勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

児童の稲刈り体験もウンチク多く

 香肌小学校の児童たちは毎年田植えと稲刈りを近くの田んぼで体験させてもらっています。今年も9月の初めに田植えをした同じところで稲刈りもさせてもらうはずだったのですが、台風が心配ということもあって、体験の前にもう刈らなくちゃいけなくなり、そこではできなくなりました。米作りは農家にとっては大きな仕事なので、天候と相談してできるときにえいやで行ってしまわなくちゃいけないですから。

 それで今年は稲刈りはダメかとあきらめないのが香肌小学校!

他にも作っている人はいる。保護者にもアテはある。ということで亀成園の田んぼはどうかという話になり、9月最終週まで引き伸ばしてもいいなら、天気がよければということで、実現しました。

 小さな田んぼです。大事な収穫物です。気持ちよい作業をしてもらえるかなとちょっと緊張しながらの体験受入でした。

 ここの小さな学校の児童も先生方も礼儀正しく気持ちの良い人たちということはわかりきっているのですが、農作業慣れていない人を受入れるのは軽く抵抗もありますからね。田んぼでは何をされても構わないわけではなく、体感して学んでの体験が目的なので、素直に話を聞いてもらうのが絶対条件です。

 子供たち相手に話を聞いてもらえるかな。作業もして、トリビアも入れて、満足な体験学習ができるか、亀成園にとっても良い機会になりましたよ。

 

 今年の亀成園田んぼでは、メインの稲が2種と、変わり種を5種育てています。

 今回はヤマヒカリを刈って、束ねるという作業を体験してもらったのですが、合間にさわのはな、昆明(クンミン)、戸隠紫の刈り取った束も見て触れてもらい、コメの品種について知っていることを伝える機会になりました。

 

お米って日常では忘れがちですがものすごく歴史ある作物で、品種改良も盛んで、学び甲斐に溢れています。「お米 家系図」で調べてもいろいろ出てきますね。

www.tsunagi-japan.co.jp

味比べをしてみたい方は頑張って探してみて下さい。

もちもち感がいいのか、つや感がなによりなのか、冷めても美味しいを重視するのか、カレーに合うサラッとしたのも試してみたいか、など好みによって、また気になる産地によって、自身の体との相性によってなど選ぶ基準はそれぞれです。

gensenmai.com

 

 田んぼ歴4年目の我々では知っている事はまだまだ少ないのですが、我々には圧倒的な強みがありました。

「人の絆と、掛け合い漫才による学びの体験提供経験」です。

 

 知識の出元は農の先人や仲間たちに聞いたことで腑に落ちたことがほとんどです。人のゆるやかなつながりのおかげで、自分たちで体験してきた以上の伝えられることがあります。もちろん、聞いてから自分で感じたことだけを伝えます。

 また、農に限らず一次産業付近の人は、星の数ほど伝えられることがあっても寡黙なのが一般的なのですが、私は発信こそが使命の人で、亀成園園主もウンチク語りが大好きなのです。園主の頭に詰まったいろいろなことをテンポよく引き出して、児童の様子を見ながら作物への愛としか言えない大きな気持ちを伝えることができました。できましたとも。

 

人の絆を感じる米の会についてはこちらでも書いておりました。

kamenarien.hatenadiary.com

 

たくさん動いてたくさん語った児童との稲刈り体験。

 体験後、児童の感想のほとんどは

「刈るのはすぐできたけど、ワラで束ねるのが難しかった」ということに尽きました。

うん、それ初めてだととても難しいです。働き者の手じゃないとなかなかできません。

だから、その体験をしたことで、子どもたちの手が働きマンにつながっていくといいなぁとちょい意味不明な願いをかけていますよ。

 

 田んぼの中でハザ掛けをするところなら、そこまで体験してもらえたのですが、亀成園の田んぼはちょっと距離もあるので、ハザかけは小さいほうの鶏小屋前です。

 育ち盛りの鶏たちの目の前に、美味しそうな米粒を干すのはいかがなものかというご意見をいただいたこともありますが、わりと絵になっているでしょ。

天日干しして、脱穀とかいろいろして、新米が口に入るのはまだ先です。楽しみが次々と尽きませんね。

 

礼儀正しく素直な児童と先生方のおかげで、無事に終わった亀成園の稲刈り体験。

少人数で、ある程度話が通じるのなら、こんな体験を提供していくのはいいなぁと園主の目標のひとつになりました。大事な田んぼなので、鎌を振り回すとか刈った稲を踏みつけるとか文句ばっかりとかやたら叱りつけるばかりの人などへの提供はごめんこうむりたいですが、Win-Winマッチングの機会があれば、今後に活かしていきたいです。

 

生き物がたくさんいる田んぼは、里山の風景として100年先もずっとずっと残していくものの大きなひとつなのですから。田んぼの生き物まとめも語れるようになっていきたいですね。