勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

鬼退治も程々に

今年の節分は飯高移住の新メンバーらと共に、総勢17人でのとってもにぎやかなイベントになりました。本気の鬼が来ることは子どもたちに内緒にして、恵方巻きをみんなで作って軽く豆まきをという呼びかけで、集まりました。

 

我が家では毎年恵方巻と豆まきはしておりますが、鬼のお面をお父さんから順番に使い回しでそれぞれが鬼役を経験し、豆まきにこめられた欲を追い払うという独自のスタイルで行ってきました。玄関から入ってきた鬼に対し、「鬼は外ー!」。鬼はちょっとジタバタしてそれぞれに近寄っていくも、豆ぶつけられてタジタジ。あっさり退散して選手交代で、一巡りしていました。

 

今年は鬼の衣装がある。本気でおどかそうという大人の目論見で、作戦が考えられドキドキの当日でした。前日になって赤鬼役が欠席という非常事態もありましたが、ひょんなことで人員確保もできました。

 

会場提供に、寿司飯と海苔、いくつかの具材は亀成園が担当し

豆と定番具材は買い出しをしてきてもらい

連絡と参加費集め係はまた別で、撮影係も決めて、母たちの手分け仕事も新鮮でした。

(いつもいつでも身勝手に生きてきただけですみません)

ちょうどいい本があったので、恵方巻作りの前に読みました。のりを置いて、ご飯や具材をびっしり敷かずに上を少し空けておくこと、後でかぶりつくことを考えて盛り過ぎないこと、巻いた後ギュッギュっと押さえることなど、絵本があったら伝えやすくていいです。

具材はエビ、卵、でんぶ、きゅうり、かんぴょう、お刺身など定番の他に持ち寄りでソーセージ、アボカド、ホタテ、トンカツまでありました。なんと現代的。うちにあったアマゴの卵(冷凍しておいたやつ)の醤油漬けもプチプチと好評でした。

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みなさまのおかげさまで豪華な恵方巻会が実現し、さてあとはいい感じに鬼が登場してくれて、子供たちが怖がりながらも勇敢に豆まきできれば、というのが大人のストーリ―でした。鬼が来たら「きゃあー」って叫ぶ係も決めてありましたよ。

 

さて実際の様子は、まあなんと、勇敢にも程がありましたね。

こんなに怖い鬼の姿だったのに。登場したとき私はけっこうビビッてしまったのに。

 

怖がったのは4歳の子ひとりだけで、残りの小学生は暴れん坊にも程がありました。

あっという間に棍棒を奪い、ボカボカボカ。つかみかかり、組み倒し。

豆だってば、豆!ソーシャルディスターンス!って普段もうほとんど気にしなくなっているのに久々にこんな言葉を思い出してしまいましたよ。

 

8人の戦う子供たちと3匹の大人鬼。そんな悪くないバランスなのですが、為すすべもなかった鬼たち。まあ3匹とも近眼で、鬼面をつけるために眼鏡なしというハンデもありましたが、小学生はこわい(笑)。

 

来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、また来年も行うならば、もっと作戦練らなきゃいけませんね。鬼の数を増やすか、ラスボスを用意しておくか、音楽を工夫するか、対決は1対1にするルールを作るとか。わんぱくが許される社会で育つ子供たちを押さえつけることなく、大人も負けてはいられない。節分ってそんな日だったっけ?

 

大波乱の鬼退治のあと、恵方巻かぶりつきタイムもありました。南南東を向いて、一本完食するまではしゃべらない。真剣に願いを込めて食べる子供たちの前で変顔をしてにらまれて退散したのは私です。欲望たっぷりの人はみな黙って完食。そして余った材料で2本目、3本目。欲はとどまるところを知りません。

 

ゲストハウス亀成園はときどきこんな風に親子が集まって騒ぐ場所にもなります。あまり遅くまで騒ぐと近隣の目もありますし、集まっていることはすぐに知られるところになるのでなんでもありというわけにはいきませんが、ある程度のスペースがあって、家の中と外が自由に使えて台所もあって、みんなにわかりやすい場所というのは、いいものだなと使われるようになってから実感しています。

大きなイベント企画にはぎゅうぎゅう過ぎるけど、10名程度の集まりならまだまだ可能性が広がっていきそうです。こてんぱんに鬼の払われた空間で、春からもまた楽しいことがたくさんありますね。