気に楽しく動き続けてきました。
自然養鶏学習農園を名乗る亀成園が大事にしているのはざっくりと以下のことです。
・自然農の畑作り
・平飼い養鶏
・罠猟師を軸にした日々ジビエ
・共同での麦畑
・機械や薬を使わない田んぼ
・(同上)茶畑
・持続可能なエネルギー活用としての薪(調達から準備まで)
そして地域の人とのつながりを一つ一つ築いていきながら、外に向けての発信を心掛けてなんやかんや動いてきたら、昨年度からゲストハウスを持つこととなり
・自然体験
・田舎暮らし体験
・食育の場
などとして、少しずつ認知されてきました。
過疎高齢の地域にいきなり子連れで移住して、何かする気がぷんぷんしていたのか、地域では早めに認識してもらうことができました。
この五年の間、そこから少しずつ
畑(茶畑と麦も)→鶏→猟師→田んぼ→ゲストハウスと毎年一つずつ重ねてきました。川に親しんだり野草を学んだり野鳥に興味を持ったりといったことを加えつつも、大きな方針としては、「自給率を上げ、百姓の知恵を身に着ける」を目標に、いきなり自分に負担をかけ過ぎないようできる範囲で取り組んできた感があります。
ゲストハウスは実績としては開業初年度の昨年は微々たるものだったので、空いた時間を活用して近郊の山(香肌イレブンマウンテン)を歩くことに力を入れました。おかげで登山者様を迎える宿としての下地固めになりました。香肌イレブンマウンテンは中・上級者向きの山が半数を占めているので、まだ全部は踏破しておらず、険しい山々を残してはいるのですが。
そして今年度は今まで積み重ねてきたことがそれなりにつながってきており、どこまでゲストハウスの客層を広げられるかの挑戦中です。登山者向けや親子連れに向けてそれぞれWeb広告を打ったり、発信の導線を考えたり、試行錯誤を積み重ねて必死でPRして対応しています。
ここまでざっくり、ものすごく私的に5年間の流れを振り返りました。
田舎で暮らしていくためにしてきたこと、自給率を上げて人の輪をつなげてビジネスを立ち上げて、楽しみ苦しみながら未来を目指してきたこと諸々です。
なんとかなってきたなぁというのが実感です。
ものすごくうまくやってきたわけでもないけれど、小さな失敗は限りなくあるし、大きな失敗もあれこれあって、軌道に乗るまでにおもったより時間がかかっていることは事実です。畑はすぐには実らず、田んぼもあまりに奥が深く、果樹も浮き沈み激しくて、農で真面目に生きていくのは本当に大変そうです。実際農園で生きている人も知っている(晴耕雨読をマジでいくご夫妻)ので不可能ではないのですが、明らかな力の差を冷静に受け止めると、私は農にこだわっていては進まないのです。
田舎ならではの保存食作りもいろいろしておりますが、延々皮をむき続けるとか毎日かき混ぜるとか毎年枯らさないという根性もない。田舎だからこそできている人はなにかといらして、そのパワーに感慨を受けるほどに役割の違いを思い知らされます。
私には無理。ではなく、私はまた違う価値がある。
比べることなく自分の役割を果たしていこうと、やっと道を歩き始めたというところです。
そこでタイトルの五七五です。
「5年経つ 田舎暮らしは これからだ」
ともかくも5年生き延びてきました。苦労したこともありそうですが、それも含めて楽しいことばかりでした。楽しさも好奇心もまだまだ続いています。
その上で自分の、自分たちの役割がだんだん見えてきました。自分たちと言っても私と亀成園の園主ではだいぶ違うのですけれど、いずれにせよ
「踏ん張って頑張って農的暮らしを継続させることで、危うい未来の磁針となる」ことは間違いありません。楽天的に子供たちと香肌峡で遭遇してきた数々の幸運に感謝するこの5年を送ることがなければ、本当にここに導かれて来たのかなという使命を感じることもなかったです。人生の中で楽しく通り過ぎる数年であることもあったわけです。
もちろん未来はわからない。過去の実態もわからない。わかるのは今だけとしても、もう少しここで踏ん張って頑張って、未来の里山が子供の笑顔で満ちていかなければ、人生グラつきそうです。
香肌小 豊富な体験 未来へ響く
ピンときた 山村留学 それピンポン
とりあえず 田舎体験 亀成園
うーむ、どうあっても最後が6文字になってしまい、575の難しさに唸ります。向いてないのかもという予感は無視。
櫛田川 遊べや親も 子もカヌー
まぁ、楽しさありきですね。夏休みのカヌー体験は飯高町がオススメです。