一人で映画館に行きたくなった
少し前にどうしても観たくなって、実に18年ぶりに一人で映画館に行き、『国宝』を拝んできたのです。結婚前は毎週どころか週に数回気軽に映画館に足を運んでいたのに、結婚後の海外駐在やいつも子供がいるという状況になると、ほんと足が遠のいてました。
でももう18年も時が流れていて、一番下の子も常に一緒でなきゃいけないことはなくて、ソロ映画館を取り戻しても良くなったのです。観たい作品がありさえすれば。
『国宝』がまさに、久しぶりの扉を開けてくれました。

平日昼間の最寄りの映画館(移住以来初めて足を運んだ)にギリギリ着いて、真ん中らへんの席はそこそこ埋まっていたのだけど、前5列はガラガラやったので、迷わずE列のど真ん中にして、自分の横も前もすぐ後ろも誰もいない中での『国宝』鑑賞でした。
心よりありがとうございます。
この映画を映画館で堪能できたことは、財産になる!
それくらいの衝撃はありました。
特に、子役から本職に場面転換した時の衝撃は、絶対映画館の価値がある!
いや、イケメン拝みに行っただけじゃないんですけどね。美しすぎる鼻筋をありがとうございますとは何度も何度も感じていましたよ。
私が一人で映画鑑賞をしてきたこと、多くは語らなかったのですが、高校生の長女が興味を持ちました。それでたまたまぽっかり予定の合う日があったので、映画館を変えて再び乗り込んだのです。
もう一度観たいなと思っていたし、長女を二人でも初めてだったし、これからチャンスがあるかもわからないし、これは貴重な体験になるなと。
ここで珍事が起きました。
二人で映画館が叶わなかったのは何故
残席1
えーっ!!!
いくら話題で人気と言っても6.6の封切りから50日ほども経っていて、夏休みシーズンに入ってもう猫も杓子も鬼滅の刃だと軽く考えていたら、大間違い。まさかのほぼ満席!
これは映画館がスケジュールや箱選びミスったのですかね。その日がたまたまだったのか、他のスクリーンは余裕なのに、その時の『国宝』だけに人が集中していました。
予約チケット買っておけばよかったのですけどね。
その日に一緒に席を選んで偶然を楽しみたかったのですがもう、選択の余地なし。
そして悩んでる暇はありません。
とりあえずその残り1席(A列の端っこ。超首痛くなる)に娘を押し込みました。
で、ぽっかり空いた私はどうするか。
ちょうどいい時間の別の作品を観ることにしました。『国宝』が14:10から3時間です。14:20分から2時間少しのであれば、観終わった少し待っておけばいいですからね。
バラバラ一人で映画を観たところ
そんな流れでノーマークだった『木の上の軍隊』を観たのです。
小さなシアターの一番後ろという、選べたこだわりの席で。
なんの下調べもなく、ファンタジーかしらなんて見当違いなことをぼんやり思っていた私は始まる前に「制作協力 沖縄」の字を見てハッとしました。
これ、戦争映画
うん、軍隊ってあるやんね。夏やしね。ポスターないとわからんかったかなぁ。
もうめちゃくちゃ苦手なのですけどね、戦争映画。
どんどん血まみれで倒れていったり人畜非道なシーンがこれでもかと描かれていたらメンタル崩壊待ったなしやわ、と身構えていたのですが
ガチガチに構えていたほど残酷でもなく
どちらかといえば「生き延びる力」が描かれていて、日頃からサバイバル力を鍛えようと努力を重ねてきた身には、目を背けず観れる作品でした。
映画館の時間って尾を引くもの
『国宝』のことしか考えずに映画館に行ったのに、全然違う作品を観てきた運命でした。
大画面の吉沢亮さん再び!を描いていたところでしたが、
堤真一さん、素晴らしくて、これを味わえて超ラッキーだなとしみじみ思い出す今です。
映画館での鑑賞って、作品の中の間をしっかりと感じることができます。
家とかだと気が散ってしまうところも、集中力が否応なしに研ぎ澄まされるのが映画館。
映像と音響と指定の場所をしっかり用意してもらえる価値はありますね。
おかげさまでスクリーンを堪能しながら、時間をかけて受け止めた作品について、また付随するいろいろについて、自分に置き換えて、繰り返し考えることができるのです。
大人になってからの戦争映画
幼い頃はただただ怖いだけだった戦争映画です。平和教育の登校日に全校で急に観せられて、戦争は嫌だというよりも戦争映画を押し付けてくるその教育が嫌だと強烈に反発しておりました。自分の感覚が繊細で周りの人よりダメージを受けやすいってことも知らなかったので、戦争映画と殺人事件ドラマは本当に苦手でした。
けれど大学生の辺りから、海外の戦争映画なら観れるように変わってきたのです。
南北戦争を描いた作品で繰り返し観ていたのもありました。
もっと古い時代を描いた作品も冷静に観ておりました。
やっぱり昭和の日本を描いた戦争映画はなかなか観れなかったけど、子供を育てるようになってから、また捉え方が変わることに気付きました。
国民を、国土を守るためだとしても、ドンパチの戦争を選ぶ上層部でいてほしくはないわけですが、軍に従事している人の想いが「守りたい」であることは親心を打つものです。
当時、大人であった人の想いに心を寄せる
現在私が住むところは超過疎高齢地域なので、長生きの方と話をすることもあります。
昔話になると決まって小さな頃の話と戦争の体験が出ます。校庭に芋を植えたとか爆弾跡に金目のもの探しに行ったとかね。
今は80歳を超えている方でも、当時はまだ子供なので、戦争の話と言ってもその時点での子供が体験した話ばかりです。実際戦地に赴いて帰ってきた父や兄は、戦争のことは決して語らなかったという話は聞いたことがあります。
そうなんです。私の祖父も戦争に行ったのは20歳になる前で、捕虜となり帰還したので、それなりの話はありましたが、「国を守る」意識ではなかったのです。巻き込まれての青春がその頃だったという。
当時、私の今の年代である40代やもう少し上であった人たちは、男であれ女であれ、何を思い描いていたのでしょう。
堤真一さんから感じた複雑な想いがあとを引いています。
物語ってすごいな。そしてまた役者さんってすごいな。
良いふうに絡み合った作品だったのでしょう。
『木の上の軍隊』オススメしておきます。
もちろん『国宝』もね。
最前列の端っこで一人で3時間鑑賞した長女は、首が痛いと盛大に嘆いていましたが、観る価値は高かったようです。高校生は1,000円で観れるとか、素晴らしすぎる。
鑑賞できる作品があり、空間があり、自分に時間やお金の余裕がある。
幸運な映画体験、またのチャンスを狙っていきます。
