勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

子供の作文・感想文 その2

このタイトルで書くなら子供たちの様子も書かねばサギですね。

実際の子供たちがどうやってどんな綴り方をしているのか。

できている子、いない子の差は激しいですが、書くに至るまでや書き方、至らない現状もご報告すると。

 

まず、一番普通の優等生の子から。

次女です。宿題で出された課題を書くことにそんなに苦手意識もないし、決まった分量まで書くこともできるけれども、言葉の表現力というものがほとんどない彼女にとって、書くことは好きでも得意でもありません。書いたものも無難の範囲を超えません。

選んだ本は2022年度の課題図書でした。

天竜川上流域で無形文化財にも指定されている神事を子供たちだけで執り行うという、飯高町でもそれに近い話あったなぁという設定。そしてコロナも絡んだ、めちゃくちゃ現代の物語のようです。過疎地域の小学校高学年として、審査員の琴線に触れるものを書けるポテンシャルはありそうですが。

 

セオリーに従って

・この本を選んだきっかけ

・簡単なあらすじ

・どんな印象を持ったか

・この本から学んだこと

を、薄く無難に書いていました。実に勿体ない。まあ、仕方ない。そして、学校としてそれでいいんだろうけど、という感じでモヤっとする気持ちをなるべく出さないようにするのが一苦労です。添削していろいろ削って引き出して、もう少しいい文章を書いてもらうことはできます。でもそれが本人にとっていいのかはまだよくわかりません。

 

彼女は今年度、六年生の課題である「私の主張」という作文も書かなければいけません。けれど本人は基本的に主張がないのでとても困っています。主張しないからこそうまく回ることもあるのに、皆が主張を通す作文課題ですからね。まあこのテーマで例年、児童たちは「地域の良さ」を取り上げることが多く、地域を大事にしたい思いとかを発表してくれるので有意義な課題なのですが、まさか主張できない子も書く日がくるとは。

そうだろうなと思うから、「主張しないのが私の主張です!って書いたらいいんちゃう?」と提案したら、「それはあかんやろ」と却下されました。難しいなぁ。

絵を描くことや折り紙は好きでめちゃくちゃ得意なので、作文よりそっちの課題があればいいなと思います。彼女には生きる道がたくさんあります。

先日もほぼ一人で1000ピースのパズルを仕上げていました。私にはとてもできないことができるので、作文は住み分けておきたいのに、苦手意識が育ってしまうのが、辛い。

 

お次は1年生の末娘です。

今年が初めて文章を書くことへの挑戦で、ふわっとした絵本をテーマに選びましたが、

「この本をえらんだのは絵がかわいくておもしろそうだったからです」と書こうとしていたので、絵を見なければわからないことを説明もなく書くのは読み手にどうなのかと、考え直してもらいました。ごめんよ、でしゃばって。でもあまりにもさ。

 

ネアカの真面目キャラなので、そのままでは人の心を打つ文章は書けそうにありませんが、ネアカで真面目なので、褒めて導けば作文も素直に練習してくれそうです。でもまだ幼いこともあって、どこまで産みの苦しみに耐えられるかはわかりません。適当に胡麻化して投げ出すという道を見つけそうでもあります。それはそれで頼もしいかな。

 

どうにも絵本で書くのならこれにしな、と母が押し付けた本はこちら

海でのお話、小さな生き物の冒険のお話なので、自分と結び付けて書くのが容易です。

なんとなく可愛い絵本とは一線を画するこういう本物の絵本をじわじわとでも広めていくために、末娘をしたたかに利用しました。

茨木のり子さんの美しい言葉で綴られたこの絵本こそ、課題図書にして欲しい。朗読でも残しておきたいイチオシなのです。

あらすじまとめと好きなシーンなど書いてもらいましたが、はてさてこの後どうなるか。

 

さらに問題の長男。

長男は、ユニークを地でいくキャラなので、話すことでも書くことでも一目置かれて得する資質は十二分にあるのに、真面目に書くのはめちゃくちゃ苦手です。字を書くのもめちゃくちゃ苦手です。ちっともやりたくありません。まあ小学校男児なのでさもありなんですが、できるのにやらずに、長々と文句言ったり不満言うことに時間を使っているのがとても勿体ないです。代筆でよくなればいいのにと本気で思いますね。

 

どの本で書くのだったかな。まだ一文字も進んでいない彼に対してどうすればいいのか、何もしなくていいのか、甘やかし方を模索中です。

あ、違った。彼も課題図書を選んでいました。

絶滅をテーマにしたノンフィクションなので、生き物に詳しい息子にはぴったりで、きっかけは上手にメモができていましたが、どれだけ自分のことにして破綻せず書ききることができるでしょうか。

 

 

最後にドキドキの長女です。

長女は1%に入る、読み書きが好きで得意な人なので、毎年自分から積極的に感想文を書きます。母娘そろって変態の部類に入りますね。苦しみながらも力を込めて仕上げて、骨太の文章を読ませてくれます。末恐ろしいけれど、磨き甲斐がある人物です。こういう子にはどんどん作文を課せばいいのです。小論文とか課題作文とかどんどん書いて、チャンスをつかんでほしいです。

 

今年の選書はこちら

富安陽子さんが書かれた高校生の学園ファンタジーです。

古事記を下敷きにして、数学的考えが散りばめられ、孤独な天才たちの心が動く、めちゃくちゃ面白い小説でした。

さて、これをどうまとめて自分に引き付けていくのか。今年も頑張って挑戦してほしいです。あ、もうできたかな。

 

実際に本を見ていたら私も書きたくなってきました。

ずらっと課題図書を眺めてみて、選ぶなら間違いなくこれです!

111本の木

111本の木

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インドを舞台にした、自然の豊かさと女の子の学びを守り応援する活動が絵本になったとは。

私がこの本にする、と思ったきっかけは単純で、111という数字が好きだからです。

誕生日だからです。

自分のための数字である111に惹かれて手にしてみたら、内容もとても興味深く、勇気をもらいました。というかんじで書けそうですね。

 

結局のところ、自分が書きたいという結論か。

書くって楽しいよ、楽しく書こう、書かなくてもいいから読んでみて。

ひとつひとつ、読むに足るものを書いて書いて書いて、遠回りにでも微かにでも啓蒙できたらいいな。10%の人が読み書き大好きな世界を目指して。