勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

親子山村留学イベント大盛況!

 11月19日に香肌小学校で行われた、親子PTAの焼き芋会&親子山村留学実行委員会主催の説明会と座談会は、児童と保護者に教職員の他に、5家族22名の現地参加+地域の方々10名程(見知った顔も新鮮な顔も)、そしてオンライン参加もありでした。辺境の小規模校のイベントとしては驚きの盛り上がりっぷりでしたよ。昨年度は2家族9名が現地参加してくれて、そのうちの1家族がめでたく移住することになり、すっかり香肌小や地域に馴染みまくった仲間となって大成功でした。なので今回も1組でも先に進めば成功と描いていたのですが、いままでの積み重ねの成果は十分で、予想以上の反響があって大わらわでした。口コミもありますし、Web広告の力もあります。それでもわざわざこの日に合わせて来てくれるor時間を作ってくれる方は、暇つぶしでも冷やかしでもないのでしょう。もしかしたらもしかしてまた仲間が増える事例になっていくのでしょう。まあ、なんていい流れ、むしろうねりの中にいるのでしょうか。

お芋食べて、走り回って、話し合って

 来てくれた方々、ひとまずお会いできてよかったです。1日のスケジュールが例年の倍くらい欲張りでぎっしりで、更にわりとな人数でしたのでみなさんとじっくりお話できたわけではなく、むしろあまり歩み寄れなかったことを反省中です。先生方にも業務以上のことをあれこれして頂く結果となり、また頭が上がりません。それでも現地まで感触を確かめに来た方にとっては、先住保護者と話すよりも、児童がそろって仲良く活き活きと遊ぶ姿を目の当たりにするほうが何倍も有益なことだったとは思います。

 「のびのび育つ子ども」とか「異年齢混合で仲良し」とかいくら言葉で説明されるよりも、大人に見守られながらとはいえかなり自主的に協力し合っての作業スタイルや、全児童が自由にしながらほとんどそろっての遊び時間には訴求力があります。以前から子どもたちをよく知っている側としては、どの子が元から居た子でどの子が新しく来た子なのかは一目瞭然ですが、初めて見た方にはまずわかりません。みんな一緒になって、まだ転入や入学していない子らまでも一緒になって、楽しく遊んでいました。

 

 一日の内容としては以下の通りでした。

・9時集合で開会

・挨拶などのあと、焼き芋準備(芋を洗う。石を洗う。家族のかまどを決める)

・火起こし(新聞紙、落ち葉、木の板などをドラム缶の中に組んで火をつける)

・火が安定したら缶に入れた石焼き芋セットをのせる

・芋が焼けるのを待つ間、児童の舞台発表@体育館

・焼き芋&おにぎりタイム

 ※サツマイモは学校園で採れたもの。お米は近くの方で田んぼ作業をさせてくれている方からのご提供。ご飯炊きは高学年と先生方で。みかんの差し入れは先生から。

 ※食べる間は家族以外とは距離を空けて、歓談はその後

・昼休みの間に現地参加者の学校見学

 

・午後は児童は授業、見学者は体育館で説明会&座談会

・漁協組合の方からあまごの串焼きのふるまい

・15時に終了。児童下校。

 

午後の説明会&座談会も今回はいつもよりも欲張り企画で、

・香肌小の一年の様子を校長先生から

・香肌小学校親子山村留学についてを実行委員長から

・移住保護者5人から暮らしの様子や学校について思うことなど

というこれまでも流れにあった内容に加えて

・地域の元校長先生ご夫妻から小規模校の良さについてのお話

を盛り込んで、オンライン中継も同時にという90分企画でした。

当然時間が足りずに盛り上がってしまい、下校時間は決まっているので冷や冷やしながら、なんとか参加者たちからの声も拾い上げての大団円でした。

小規模校が大好きという熱い声が続々と

 今回、私は自分のパートは2分×3と決めて絞りぬいていたので、そんなチャレンジも叶ってよかったのですが、参加者みんな話し足りないの声でいっぱいでした。ほんと、主張が強くて頼もしい地域の仲間たちです♪ コミュニケーション能力の低下が問われて久しい現代にあって、テーマも機会も自分たちで生み出して高め合っていく気風がこの地域にはあるのでしょうか。大人たちがひとりひとり話をして温かい雰囲気を共有していることもきっと、この学校の子どもたちに影響を与えているはずです。

 反省点もあれこれあるものの、それよりもっと可能性を感じた秋の日でした。それぞれの課題をクリアして、新しく仲間になってくれる素敵な家族にまた会えるといいです。住居のことや仕事のことなど課題はそれぞれ違って、大きさも様々ですが、何もかもいっぺんに欲張っての移住というのはバランスを欠くことになるので、勇気をもって取捨選択をして、飛び込んでくれたらいいなと願っております。

 

 わざわざ現状の暮らしを変えて、新しい場所に家族で(母子でも)飛び込もうという方々にはそれなりの事情があります。私たちが移住した経緯はなんというか能天気で

①子育てするなら自然豊かなところでのびのびと

②自給暮らしをやってみるのなら若いうちにとりあえず

③家族そろって苦労を共にして成長する人生でいたい

なんていうものでしたが、その裏にはやっぱりモヤモヤもあったのです。望みの奥にある不満がニーズとなっているものですね。

 

①’ 街の中で元気な子供をのびのび育てるのは無理があるなぁ

②’ 食べることの確保を早いうちから備えておかないと不安

③’ 苦労知らずだった自身の育ち方に疑問があった

 

こういう風に見えてくると、今の暮らしをしていることが最もと納得します。香肌小学校に縁がある人たちのニーズはほんとのところ何なのだろう。自然豊かな環境にある小規模校に惹かれる人の現状不安はどこにあるのだろう。そしてその不安を安心に変えていくために何を選んで何を選ばないでいるのがいいのでしょうか。その答えもまた多様であり、私がこれと正解を決める事ではありませんが、いろいろなケースに触れて、決断した先の安心を醸し出せる人でいたいなとは思っています。

 

 ひとまず香肌小学校親子山村留学に関する大きな行事、今年度は一段落です。なかなかいろんなことがありましたが、どうしたって前進の傾向であることが、本当に本当に有難いですね。目標はまだ先にあるので、じっくり見定めて進んでいきます。