勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

三重の木の椅子展3に突入!

11/3~11/6の4日間限定で、三重県立美術館の県民ギャラリーというコーナーで

「三重の木の椅子展3」が開催されていました。

知り合いの木工家具職人さんも主催者として出展されているということで、ただでさえ木の話は敏感になっているとき、是非行きたいものだとうずうずしてました。

 

平日はわりと好きに動ける自由人の私ですが、週末となると家族の予定やゲストハウス亀成園が優先です。津市の県立美術館までは1時間半はかかるし、ちょっと行ってくるにはややハードルが。

でも、願っていたことは不意に叶うのが人生です。最近マジでそう信じられるようになりました。

 

というわけで、行けたのですね、木の椅子展!

たまたま津で用事ができたのです。家族も合流できたのです。

せっかくなのでともくもくレストランで食べ放題しちゃったから時間ギリギリでやばかったのがなんとも抜けてましたが、それでも行けてよかった、木の椅子展。

情報発信としては後手になり過ぎて失格ですが、感想と共に。

椅子の展示に座り放題がなんといっても魅力的!

イベント詳細はFBで告知されていました。

紹介ページを引用しておきますね。FBお使いの方はこちらから入れます↓

https://www.facebook.com/profile.php?id=100085285791393

写真もたっぷり、作家さんの想いにも触れられるので、イベントは終わりましたがよかったらページチェックしてみて下さい。

FB使っていない人も画像検索などでぜひ。「三重の木の椅子展2022」が画像ヒット数が多かったです。見たらまた座りたくなってうずうずしますけどね。

以下FBイベントページからの引用です。

”〈ごあいさつ〉

私たちが暮らす温暖で多雨なこの島国は多彩な植生に恵まれた土地です。
ここに育つ様々な樹木が、家屋や家具といった生活道具として、地域の風土を反映しつつ人々の暮らしに活かされていた時代がかつてありました。
しかし今日では、そういった豊かな「木の生活文化」が失われつつあることは、皆さんもよくご存知のことです。
生産性や効率化、あるいは快適さや利便性と引き換えに、私たちが失くしてしまったもの。
それは、長い時間をかけて身近な森に育った木々の、それぞれの特性を大切に活かして使うというような、スローでローカルでサスティナブルな物作りと、生態系のリズムに合った心豊かな生活文化ではなかったでしょうか。
今回で3回目の開催となります『三重の木の椅子展3』には、県内31組の作り手たちが地元の木を使い、一点一点ハンドメイドで作った個性豊かな椅子たちがズラリと並んで皆さまのご来場をお待ちします。
座り心地など椅子としての機能はもちろん、作品としての面白さ、樹種ごとに異なる素材の木目模様や手触りなどを、まさに五感で楽しんでいただける展覧会になると思っています。
商業主義的な大量生産、大量消費に伴う使い捨ての生活文化をそろそろ卒業するためにも、そして地域木材の活用という言葉が、再び人間の都合や欲得によって自然環境に犠牲を強いる道を辿らないためにも、ここにあるもう一つの豊かさを身体で感じながら、これからの人と自然の関係について思い描いてみる、そんな出発点になったらいいなと思います。
三重県立美術館〈県民ギャラリー〉でのこの四日間の展覧会に、是非とも多くの皆様にご来場頂けますように。
 『 三重の木の椅子展3 』実行委員会”

 

これ読んだらその空間に行きたくなりますね。素材の違いや人の想いに触れたくなりますね。ピンとくる椅子はあるのだろうか、わくわくでした。

しかし、最終日だったため、会場は15時で閉まってしまい、私が椅子たちを触れ合うのに残された時間は20分しかなかったというおおわらわでした。

そして三重県内での催し物にありがちな、会場に知り合いがたくさん居るという嬉しいけど時間が~、のダブルピンチ。約束もせず不意に訪れた場所で大好きな人に会えて嬉しいのに、触れたい椅子を優先しなければならないというジレンマと闘いながら、31展(作家さんによっては作品は複数で、展示の仕方も個性的)それぞれを大急ぎで巡るという不思議な時間でした。

 

あれもこれもよかったー!なのですが、大わらわの中でどうしても気に入って2回座ったお気に入りはこの椅子。特に左側です。

このすべすべの椅子がほんとに好き

素材は杉なんです。いろいろな作家さんがいろいろな素材で製作された作品が並ぶ中、ケヤキとか桜とかに惹かれるかなと思っていましたが、杉でした。これもまた杉に囲まれて暮らし、広葉樹の重要性と可能性を学びつつも杉の軸を持っておきたい私にはなんだか嬉しい直観でした。

 

ほんとにいろいろな作品がありました。

おもちみたいな椅子、足がなくて広々とあぐらがかける椅子、バーのスツールタイプもあればキノコ椅子もあって、ひとつひとつのストーリーをじっくり伺うイベントだったのだわと珍しく後悔しちゃいます。またそんな機会があれば取り戻したいですね。

 

たくさんの刺激と心地よい場所をありがとうございます。知っている人の活動に触れて心地よくもわくわくもするってほんとうにありがたいことです。会場にあった椅子たちはこれからどこに行ってどんな人と共に過ごしていくのかな。そんな想像も楽しいですね。

 

以下、椅子についての徒然。

 

 普段は古民家の和室暮らしなので、椅子もいちおうありますが、ほぼ使うことはありません。座卓使って正座してます。でも以前から椅子というアイテムはかなり好きなんです。アクタスのお店でたまたまカタログをもらったとき、椅子のページをずっと眺めてうっとりしていました。

北欧の美しい椅子 | ACTUS online (アクタス オンライン)

 

椅子ってシチュエーションによって使い道が微妙に変わるところが好きです。

腰掛けるという動作は同じなのですが、つながる行動が食べるだったり読み書きだったり人と話すだったり。あ、全部私の好きな行動でした。だから好きなんですね、椅子。

 

絵本でも椅子はよく登場するアイテムの一つです。シルヴァスタインの『おおきな木』では木と男の子のつながりとして最後に腰掛けるという動作が出てきます。

 木と人のつながりは本当に様々ですが、腰掛けるための椅子は案外シンプルで奥深いです。切株そのものでもいいところを高さや大きさをいろいろ加工して、座る行為のために木と寄り添っていきます。

居場所としての椅子というのも魅惑的なモチーフで、そこに椅子があるから人の場所があるという感じ方もできます。「座席の確保」「お席のご用意」といった使われ方もされますね。

 椅子について思いめぐらせていると、生まれてきた子供のための椅子にも突き当たります。

特集11年目の「君の椅子」プロジェクト AFC アサヒファミリークラブ

 

私が普段座る時に使うアイテムはもっぱら座布団で、これにもまたつながるストーリーがあるにはあるのですが、イメージした時や時間の流れを考えたときによりぐっとくるストーリーがあるのは椅子ですね。それもやっぱり木の椅子がだんとつな感じはします。先日山を案内してくれた方の家にも、自分と同じくらいの年齢のイチイガシで作った椅子があるそうです。切った後もまだずっと一緒。

 

私もそんな椅子がほしいものです。

素材から知っている。作った人も信頼している。家族の時間に馴染んでいく。

豊かさの行きつくところな気がしてきますね。