勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

全大人に伝えたい、子育てスキル7

仔猫と暮らしてひと月半が経ちました。

可愛くてとろけているのはもちろんですが、日に日に成長して行動空間を広げ、思いがけないトラブルの絶えない暮らしになっております。無駄に物が多い古民家と育ち盛りの猫ちゃんって相性抜群なのか否か。楽しそうに伸び伸び育ち、寄り添ってスヤスヤ眠ってくれるので、文句なしなのですけどね。

 

我ながら寛容でいられるものだと驚いています。

私が小学生の頃に初めてうちに仔犬が来てしばらくして、どれだけ可愛くてもイタズラされたとき(チョコレートとられた)は泣き喚いたものなのに。

中学生の頃に来た仔犬の夜泣きにブチキレそうになっていたことも思い出します。

愛の深さは同じでも対応力が段違いの昔と今。

どうしたってこの差は子育て経験です!

 

子育て経験が自分にどれだけの影響をもたらしていたかを書き残してみたくなりました。

猫より犬より明らかに成長がゆっくりで、身体能力も本能も弱いゆえに危険の多いヒトの子を続々と10年以上真剣に育ててきたことで身に付いたスキルがどうしたってあることを公言したくなりました。

子育て不安の方、子育て五里霧中の方、そして子育てがんばって来られた方、それぞれどれほどの共感やナルホドが得られるかわかりませんが、うまくいけばなんだかすごいものが残せそうですよ。

子育てする機会がなかった人も、人が育てられることの裏を想像してみる一助になり、どこにでもいそうなママさんパパさんへの見え方が少し変わると、より発見の多い日々になるのではないでしょうか。

赤ちゃん怪獣をのびのび育てよう

振り返っても恐ろしい子育て初期というのは、睡眠不足に達成感の乏しさ、孤独感に正解の見えにくさなど、自分で選んで世界一愛しいわが子と共に過ごす貴重なひと時のはずなのに、押しつぶされそうな絶望感がありました。

それでもなんでも抜けた先にあるものが、たいしたものでないはずがありませんね。

がんばって取り組んだからこそ得られるアフター子育てスキルとは!

 

子育てスキル7

①忍耐力
②傾聴力
③相手に合わせて教えること
④倫理観を明確にすること
⑤気持ちを切り替えること
⑥咄嗟の対応力
⑦手放すこと

 

ざっとこんな感じです。

えっ、なんかすごすぎる!と我ながら驚きましたが、実際こんなスキルがなければとても乗り切れないのが子育て10年で、逆にこれを身に付けることができたらその後はどんな仕事だってできそうです。チャンスがあればね。

 

一つ一つ詳しく見ていくと

 

①忍耐力

乳幼児から小学生くらいまでと向き合うのは、とにかく忍耐です。

寝かしつけ、生活リズムを整えること、コミュニケーション、子供の勉強や習い事などなどあらゆる点において、保護者は辛抱強く、そばで信じて見守り続けるのです。

思い出しただけで気が遠くなりましたが、現在進行形でスキルを磨かれている方がいらっしゃることが誇らしいです。

子どもってちっとも思い通りにはならないし、「それさっき言ったばかりやん」とか「何度目のー!!!」ってことを繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し、、、

うん、そうして親の忍耐力は磨かれていきます。


②傾聴力

言葉を使い始めた子どもに話すことの手引きをしてやるためには、とにかく子どもの言うことにじっくり耳を傾けてコミュニケーションをとらなくちゃいけません。

言い間違い、滑舌のたどたどしさ、うまく言葉が見つからないときの補助などなどありながら、子どもが話すことや言葉に親しみを持つようになるには、そばに居る人がどれだけ言葉を与えるだけでなく傾聴してきたかが大事です。

ああ、この子が伝えたいのはこういうことなんだなとアテをつけながら、本人が満足に伝えられるのを待ってやる。私自身はそこまで傾聴できてこなかったなと書きながら反省ですが、たどたどしいけれど何が言いたいか見当がつくというスキルはかなり身についています。一方的でもなく受け身すぎるのでもない導くコミュニケーションによって、子どもの言語力が育っていくので、保護者の傾聴力も高まっていきます。


③相手に合わせて教えること

幼児から小学生の頃は、発達や理解力、個性に合わせていろいろなことを教えていかなくちゃいけません。

衣食住に関することや人付き合いとか、お勉強的なことも、勝手に身につくことはほとんどなくて、どれもいちいち教えてやらなくちゃいけません。

この言い方ならわかるかな、この場面ではどうかな、このつまずきはどこからなんだろうと沢山推測しながら相手を教え導く力は、否応なく子どもによって鍛えられた後、どれほど社会の役に立つスキルとなるのでしょう。


