勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

地元マルシェは人脈が命綱

春分の日に飯高道の駅の隣にある香肌横丁で小さなマルシェがありました。主催者さんはご近所の方ですが、センスも良くとても頼りになる運営者です。長年の経験値があり、手作り作家さんたちとのつながりも深く、参加して心地の良いマルシェに、昨年秋から亀成園も入れてもらっています。スケジュールがタイトでしたが卵を売るのにぴったりのタイミングでしたので、さくっと参加させてもらいました。

 

3連休の後2日にマルシェがあり、1日目は大賑わいだったそうですが、私の参加した2日目は人混みにならず、ゆるやかな春のいい日でした。忙しくなり過ぎずに私としてはよかったのですが、こうして有閑に生きることを宣言している私はマルシェに参加してよかったのだろうか。もっと賑わって欲しかったかもしれない周りの方々には少し申し訳ない気もしましたが、限られたブースでも楽しそうな人々を眺めて、時々卵を売るのは楽しい時間でした。

こんなかんじのブースでした。雨対策なし!

ここでトカゲや亀のピアスが制作販売されていたので、うきうきと買い求めました。後から来てくれた娘たちも、布グッズや毛糸のポンポングッズなどに乙女心をくすぐられて、楽しくお買い物していました。出店者さんたちはみなさん、三重県ないではあるけれど伊勢市や津市など少し遠方からのようで、作品の魅力が命です。それに対して、地元の養鶏家である私の卵を買ってくれるのはほとんど顔見知り。売り手としてもっと磨かねばならないと大いに反省もしたのですが、人脈を広げておいたことがマルシェの売り上げに直結するなんて、ちょっと思ってなかったので驚きました。人は商品そのものも見るけれど、人のつながりなどその商品に附随するものにもまとめて「買う」という行為で表現するのです。かくいう私も同じようなものを売っている人が知り合いなら優先しますし、知らない人でも感じのよい方から買うとか、信頼している人におすすめされたから買うとか、当たり前に親しみが消費につながっています。ガソリンもできれば知り合いのところで入れたいと思っています。いつもできてはいませんが。そんな風なので、飯高地域で暮らして、いろいろ顔馴染みを増やしていたのは売り手の私にとってはものすごいアドバンテージでした。ありがとうございます。

 

さてその1週間後、今度は櫛田川上流地域の波瀬で、ワンデイカフェというイベントが行われました。

元小学校の美しい建物でのイベントは今回が3回目です。

こちらは亀成園は参加しなかったのですが、長女が中学校生徒会としてタオルやTシャツなどを販売することになりました。9時半に送り届け、一旦かえって1時過ぎに様子を見に行ったところ、人混みが去ったところでまた有閑タイムでした。ほんとにもう。

 

中学校のブースも人がまばらで、ちゃんと声挙げて売れたのだろうか、閑古鳥で空しい思いをしていないだろうかと心配していましたが、娘はなんと「私が一番売ったよ」と頼もしい言葉。どちらかと言えばシャイで堅苦しくて営業トークするところなど想像もできないのに、なぜ?

 

どうやらここでもまた、顔の広さが幸いしたようです。我が家にお客様がいらしたとき、話をするのは大人同士なのですが、できる限り子供たちにも挨拶をしてもらうようにしています。真面目で記憶力のいい長女は、そうやって挨拶させられた人たちをかなり覚えていたそうで、その方たちに「あ、どうも」のような反応をしていたら、かなり買ってくれたのだとか!

 

風力発電計画のことなので話を聞きに来てくれたことのある市議会議員さんなどに、中学校のタオルを売りつける娘!しかもミニタオルは2021の刺繍があるいかにも更新されていなさそうなものであるのに、顔見知りだからといって、ちゃっかり販売成功したのだとか。恐ろしい子

とはいえやはり、わざわざ足を運んだ上流地域のイベントで、知り合いの子供が学校のグッズを売っていたら、私もきっと買ってしまうでしょうね。人脈を広げておいたのも、娘が生徒会に入ったのも、ちっとも策略ではなかったのですが、期せずして学校活動に貢献することができたようで、学校好きの母として嬉しく思います。

 

ちなみにこのイベントで一番人気の鹿カツカレー屋さんは、飯高町での仲良し家族のブースなのですが、次女をお手伝いに送り込んでおきました。本業は服屋さんなのですが、食べ物や自然との関りが素晴らしくって、みんなの憧れの家族なのです。ワンデイカフェのイベントは今年中学校を卒業した下の娘さんも主戦力ですが、もう少し人手がほしい、それも娘さんがお願いをしやすい人が欲しいということで、うちの次女が適役でした。

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母たちはともすれば知り合いを顔を合わせればいつまでもお話が止まらなくなって、人手というより人の口になってしまいますが、娘たちはあくまでも手を動かして役割を全うすることができます。大好きなお姉さん(次女が小学校1年生のときの5年生で、めちゃくちゃ可愛がってもらってましたよ)の手下となって動けたことを、喜んでいました。邪魔をしてはいけないので、母は娘たちの働きぶりは見ませんでしたが、後から高校生スタッフのお姉さんに「カレーの子やんな」と話しかけてもらっていたことからも、スタッフらしく動いていたようです。別の方が撮った写真もいい感じでした。

 

地元の春のイベントで、久しぶりに人が集まっても良かった2つのイベントで、母も娘たちもそれぞれの役割を果たせたことは、地域からのギフトだったなと思います。卵を整えて、人々の間になって動いてくれているお父さんのおかげで、かなり役得できましたよ。娘たちはもちろん報酬があったわけではありませんが、賄や頂き物はたっぷりだったようで、また人の優しさに触れることができました。

 

そして素敵な場所でライブやシャボン玉を楽しんだ下の子たちもまた、役得ですね。

 本当に素敵な旧校舎なのです。また撮影会などで活躍しそうな予感がしますよ。

人が集まって、もっと楽しいことができそうなこの飯高地域です。風車の影がなかなかぬぐえないのがネックですが、そんな侵略行為みたいな計画のメリットを吹き飛ばすような、人々の笑顔につながる楽しい未来をいつもいつも考えています。