おかげさまでGWは大忙しのゲストハウス亀成園です。連日あちこちから素敵な友達やご家族が訪れてくれて、山河に囲まれて鶏の声が響く古民家でリフレッシュしてくれています。本当にありがたく嬉しいことです。
私が亀成園としてゲストハウス業をしているのは、高校生の頃に訪れたイギリスで見かけたB&Bという宿スタイルに強く惹かれたこととつながっています。普通のおうちのようなアットホームな小さな宿で、夕食は無くて朝食だけがつくB&B。それもあってゲストハウス亀成園は素朴なB&Bスタイルです。私自身が旅をしていて、更に旅がしたかったこともあって、観光には就職の頃から興味がありました。そして就職活動のときにも観光業やホテル関係は結構チェックしていました。その中でも星野リゾートは説明会にも足を運んで、随分惹かれていました。
多くの経験を積むために勤務地が定まらないのと、勤務時間の多くは休日や人が休んでいる時間帯というのにネックを感じて踏み込めなかったのですが、身につけられたスキルなど沢山あっただろうに、もしかして惜しいことをしましたね。
とはいえ星野リゾート代表の言葉で今も覚えていることがあります。
「ほとんどの人はいつも旅先を変える。その中で選ばれ続けるホテルにするにはどうすればいいかを考えている」といったことだった気がします。
確かにそうです。時々は一つの定宿を持つ人もおりますが、多くの人にとって非日常である旅は、やっぱりあちこち行ってあれこれ試してみたいものです。北海道グルメもいいし、大都会の高いところでも過ごしてみたいし、高原もよければ海もいい。その時々でやけに惹かれたところに飛び込んで思い出を作るのです。
また旅行形態も刻々と変わってきており、団体旅行や慰安旅行で定番の宿を押さえるのではなく、個人旅行で情報はネットで取る時代です。だれでもどこにでも行けます。
対して、ホテル側としてはリピーターはめちゃくちゃ有難いです。ホテルに限らず飲食や理容美容などでもですが、既に満足いただいたことのあるお客様と、お互い大丈夫かなぁと気遣いながらのお客様では、安心要素が高くてプラスアルファのおもてなしができそうなのは、前者のリピーター様の気がします。
けれど宿でリピーターはなかなか難しい。
そこで星野リゾートはグループとしてブランディングをすることを頑張ってきたわけだし、亀成園のすぐ近くにあるワンワンパラダイスのように会員制グループホテルが軌道に乗りやすいのも、顧客側ともてなし側双方の安心感をベースにしているからですね。
とはいってもあまりに小さな亀成園は、会員制にしたり何棟も同時経営するのはまだまだとっても難しいです。一期一会で来てくれたお客様を毎度毎度大切にして、実績や口コミなどで軌道に乗せていくしかありません。だから余計に、別れ際にお客様が
「また来ます」とおっしゃってくれたら
もう、めちゃくちゃ嬉しいです。
ほとんどは社交辞令であることはこちらも承知の上ですが、「また来る」「また来たい」にはお互い不快感はないのです。人と人をつなぐ場所としてもリピートの可能性はとても価値が高いです。
このGWも「またねー」と何組ものお客様をお見送りしました。再び会える人がどのくらいいるのかはわかりませんが、男の子が一人
「僕は絶対またここに来る」と宣言をしてくれたのは、とてもありがたかったです。たとえもう忘れちまっているにしても、その言葉をもらえたことは誇らしいです。
リピーターに働きかけるには、現在田舎で数を増やしている農家体験民宿という形態のほうが有効性が高そうです。母屋の一室に泊まってもらい、食事作りなどを共にする宿ならもっとお互いの愛着が湧きやすいそうで、修学旅行の学生たちの一番の思い出に残ったり、故郷のように思ってもらうこともあると、農家体験民宿の先輩方はおっしゃいます。私は料理の腕に自信がなく、おもてなしの余裕もなく、プライベート空間も重視したくて、亀成園は自炊型B&Bスタイルのゲストハウスという形になっていて、申し込んでもらった体験と時々やり取りする以外はそんなに話をすることもなくチェックアウトになります。それでも「また来ます」の一言はお客様の満足度がうかがい知れる一言なのです。
宿としてのおもてなしも、農家体験もまだまだ実績不足です。自信も足りていません。
だからこそ、交流できたお客様を思い出し、ご満足の顔を思い浮かべて、積み重ねていきたいです。
広々と寛ぐことで満足されるお客様もいれば
生き物との触れ合いに満たされる人もいるし
家主との会話をなにより楽しまれる人もいます。
その辺りのことなら、亀成園はけっこうアドバンテージがありそうです。
GWの盛り上がりに調子乗ることなく、磨くことができるかな。
訪れてくれたお客様、温かい言葉をありがとうございます。
また来てもらっても満足してもらえるように、ゆっくりと進化したいですね。