勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

いい買い物をしたなという感覚が長続きしています

今週のお題「お気に入りの靴下」

 

10日程前になりますか、隣町の農家民宿つじ屋さんで行われていた、憧れの「アルパカニット展示販売会」というのに初めてお邪魔してきました。友達が珈琲屋さんで参加していたので会いに行くのも兼ねて。つじ屋さんに借りていた本も返しに。時々自ら場所を移動してわざわざ会いに行くことって大事ですね。

 

アルパカニットはとても暖かく軽く肌に吸い付くような着心地で、とても上質らしい、と聞いています。カシミアマフラーってものはずっと昔旅先で求めたことがあるけど、アルパカはまだ自分の物にしたことはありません。旅先で次女が気に入ったことはあったけど、幻にしてしまいました。さてズキュンときたらどうしようかとドキドキしながら会場に入りました。うん、空気が温かく軽やかだった。

 

シンプルで上質なものに憧れるけれど、まだ気後れしているのが今の自分です。そんなに冷えないし、すぐ汚すし、まあ服は着れたらいいやというくらいなので、恐れ多いのでございます。本物の似あう人になりたい。サラッと棚買いする人(ここからここまでちょうだい、みたいな)になってみたい。服という表現手段を身に着けてみたいとは思うもの、まだ早いのかなと言い訳満載です。だからこの度は下見、だったのですが。

 

おなかをすっぽりつつむ毛糸パンツがありました。長年欲しいものの一つです。

白色のアルパカニットを藍染したとても美しいトップスがありました。むらなく美しく藍染するのはすごい技術らしいです。職人さん万歳。

ベビー用帽子もたまらなくかわいかったです。なんて幸せな子供でしょうね。

スタッフさんがこぞって買い求めていたリストウォーマー(手首を暖めるアイテム)もいいなぁと思いました。

 

熱意を込めてアルパカニットについて語ってくれるスタッフさんのお話もしっかり聞けて、えいやで決めたのは、黒の靴下でした。亀成園のお父ちゃんが家の中で寝る前に履く用です。

展示販売会では藍染以外は天然の毛色製品ばかりでした。染めて使うことが人気の毛製品は白が人気らしく、黒の毛のアルパカはいまでは随分貴重になっているとか。グレーも茶色もどれもいい味わいがありましたが、今回私が惹かれたのは黒だったのです。

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AC写真。黒と白のアルパカが寛ぐものを見つけて嬉しい

アンデスで生まれ育ったアルパカたちの毛が、人々の暮らしを真剣に想う職人さんの手で個々の製品となり、想いに共感する人によって展示販売され、亀成園父の足を包んでくれる。やはり良い物にはちょっとした物語が似合いますね。

私より家業も家事もうんとこなす働き者のお父ちゃんは、寒い日も朝早くから夜遅くまで、自分のやるべきことを淡々とこなすまっすぐな男です。私が子供と寝落ちした後も、一人で起きてパソコンに向かっていることも多いです。ネットサーフィンとかでなく仕事をしているみたいです。

いつも頭が上がりませんが、なかなか態度では示せない意地っ張りな嫁なので、ちょうどいい口実ができました。大事だよってメッセージを隠して、最高に暖かいルーム靴下を。夜も遅くまで働けってメッセージではないですよ。

 

 最近子供と一緒に「○○円あったらどう使う?」ゲームをやっています。

 

まずは自分から「1,000円なら? 5,000円なら? 10,000円では? 50,000円だと? 100,000円あったら?」それぞれ考えます。

それから次は、同じ金額を家族の誰かに使うならどうする?って。「ママに5,000円で何してくれる? ママは運動靴新調したげるね。冬山装備はいくらかかるかな。それぞれに揃えられるかな。10万すぐに使うなら、自分の楽器も買えるね」

と、そんな風に「お金あったらこんなことできるなぁ。旅も体験もたくさんできるなぁ」とケチな思考ブレーキを外すトレーニングになるそうです。なかなか楽しいですよ。そして現実派の娘たちは「靴下。ボトムス。文具類」から後はなかなか進めませんが、ケチ臭いけど夢見がちな息子は「みんなでご馳走食べに行く」「お姉ちゃんに馬乗せたげる」「パパにはヤギの小屋作ったげる」と気前よく楽しんでいます。


そんなことをちょっと前にしていたから、本物のアルパカ靴下をお父ちゃんに買ってあげるのはなんだか気持ちが良かったです。私にもできたーって達成感すらありますね。


そんな熱がいっぱい詰まった黒い靴下

夜中に目が覚めちゃっての読書タイムの時は私も拝借しております。大きなサイズでよかった。

来年は展示販売会はなく、予約販売のみというアルパカニット。今度は子供たちのために奮発できるでしょうか。長女には腹巻を、次女にはカーディガン、息子には帽子、末娘には長く使えるようマフラーを。それぞれのことを想って贈れる日がくるかな。黒い靴下を見かけるたびに、なんだかほわほわした心になっていることに気付きます。