勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

プレゼンで場を和ませよう

 令和5年の1/28はちょっとしたチャレンジをしてみた日です。松阪市の「地域の元気応援事業」という、住民自治協議会や市民団体に活動応援金が採択される可能性の高い公開プレゼンに挑み、香肌小学校親子山村留学実行委員会として、次年度の活動予算を無事に採択してもらうことができました。パチパチパチ。

市民活動サポートありがとうございます

令和5年度 地域の元気応援事業「一次審査結果発表」 - 松阪市ホームページ

 この事業はもう12回目ということで、気付けばお馴染みだったのですが、行政が事務局として動き、企業がスポンサーとしてついてくれることもあり「市民・行政・企業」の3つが協働してまちづくりを行う事業というのは、実は珍しいのだとか。たまたまですがそんな松阪市とご縁があったのはありがたいことなのです。

 香肌峡のカヌー協会も常連さんの事業で、2年前には『カハダヲタベル』冊子作りにも大役をかって頂いた資金処です。香肌小学校親子山村留学実行委員会の取り組みも予算を得て、次年度も頑張って継続していけそうです。情報発信したり、チラシ刷ったり、HPリニューアルなど、限られた予算であっても幅が広がりわくわくしますね。

 

 書類による一次審査があり、活動内容や予算用途などは行政や審査員のみなさんにお知らせ済みでした。その審査を通っていれば、よほどのことがない限りほぼ採択はされるということで、予算が付くかつかないかの心配はまあなかったのです。一次審査の書類は頼もしい仲間に叩き台作ってもらったしっかりしたものでしたのでね。予算内訳や事務局とのやり取りなどはうちのお父ちゃんがぬかりなく進めてくれていました。

 

となると私の役割は

「プレゼンの場をいかに楽しくするか」です。

いやまあ、お父ちゃんのカチカチ説明のプレゼンでもよかったのですが、審査員の皆さまもそんなのは見飽きているだろうと思ったのです。固い挨拶とか説明などは資料を見ればわかります。ほとんどのグループはパワポでの発表ですが、発表形式の制限はなしなので、なんでもいいわけです。

 というわけで、

香肌小学校親子山村留学実行委員会のプレゼンを夫婦漫才でやってみよう!

との天啓が下りたのがひと月前のことでした。

夫婦漫才イメージはACイラストから

 「プレゼンは、目の前にいる人たちへのプレゼント」です。時間と関心を頂く代わりのね。

わかりやすく、楽しく、心からの熱いメッセージを伝える場です。せっかく聞いていただくのなら、エンタメ性を高めることが私にできる最大のプレゼントだと決めました。

 以前より亀成園の体験などで私たちが一所懸命説明していると、お客さんから「夫婦漫才ですね」と言われることしばしばでした。真面目に学びを伝えているのに漫才とはこれ如何にとその時は不本意でもありましたが、いつだって場を楽しくしよう、和やかにしようとは望むところであります。真面目なネタで笑いをとる、これってもしかしてすごい武器なのではとやっと気付くことができました。

 とはいうものの、漫才は初心者です。伝えたい要素を盛り込んで台本が書けるか不安もありましたが、書いてみたら結構いけたのですね。大発見。

 5分以内という制限時間の中で伝えたいことは3つありました。

・香肌小学校親子山村留学のこれまでの実績

・予算の使いみち

・活動が学校、移住者、地域にとって三方良しであること

 

これらを漫才口調で書いてみると

「どうもー。香肌小学校親子山村留学実行委員会です」

「やぁ、苦節3年経て、ようやくの実行。最近テレビも出て調子いいそうやん」

「おかげさまでなぁ。去年は春から秋からトントン拍子やったわ」

「うわぁ、調子乗っ取るわぁ」

とこんな感じで、もう少し具体的な数字など入れ込み、お試し田舎暮らしが継続した移住のきっかけとなっていること、香肌小学校が移住者親子に本当に喜ばれていることなどをやり取りし、活動をブラッシュアップしていくための予算支援お願いにつなげていきました。

 

 読み合わせを繰り返し、子供たちにも聞いてもらい(気の毒に)、ぴったり5分に収まるように何度もイメージを描きました。

 迎えた本番は、実行委員会の仲間やこれから飯高上流地域を盛り上げていく大好きな仲間も応援に駆け付けてくれての初舞台でした。

 

 ええまあ、うまくいきましたよ。5分ぴったり。一部セリフ飛びましたがフォローもできて、仕込んだネタは完璧に。固い審査の場であっても十分和んでもらえ、審査員の中には後から声をかけてくれた方もあり、とっても楽しんでもらえたようで今後の活動見守りにもつながったかもしれません。他のプレゼンターにも「会場の雰囲気が明るくなってやりやすくなりました」と言ってもらえ、駆け付けた仲間たちも笑って拍手してくれて、居合わせた人々へのプレゼントはめでたく届いたようです。

 

 個人的には後から見せてもらったビデオで反省爆発です。

動作があまい。

立ち位置が安定しない。

発声も練習不足。

同じネタでももっとクオリティを上げられたのにもったいないことをしました。

けれどそこに反省して次回に活かす気満々な自分がいるのですね。次回って。

 

 この活動に限らず、今後どんなチャンスがあり、どんなネタに飛びつけるかはわかりません。細かいチャンスも大きなチャンスもあるでしょう。どんどん来るかもしれないし、来ないかもしれず、まあ未来は未来にしかないので考えても仕方ありませんが、どんな時だって私には「場を和ます」力があることを強く感じました。今まであまり意識してなかったのですが、場の空気を軽くするって多分力なんです。もっともっと楽しくなっていきますね。

 香肌小学校親子山村留学の活動も、軽く楽しく続いていきます。移住や引っ越しはやむに已まれぬ事情で動くことの方が多いのかもしれませんが、せっかくご縁があるのなら、前向きに楽しむ気に満ちた人々がやって来てくれるといいなと願います。まあ動くのはその人たちなのでこちらにできることは待つことと気を発することくらい。どうぞ豊かにつながっていきますように。