④倫理観を明確にすること

教えることと重なりますが、どう教えるかではなく何を教えるかには保護者の倫理観が問われます。

「赤信号、みんなで渡ればこわくない」でいいのかな。

「嘘つきは泥棒の始まり」ってどういうことなのかな。

誰かの正義は他者に取っては正義でないこともあるってことをどう伝えればいいのかな。

自分だけのことならなんとなく胡麻化してやり過ごしていけばよいのかもしれませんが、時々子どもから渡される鋭い質問にどう答えるのか。

保護者が思っている以上に子どもは親の背中を見て育ちます。

「鳶が鷹を生んだ」を望みたくても現実は「蛙の子は蛙」であることがほとんどなので、恥ずかしくない子に育ってほしいのならば、自分が恥ずかしくない人でいなくちゃいけないのです。

キツイけどありがたいチャンスをもらっています。


⑤気持ちを切り替えること

日々を共にする家族の場合、まして世話が必要な子どもと接する場合、カッカした気持ちや落ち込みを引きずったままでは暮らしていけないわけで、どれだけいろんなことがあって感情のジェットコースターに酔ってしまっても、なるべく早く気持ちを切り替えて、日常をこなしていくのです。

追い詰められて投げ出したくなることもあります。

腹が立って逃げ出したいこともあります。

何もかも放り出したくなることもけっこうあります。

私の感情の波が派手めなのかもしれませんが、そうそう穏やかでいてられない事態がおこると知っておいた方がいいです。荒波にもまれることを理解しておいたほうがいい。その上で、気持ちを切り替えて波を乗り切っていることを。

 

余談ですが、成人女性が集まって話をすると、話題があっちこちに飛びまくって、何を話しているのかわからなくなると聞きますし、ついていけない男性は多いですね。この話題が飛んでも対応できる力というのも、気持ちの切り替えと共に磨かれるのかもしれません。議論にはむかなくてもひとつの議題に引きずられずに進んでいけるという、これもまた理路整然としているわけにはいかない子育ての恩恵かもしれません。


⑥咄嗟の対応力

コップに注いだばかりの牛乳がこぼれた、お弁当のおかずを一瞬のスキにとられた、夜な夜な続くおもらし、お友達とのいざこざを目の当たりにした、両手がふさがっているのに駆けだした、などなど

しまったと思ってもすぐに次の最善手を探して対処することがしょっちゅう必要なのが子育ての一面です。

今までの集大成のような力ですね。

一難去ってまた一難の子育てに真面目に向き合っていると、対応力が鍛えられないはずがありません。どんなスピードでどんな対応をするかはもちろん人によりますが、幾多のトラブルを乗り越えてきた人の力は、人が集まる場でのハプニングに咄嗟に発揮されて見事です。


⑦手放すこと

子育てスキル最後のひとつは、手放しです。

大事に大事に育ててきた我が子を世に送り出すことで子育てはひとまず一段落なので、責任は持ちながらも執着を捨てて、信じて巣立たせることが求められます。

 

これはヒト以外の生き物は軽くできてますね。めちゃくちゃ子どもを可愛がって育てるキツネですら手放した子にはツンとするそうですし、必死で子育てをする多くの鳥も、移動についてこれない子はシビアに手放します。種が存続するための本能的な力なのかもしれませんが、本能の弱くなったヒトにはこれも時に難しいことがあります。

それでも「必死で育てた我が子を手放す」ことができたならば、他の何に見苦しく執着することがあるのでしょう。私はまだまだの力ですが、子どもたちによって磨かれ、ぜひ鍛え上げておきたいスキルです。

 

子育てスキル7

①忍耐力
②傾聴力
③相手に合わせて教えること
④倫理観を明確にすること
⑤気持ちを切り替えること
⑥咄嗟の対応力
⑦手放すこと

 

いかがでしょうか。

ヒトの子を育て上げるって、たいしたことで、我が子に限らずとも子どもと真剣に向き合うことを選んだ大人が得るものは、きっと他では得難い敏腕経営者並みの総合力です。

減ってきてしまっているとはいえ、まだまだ世の中には敏腕な子育て経験者が多く居て、スキルを隠し持っています。

次世代育成をするもしないもそれぞれに任されていて、どんな形でもいいと心底思っています。私が尊敬する多くの作家さんは我が子が居なくても世の中の多くの子に夢を与えている人であることが多いですし、名を立てている人は子どもにかける時間を他に注ぎ込んできたから名を立てることができている場合も多いです。子育てをすることばかりが価値ではないのは言うまでもないのですが、子育てを軽視するほどもったいないこともないぞ、とは主張しておきたいことなのです。

子育てに必死こいて悩み苦しんでこなかったら、私はいまほど他者の話に耳を傾けることはできなかっただろうし、大きな心で人を迎えたり送り出したりすることもできなかったと思うのです。逆に子どもとの時間を重視するあまり得られていないチャンスもあるのですが、それは取り戻せると信じています。10年以上は短くない時間です。覚悟を決めても決めてもグラグラしてしまったとしても、子どもたちに与えて鍛えてもらった隠しスキルに、誇りをもって生きていこうと決意しているのです。