勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

果樹と子どもの共生関係

夏休みの初め頃、近所の方からワンダフルな申し出がありました。

ブルーベリー園があるのだけれど、もう採りきれないから好きに採ってもらっていいと!うちにもブルーベリー植えてありますが、まだ実を付けるに至らないのが数本です。お申し出のあったブルーベリー園は10本は下らない、家庭菜園には多すぎるという量です。

めっちゃ嬉しいけどどうしよう!という状態をなんのことなくクリアしてくれたのは、小学生のつみつみ意欲でした。

柵の鍵閉めをすれば自由に出入りしていいということを知り、ひもを縛るためにリボン結びを習得するところから始まりました。ダンボールに穴をふたつ開けて、リボン結びの練習台を作り、ヒトでないと取れないようにしっかりと結ぶ練習をしました。

それからあとはもう毎日のようにブルーベリーを摘みに行っていました。

野菜を収穫するときに使うかごに沢山摘んで、食べながら摘んで、持って帰ってきたら凍らせたりそのまま食べたり、なんだかあっという間になくなっていきました。

出会う人にも配り、ゲストハウスのお客様にも出しているとすぐになくなるので

またせっせと摘みに行ってくれました。

 

私なぞ1、2回でへばったし(暑いですからね)、飽きたし、戦力外でしたが、

小学生の2人は飽きずにどんどん摘んでは食べて、摘んでは食べて、、、

 

この夏、どれだけ視力がよくなったのでしょう。

両親は近眼眼鏡なのに我が家の四児はどの子も視力低下がありません。

なのでブルーベリー効果はムダうちかもしれませんが、視力低下の予防ができるならそれに越したことはないですし、他の効用もあるはずで、わかさ生活さんのまとめを参考にしました。

 

ブルーベリーの健康効果
◎視機能を改善する効果
活性酸素を除去する効果
◎腸内環境を整える効果
◎体調を整える効果
◎膀胱の感染症を予防する効果

↓めちゃくちゃ詳しい、流石「わかさ生活」の運営サイトです!

himitsu.wakasa.jp

ブルーベリーを商品化している会社さんは全国いくつもありますが、京都本社で関西ではおなじみの「わかさ生活」に頼ってしまいます。親しみのある企業さんがずっと頑張ってくれているのは嬉しいことですね。日清とかグリコとか、子どもたちと社会見学に行ってみたいなと思う企業も関西びいきになりがちです。話が逸れました。

 

ブルーベリーの効用としてはやはり目にいいということ、そして腸内環境を整えることで、摂取することの健康効果が大きいですが、

子どもたちの自由なブルーベリー狩りにはそれ以上の効果があります。

 

・摘み摘み運動による手先の器用さを磨くこと

・果樹園に通うことで果樹の生育を見る勘が養われること

・豊富にあることによって気前のよさが身に付くこと

 

大きくこの3つを推したいところです。

ひとつめの手先の器用さに効果的でありそうな、摘み摘み運動についてですが

ブルーベリーの木を植えたものの持て余してしまう多くの家庭は、摘み摘みに飽き飽きするとはよく聞くところです。その気持ち、よくわかる。

それなのに自ら日々摘み摘みを続けた子どもたち、動機は欲望といえど、ずいぶん手先が鍛えれたのに違いありません。

集中して実際に手を動かして摘み摘みすることを何日も続ける。

得難い経験ができたなぁと外野で感心していました。

 

ふたつめの果樹の生育を見る目が養われることについてです。

これも動機は欲望ですが、その日に摘みながら次のタイミングも狙っているので、まだ小さい実や数日後に成ってくる木などをチェックして、木々の様子が頭に入っていたはずです。チャンスが一度ならその日に根こそぎ採るマインドになりますが、出入り自由という事で広い視野が養われたのではないでしょうか。

 

そしてみっつめにつながります。

数が限られていると奪い合いになるところ、十分な量があると、自分も満足しながら他者へ分けても惜しくない心が育ちました。みみっちくなくて気前がいいというのは、土台が豊かです。

相田みつをさんも書かれているように、「うばい合えば足らぬ、わけ合えばあまる」の精神は、わけ合ってもあまることをたっぷり経験するからこそ育っていきます。

田舎暮らしをしていると、おすそ分け文化での育ちにつながることが多いです。

「採れすぎたでもらってんか」

「親戚からどっさりもらったんやけど」

「子どもが大きなってもう使わんから」

溢れ出るものが回ってくることしばしばの暮らしだと、自分から溢れ出るものがあれば循環させたくなりますね。

というわけで、気前よくブルーベリーを差し出していた小学生の成長が眩しかったです。

もちろん事前にこんな機会を与えてくれた気前よすぎるご近所の人に感謝です。

 

さてそんな気前の良さを磨いていた夏ですが

気前良さの大先輩からまたしても大きな学びがありました。

従兄弟が来ていたこともあり、珍しく外食をしていたら、同じ店に先客がありました。

そちらが帰り際に「まぁ、ビールでも飲んでくれや」とお店の人にうちのビールを注文してくれていて、そればかりでなく余分にお支払いをしてくれていたのだとか!

なんという紳士の気遣い、気前の良さ!

それを知った子どもたちが憧れたこと!

自分も将来、スマートに奢れる人になろうと、私も思いましたし、子どもたちの心にも残ることになったのです。

 

ブルーベリーシーズンももう少しでしょうか。

摘んでも摘んでも生で消費できていたのでまだジャムにもできていません。このまま生で終えるのか、保存できるのか。残りの夏の過ごし方が問われますね。