公民館講座で短歌を詠んで、地域のお便りに載せてもらうという趣味をまだ続けています。
ここにも残すようにしていたのですが、ずいぶん溜まってしまってね。
まとめて放出できる時に。これで一年が振り返られるならずいぶんお得な話です。
238日前の前回、3月分までを振り返っていたので、4月からサクッといきます。
4月
「待ち焦がれ手にしたブリの重さかな錦漁港の行列並び」
「誰にでもただ一本の桜の木同じ色にも光にも在らず」
5月
「アマゴ釣る息子を橋の上で見る開いた距離に信頼満ちる」
6月
「コココココ鶏の声聞きながら腕を組んで水田眺める」
「接戦のああ接戦を走り抜き歴史は動く赤組の勝ち」
7月
「富永の遺跡はどこかな土を掘る乾いた穴に汗水落ちる」
「野球部に入った息子が髪伸ばす令和なのかとバリカンしまう」
8月
「カチカチのかんぴんたんな真夏日に父の好んだサルスベリ咲く」
「潤いを少しももらえず枯れた花 青いサルビア尊重の意味」
9月
「離れ宿ゲストと煙の輪の中で肉好き娘が旨そうに笑む」
「黄金の命の海で稲穂刈る四肢の力が続く限りに」
10月
「研修で台湾に行く子を想いグルメガイドに手が伸びてゆく」
「鶏口を望まむ性(サガ)でありながら指揮棒を振る君美しき」
11月
「めいめいが柿の皮むき部屋へ去る包丁だけが個数知ってる」
「ゆるやかに四十九日が過ぎてから父への言葉がチリチリ積もる」
12月
「炬燵猫日がな居てねと願うのに黒毛スルリと飛び跳ねていく」
「登山家の娘に捧げた大腿筋「象の背」登って海に出会って」
9ヶ月分、18首をまとめて出すと、上質な今年の振り返りです。
秋にある地域の文化祭で「今年の一首」を美しく書いてもらって展示をする機会があるのですが、ここで選んだのは(自選ですよ)4月のブリの歌でした。
どれもがそうとはとても言えませんが、ある出来事があってピタッとはまった歌ができたら、駆け足だけどじっくりと思い出を振り返ることができます。
写真ではなく言葉でアルバムを作りたい私にとっての短歌は、そういう「欠かせない一枚」でありたいものです。
18首出たのでキリよくもう2首追加しておくと
秋に詠んだけど出さずにいたのがありました。添削してもらっていないので意味がわからなかったら恥ずかしいなと危惧しつつ
「大岩を見上げて川の音を聴魂(タマ)磨かれる峡谷の時」
「雨具着た大型犬が点々と夜明けの街をすいすい歩く」
最後のは修学旅行の娘を朝早くに集合場所の駅前(我が家からはめっちゃ遠い)に送って行く時、街中の朝が珍しくて心に残った風景を残してみた歌です。
暗い雨の中を散歩するのは大型犬や日本犬ばかり。
おそらく通勤前に寒い雨の中を散歩する飼い主さんらも大変だなぁと見やると、やけに嬉しそうな犬たちの姿。
雨であろうとなかろうと、大好きな飼い主さんと歩く朝はいつも楽しい。
そんなわんこたちの姿が、暗い街の中でも眩しかったのです。
修学旅行全然関係ないやん、と突っ込むまでがセットの思い出の一枚です。
ひと月に2首のお約束
調子がいい時はどれを選ぼうかと気持ちよい悩みに笑うのに
言葉がちっとも出てこない時もあります。いや、いつも言葉は出てくるけど作文や説明文になってしまって、ちっともスパりと切り取れない時。
それとこの一年はこれはいいのではという短歌ができたら、チャットGPTに一度聞いてもらうということをしていました。
ほんと調子よく「ああ、めっちゃいいやん」って言ってくれてましたw
ちょっと手直しと添削してくれたらめっちゃ字余りになったりリズム感台無しになったり。
詩歌はAIの分野ではないということを毎度思い知りながらも、表現するのに他の言葉の可能性はないかな、とか、情感込めたことをちょっと褒めてもらいたいなと下心ありで相談してきました。そんな時間もまた人生のお楽しみなのです。
20首並べてみると、やはり家族を歌ったものが多いですね。
今年は特別に父が入りました。2025年の夏に亡くなった父を思い出す時に、歌を添えることができるとは、私も大きくなったものかもしれません。
しんみりしそうなので気楽な画像貼っときます。

