勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

てんつくマンの松阪講演会2023

てんつくマンが松阪に来て、中学校3校と一般向けに講演と、夜もみっちりWSをしてくれるという機会がありました。そして中学生や学校関係者を中心に沢山の人に大きなエネルギーを残していってくれました。最後の講演の後はもう声も出ないほど頑張って伝えてくれて、また即興路上詩人として個別にメッセージもくれて、機会あった人々はそのパワーにあやかることができました。不思議なご縁のいろいろなことが有り難いなぁとしみじみ振り返っておりますよ。もう2週間前のことで時期逃した感が強いですが、せっかく得たものを残しておきます。

中学校での講演について取材が入った地元新聞の記事はこちら。

全校と保護者も歓迎の講演だったそうで、松阪市11の中学校のうちそれなりの規模3校で話があったとすれば、同時代での影響はありそうです。私のいる飯高町への訪問はありませんでしたが、夜のWSや土曜日の講演はちらほらと飯高関係者もいて、ちゃっかり吸収してそうな頼もしさがありますよ。

yomotto.jp

てんつくマンについて、私なりに事前学習したことを貼り付けたのはこちらの過去記事です。それとまたてんつくマンに会ったことがある人やなんか知ってるという人の話から、「めっちゃエネルギーあるけど超いい加減な人」というイメージがあったのですが,,,

kamenarien.hatenadiary.com

実際聴いた講演はめっちゃ真面目モードで、てんつくマンどうしたんという印象でした。もっといい加減なんちゃうん、と密かに突っ込んでいましたら(関西人のサガですね)、講演中盤でご本人も「わぁ、なんか俺、真面目な話してもーとる。ちゃうねん、もっとおもろいのが好きなんやけど、笑わせなあかんねんけど、子供好きやから今言いたいことがめっちゃあるねん。あかんわぁ」みたいにテンパっていたのが面白かったです。資料も極まともで、もしかして過去にあったてんつくマン講演の印象がある人にはいろいろびっくりだったことでしょう。松阪の中学生がそれだけ素直で真摯に向き合いたくなっちゃうってことなのかな。それならば仕方がない。

 

講演のテーマとしては「問いかけが人生を変える」で

自然のものでないモノは全て人の「問い」から生まれた、という話や

WBCでの活躍が華々しすぎた大谷翔平選手の花巻東高校時代からの話や

小豆島の小さな高校野球部に起こった奇跡みたいな話や

現代の楽園という説もある南の海の島であるフィジーの話など

2時間でいろいろ詰め込み、そりゃ声も枯れるわというほど熱量溢れていました。

そんなテンションの生声に触れられたのはやはりいい経験だったのです。

 

学校教育との関係でいくと、

「答えを教える育て方はしない」

「指導者のやることは問いかけだけ」

と伝えてくれました。

基礎学力はそれなりに必要ではあるけれどそれ以上に大切なのは非認知能力というやつで、人はその気になればなんだって自発的に夢中にできちゃうから、そういう力を小さな頃につけることは、答えを覚えることよりよほどよほど大切でしかない!のだと。

 

基礎学力をつけることに良くも悪くも多くの時間を割いてきた身としては、学力より大事なものを説かれると若干の構えがあるのですが、IQでは測れない非認知能力ってどういうものかを聞くと合点がいきました。

スライド一つだけ写真に収めていたのでそこに書いてあったことを写しますと

「コミュニケーション能力、自制心、想像力、楽観的に考える力、あきらめない力、好奇心、探求心、楽しむ力、人に愛される力、忍耐力、笑顔で元気な挨拶」

これが非認知能力というやつらしいです。

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ん?なんかいっぱい知っている気がします。驚くほど身近な気がします。

