ゲストハウス亀成園の体験メニューとして、今まで宿泊費に含まれていた罠猟師体験を「罠猟師の暮らし講座」として有料メニューにランクアップしました。
方針としてそうしようとはもう夏に決まっていたのですが、いざ形を整えるとなるとなかなか踏み出していけずに伸びてしまいました。
なんでもそうなのですが、踏ん切りってすごいエネルギーなので、アクセル踏むタイミングってぼーっとしていてはやってきませんね。
今回はゲストハウス亀成園のチラシがなくなっていて、刷り直さなくちゃいけなかったのでその勢いでデザインもリニューアルして内容も詰め直しました。
画像を作って、チラシを注文して
HPも更新して有料メニューを追加して
その旨をブログにも上げてFBにもあげて
やっと、気持ちが追いついてきました。そんなもんです。
「罠猟師の暮らし講座」を担当するのはもちろん罠猟師である園主なのですが、ほぼ全ての広報・発信とお客様事前やり取りをするのは私なので、気持ちが追いつくのはとても重要なことです。
罠猟師がいるからこそ、今の暮らしが成り立っていることは十分理解していても、それを外向けに言葉にするとなると、なかなか適切には出てこないのです。
ただ獣害対策というわけではない。
食べるだけのためでもない。
獣たちを害獣としてだけ認識しているわけではない。
共生しての場所取り、知恵比べをしているという感覚かな。
むしろ生かされている敬意があるのが本音だけど、伝わりにくい。
聞こえよく過疎地域における猟師の役割の重要性と生き物を理解することでの教育の必要性を説くってことが、できなくもないのですが、なんだかハリボテ感が強くて、やっぱり私には言えません。本音とズレるとわかっている風なことって一番言いたくないんです。ウケるとわかっていても、自分が嫌んなってしまうから。
実際に講座を依頼されたら、メインで話をして現場を案内して、ほとんどのご要望に応えるのは園主なのですが、そこに導くまでの私の気持ちがあってこその罠猟師の暮らしwith家族なのです。
つい昨日も、罠に鹿がかかりました。仔鹿ではなく見事な三叉角の雄鹿で、パッと見はトナカイと認識しそうになるほど立派な個体でした。
さて、罠にかかった鹿を仕留めて獲物とするには命と向き合う過程が要る訳で、それがなければ猟師ではなく、ただ里山で暮らして共存している人です。命と対面するからこそ猟師であり、肉をほふり、分け与える人になれるのですが
仕留める過程というのはまぁすさまじくて
普段はもう園主のみで勝手にしてもらっていますが、昨日の個体は驚きの大きさだったので、何かあった時に助けられる或いは助けを呼びに行けるために私もそばで待機したのです。
雄鹿と猟師のガチンコ勝負
画面の中ならまだしも、リアルですからね。
本人(頭)同士も必死ですが、見守っているこちらの消耗もかなりのものでした。
後からどうもわき腹がたまらなく痛くなったのは、この見学と無関係ではありますまい。感受性高めのくせに目をしっかり開けて見学した自業自得です。けれどこの痛みなくして猟師の暮らしを発信していきたくはないのです。
そんな想いでパワーアップしたはずの、罠猟師の暮らし講座です。
ゲストハウス亀成園に宿泊のお客様向けだけでなく、出張講座や出前授業としてもこれから引っ張りだこに違いない講座の黎明期です。
2年前に「猟師と鹿」のミニコントも作っています。
獣と人が生きていく営みを、真面目にまっすぐに、ユーモアも入れながらどなたにもわかりやすく伝えていく。そんな役割があるのなら、前に進んでいかなくてはね。
画像検索をしていると、「猟師かるた」なるものにも出会いました。Xにもツイート上がっていて楽しいです。
まだWeb画像のみの展開ですが、そのうち遊びにも使えるようになるのでしょうか。
そこでの猟師は鉄砲の方がメインですので、罠猟師バージョンも作れるようにアイデアを溜めておきたいですね。
いろはにほへとでどこかにまとめよう。
道がまっすぐかどうかは悩ましいところなれど、やりたいことは湧き出てきます。どれもがひとつの大きな夢につながっていることが私の誇りなのですよ。