勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

宮ノ谷で夢を

今週のお題「特大ゴールデンウィークSP」

 

茶摘み茶作りでいっぱいいっぱいのはずだったGWですが、今回は長かったこともあり、お客さんも来てくれたし近場ですがお出かけも行けました。気心の知れた人、初めての人、普段は会うことのない様々な人に会うと、また自分の中でいろいろとスイッチが入るような気がします。ありがたいことです。急に気温が上がったことと新月が近いこともあってか、やたらとハエが出てきてしまったのは恥ずかしかったですが、それを補う緑の美しさや清流が近い喜びを感じてもらえたならいいなぁと願っています。

 

飯高町の美しさはまだまだ宣伝し足りませんね。また訪れてもらった時に是非足を運んでほしい、リフレッシュにぴったりのお出かけ場に、ひとまず下見に行って来ました。

f:id:kamenarien:20190507204446j:plain

 

亀成園からは車でわずか10分ほどです。コンビニより余程近い渓谷歩きとは、改めて恵まれたものですね。

 

学生時代はちょっぴり登山をしたことがあるとはいえ体力にはまるで自信のない私です。この地域の元気な人は多かれ少なかれ皆日頃からアクティブなのに比べて私なぞもやしっ子同然ですが、川が好きという気持ちなら負けてはおりません。台高山脈に属す宮ノ谷はずっと憧れの場所だったので、閉鎖解除と聞いたらもうたまらなくなって、お天気の合間にピュッと家族そろって訪れられたのは幸運なことです。

 

蓮ダムを更に上がって細い道を進んだところにある駐車場をスタートし、直ぐに水の国に出ます。

f:id:kamenarien:20190507204518j:plain

 

ずっと川沿い、川の上を歩くために梯子や橋が次々にかけられており、美しい水の上を軽快に歩いていくことができます。道を作ってくれた先人たちに感謝です。

f:id:kamenarien:20190507204550j:plain

 

途中「蛇の滝」と言われる立ち寄りスポットがあります。蛇が進んでくるようにも見えるし頭を上げているようにも見えます。寒い季節を過ぎると飯高にも蛇がよく出るようになります。音もなく静かにスルスルと動くこの生き物は私には怖れる対象でありますが、そういう怖ろしさが近くにあるのは気が引き締まっていいなと思うので、蛇もまたありがたい存在です。お蛇様、どうぞきれいな水と共に穏やかにお過ごしください。できれば亀成園の鶏たちにはお近付きにならずにいてください。へへぇ、へへぇ。

f:id:kamenarien:20190507204612j:plain

 

宮ノ谷の道は川沿いを緩やかな勾配で少しずつ登っていく歩きやすい道ですが、それでも弱っちい私はだんだん疲れて来ます。そろそろゴールがほしいなぁというところでググッと急な道になり、それまで元気いっぱい一番前を歩いて来た末娘の足が止まり、母の息も切れてきて、もうとてもひもじくなった頃、一際大きな滝の音が聞こえます。ずっと川沿いなので水の音は聞きっぱなしですが、高低差のある滝の音はまた格別ですね。緑の谷にストンと落ちるこの滝が「高滝」です。

f:id:kamenarien:20190507204642j:plain

 

この先も上級者向けの道は続いていくのですが、ハイキングコースはここがゴールです。滝の音を聞きながら、飛沫も感じながら、ちょっと日陰でだんだん冷えながら、娘たちと握って持って来たおにぎりをしっかり補給しました。

 

帰りはサクサク速かったので、岩の滑り台を見つけて楽しむ余裕もありました。母は一回で十分なところ、何度も何度も滑りまくる子供たちの元気さは流石です。石を流れるだけに。

f:id:kamenarien:20190507204803j:plain

 

子連れで往復してもずっと気持ちよく、三時間程度で満足してやり遂げることができました。山好きのベテランにはお散歩コース、あまり歩かない人には立派な登山コース、川好き滝好きには最高の宮ノ谷歩き、亀成園の知り合いにはガイドできる人もいるので、かけがえのない休日を過ごしたい人は是非踏み出して下さいね。いずれ子供たちと外国語ガイドもできるかと「ワシの岩」、「蛇滝」など名所の呼び方を英語中国語でも試してみましたが、それが何処なのか何なのかわからないことには付け焼き刃の言葉には意味のないことがよくわかりました。また何度も訪れて、私もいっぱしにガイドできるようになりたいものですよ。

 
この場所を守り続け、水のある森を守っていきたい。私がこのすぐ近くに住み続けるのはひとえにこのかけがえのない美しい場所を未来に残したいからに他なりません。人が入り過ぎた山は荒れてしまうけれど、放ったらかしにされてもまたさびれて荒れてしまいます。ちょうど良い加減の最高に気持ちの良いバランスを保つために何ができるのか。とにかくこの場所の近くにあって愛し続けることだと思うのです。必要に応じて修理をしたり宣伝したり呼びかけをしたりすることだと思うのです。今回登山道で見たけたゴミはわずか一個でした。それは持ち帰ったので今はゼロになっているのかな。また夏にはあの水を浴びてみたい。これからはずっと好きな場所でいられますね。