そして確かにこれらは機械では代用できない人間の持つ力です。

今これが求められていることを固く書いたレポートもありました。

www.shogai-soken.or.jp

非認知能力はやらなければいけないとされていることに我慢して取り組んだときではなく、やりたいことに夢中で取り組んだときに身に着く力なのだとか。

やりたいから→楽しむ、想像する、探求する、楽観的になる、好奇心が続く

そしてまたやりたいから→自制できる、忍耐もできる、あきらめない

やりたいを広げるために→コミュニケーションする、愛されるようになる、笑顔で元気に挨拶もできる

そんな流れが成り立つという事でしょうか。

自分が非認知能力をいつ育てたのかはわかりませんが、小さな頃であったのかもしれないし、自由を謳歌していた頃なのかもしれません。もしかして田舎暮らし始めて加速したってこともあり得ますね。

 

指導者にとって大事なことは「やる気のスイッチを入れるのではなく、その気のスイッチを入れること」というのもありました。

上から目線でちゃんとしろー、こうやればいい!、さぁもう一回やっとくぞー、といくら指導しても本人にその気がなければそれは空しい時間です。けれどやりたくなるように仕向けることができれば、細かいカツなんて要らんのです。

スポーツでもなんでもチームがあるなら、「自分がチームのためにできることは何だろうか」と自分で自分に問いをかけて真摯に実行していく人が3人育てば最強のチームになると。それはなんかわかる気がします。

そんなことをご自身にも身近でみんなが理解しやすい野球の例を中心に、具体的に臨場感たっぷりに惹きつけて話してくれました。

 

IQで人を測る教育では、個人の能力を高めることに主眼がおかれ、少ない椅子を皆で取り合うような人生ゲームが行われてきました。

受験の勝ち組、就職の勝ち組、結婚出産などの勝ち組、老後の勝ち組など、戦後の世の中では他人を蹴落とすのがわりと当たり前でした。進学校にいた私としても「隣の友達が試験ではライバル」が左程おかしな感覚ではなかったことを知っています。蹴落とそうと思ったことはないのですが、比較があったことは否定できません。

私は超が付くほど運動音痴で、芸術の才能も開かず勉学だけが得意だったからその時代を生きたことはまあラッキーでしたが、もし時代が求めていたのが体力一辺倒だったとしたらゾッとしますね。無価値観甚だしく、好奇心も探求心も育たなかったことでしょう。3メートルもボールが投げられず順位が最下位付近に張り出されて、ビリ争いで意地悪な性格だけが育っていたかもしれません。それともチームのピエロとして明るく頑張っていたのでしょうか。むむむ。

 

今まではどうあれ、大事なのは今でありこれからです。

子供たちが希望の情報を知って、自分がその気になれる問いかけをしていく教育ができれば、この国の若い世代が絶望することなく、己の価値を高めていけるのでしょう。

そして人生は個人戦ではなく団体戦です。それぞれが好きなことに夢中になり、その姿を応援し合って高め合っていくつながりが、共に人生を歩む力になります。

人の脳はみんな天才なのです。

どんな問いにだって考えて自分なりの解を導き出す力があるのです。

居合わせた人はみんなおだてられて幸せな時間でしたよ。

天才はなんてったってアホでいい加減ですしね。

さて長くなりましたが、終わりにてんつくマンからの明るいお願いを紹介します。

次に挙げる5つの言葉はもう使うな。それで人生変わるからということで、悪魔の5ワード並べます。

1.無理

2.難しい

3.わからない

4.怖い

5.面倒くさい

わぁ、これ徹底するの結構難儀ですが、この時点でもうアウト1。けれどここから逆転満塁サヨナラ人生ゲームはできますとも。

せっかく教えてもらったので素直に受け止めて心掛けていかなきゃね。

 

あ、そして最後に路上詩人として私に書いてもらったメッセージ

「真清は はみだすことが出来るから はみだす大切さを 伝えてあげて」

でした。

はみ出した伝道者が私の使命とな。

初対面で一瞬でなんかすごいなと驚きです。このメッセージもまた人生に活きていきます。

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