勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

マラソン観戦母目線

 香肌小学校のマラソン大会があったのです。毎年12月初めの平日午前に開催されるのですが、大半の親も観戦に行く、さりげないけど大事な行事のひとつです。

なにせ、児童の走りっぷりが眩しいのです。

1,2年生は1,000メートル

3,4年生は1,500メートル

5,6年生は2,000メートル

2学年ずつ順番に走って、各々のタイムに挑戦するのです。順位にこだわる子もおりますが、なにせ超小規模校のマラソンです。個人個人のタイムと向き合って、練習より本番でいいタイムを出す。大体本番で一番いいタイムが出るのですが、それは周りの応援のおかげもあると子どもたちが本気で感じるのがこの小学校のマラソン大会なのです。眩しすぎる。

 

 全校児童16人のうち、この時期なので体調を崩す子もいて、マラソン大会に参加したのは14人です。となると1,2年生は3人の1人がおらずに2人での走りです。他学年や教職員、それに駆けつけた保護者たちも見守る中、とにかく自分ができる限り走り切る姿を披露してくれました。1年生は今年はうちの末娘だけでしたが、この学年、近頃親子山村留学希望者が相次ぐ年です。次年度やそれ以降はまた違った争いになるのかな、などと想像しながら、娘のまばゆい走りっぷりを観戦しました。

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 3,4年生は6人ですが接戦になりました。負けん気の強い4年生。うちの子は昨年度はギリギリまで頑張って走っていたのですが、もう追いつかないとわかって最後ふざけてしまい、先生に渋い顔をされてしまった思い出があります。母としてはまあそれも彼の照れ隠しの表現かと思うし、運動で「勝つ」経験がほぼないのでなんとも言えないのですが、プライドの高い息子がどうするのかはハラハラしてました。人目があるのでニコニコしてましたがかなり本気で頑張って走ったらしく、満面の笑顔でした。タイムを1分ほども縮めての大健闘でした。偶然にも地面から浮いている写真が撮れていましたよ。

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 5,6年生も1人お休みで6人。運動音痴の母からするとトビタカの娘の小学校最後となるマラソン大会でした。

鳶が鷹を生む - 故事ことわざ辞典

 トビタカなので堂々と言いますが、私はこの子の走り方が大好きです。マジで惚れてます。四肢しなやかでとにかくシルエットが美しい。ずっとずっと声援を送りたい姿です。いつもはいろんな人に気を遣いながらのお利口さんですが、マラソンの時は何も考えずに何も気を遣わずにただただ走って欲しいと願っていました。

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 ほんとに眩しい走りっぷりでした。

 今年は6年生も接戦で、グラウンドの外周4周プラストラック1周というコースのほとんどを先頭で走っていたのですが、振り切ることができずに最後に抜かれて悔しさを吐露してくれました。普段は弟に対して以外は本当に穏やかな子で、クラスメイトの間などで感情を露わにすることは滅多にないのですが、ペースメーカーとなって引っ張って、もうひと踏ん張りして勝ち逃げできなかったことが余程悔しかったのでしょう。最後以外はずっと先頭で、どう見ても眩しかったのですけどね。悔しそうな表情も貴重なので、母にはもう感涙しかないマラソン大会でした。

 

 平日の午前なのに、多くの保護者が都合を付けて応援に来ます。もちろん我が子優先なのですが、それだけでもないのがこの小さな学校の温かいつながりです。山に囲まれたロケーションのグラウンドで子どもたちが走るのを伸び伸びと観戦できる特権をたっぷり享受して、マラソンに縁のない私でも毎年たまらなく好きな学校行事なんです。

 

 縁のある人には冬はやり甲斐のある季節ですね。

 松阪マラソンが3年越しの悲願で開催されることになり、12月18日は大混雑が予想されそうです。飯高町までは影響なさそうですが、無事故で爽やかに頑張って下さい。小学校のマラソン大会を見て以来、私にも爽やかな風が吹いている気分です。

mie-matsusaka-marathon.jp

ラソンの世界は奥深く、目が見えない人たちの大会もあるのだとか。伴走する人と走者をつなぐ伴走ロープなるものを作っている友達もいます。世界はどこまでも広くてミルフィーユで面白い。