私の暮らす地域で、山を削って道を作り、大型風力発電機が建てられる計画が進んでいます。各地で計画があるたびに住民の反対があり、退けられているのですが、どうしてもどこかに作らなければいけない事情があるのか、いろいろな地域に白羽の矢が立ちます。住民が気付いて声を上げなければ計画が進んでしまっても後の祭りです。景観が大きく変わってしまったことを後から嘆いてもどうにもなりません。
というわけで、今いろんな人の思いが重なって重なって、なんとか計画を見直してもらえないかと動いているところです。多くの立場の人がそれぞれの専門的知識や得意分野からの見解を出して、できることをしようと力を合わせているのは人のつながりが成せる最高のことだと思います。それぞれ割ける時間も限られているし、金銭は度外視して、未来に残すものを今考えなければどうするという想いで動いています。事業に好意的な人たち声もきちんと聞きたいし、後に禍根を残してもいけないのでなかなか気を遣いますが、自分の思うことを我慢して声を上げないのもおかしな話です。私が守りたいのは里山の生態系であり、水系であるので、この立場であの手この手を練っていくのは必然なのです。大義名分は要りませんが、自分が何者であるのかはわかっておきたいです。
さて、現在も風力発電やクリーンエネルギーについて、多くの見解があり懸念があります。作られてしまったものについての悲鳴を無視して新たな建設を推進することはできません。
三重県の青山高原での事例を追った、著名な先生の懸念が詰まった驚きの資料があります。
気になった箇所をざっと抜き出すだけでも
・風力発電では電力は賄えない
・業者の目的は発電ではなく建設
・度重なる土砂崩れ
・鳥類が姿を消した
・住処を奪われた獣たちによる麓の獣害被害増加
・地権者に返ってくる荒れた土地
・莫大な撤去費用
とまあ、耳をふさぎたくなるような恐ろしい話です。この提言を受けて、もしかしたら業者の方でも対策を講じているのかもしれません。もうこんな悲劇は繰り返されないように配慮をされているのかもしれません。地権者さんたちは業者さんに信頼を置いているかもしれないなので、配慮されている可能性はゼロではありません。
けれど山を削って搬入用の道をつけて、土を掘って地盤を削り、大型発電機を運んで設置して稼働させるという動きは変わっていません。むしろ計画が大きくなっていて、撤去のことまで考えているのか、俄に信じがたい状況です。やはり建てたいだけではないか。その後10年20年、50年100年に渡っての適切な維持管理のことは配慮されていないのではないか。どうしたって説明を求めたいです。
人によって懸念事項もツッコミどころも様々で、なかなか一丸となるのが難しいのが辛いところなのですが、私の懸念は以下に膨らんできました。私見が多く、意見として弱くなりがちですが、シンプルに知りたいことがいくつもあります。
・そもそも風力発電をするに値するほど風の強い山系でもなくはないか?風は決まって吹かないですし。
・道を作り、大型発電機を建設することによる水系への影響。水が濁って戻らないのは辛い。
・土を動かすことにより風の流れも変わって、より風力発電に不向きなところにならないか?
・地滑りの懸念。近隣住民として怖いところ。
・水質汚濁から海までの影響
これらの山全体、水脈を動かすことによる影響を受けての生き物への多大な負荷は言うまでもないのですが、ビジネス的にそれは考慮されにくいので涙をこらえて歯を食いしばることに留めておこうと思っています。
以下、本音の駄々こね。幼稚なヒステリーなので、公にできませんが、人は感情の生き物なので、どこかで出しておかないとバランスが保てない為、どかんと発露。
鳥の声が聞こえなくなるなんて嫌だー!
水鳥の姿が見えなくなるのも嫌だー!
発電機にぶつかって羽が傷ついたり命を落とす鳥がいるなんて絶対嫌だ―!
水が濁って川の生き物が減ったりいなくなってしまうのも嫌だ―!
オオサンショウウオがきっといるのに滅びてしまうシナリオは嫌だ―!
住処を追われた熊が頻発するようになって、守り切れなくなるのなんて嫌だー!
山での食べ物が減って、鳥のようにすぐ逃げれられない生き物たちが飢え死にするのは嫌だ―!獣害被害になってまた人間たちとの対立が悪化するのも嫌!
そして川が汚れて川遊びができなくなるのも嫌!
山に登ったらあちこちに無機質な建造物があって眺めが台無しなのも嫌!
亀成園のお客さんに自然景観に囲まれてなかったやんってがっかりされるのも嫌!
この地を逃げなきゃいけなくなって、大好きな人たちと離れ離れになるのも嫌!
もう嫌なことばっかりです。それもこれも遠く離れた地の電力を賄うためなんだったらとてもやり切れません。それどころか特定企業の利益のためだけなのだったら何のために涙するのか。
電気を供給しますって持ちかけてくる都会の会社に頼らずに、地域の中で電力の自給ができる道をみつけていく未来がいいです。もちろん山の景観を台無しにすることなく、水を汚すことなく、生き物を追うことなく、鳥が逃げることもなく。
方法はあるはずです。私たちには力があります。
阻止した後の未来を考えて、人々の知恵と勇気を掛け算していくことができます。
ポジティブシンキングでなら私は大きな数字を獲得できるのです。
駄々こねは出した。さあ次は冷静に口角上げていきましょう。