勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

飯高で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

入園前のチクリチクリ

四月から五歳の息子と二歳の娘がまとめて保育園に入園することが決まっています。姉たちは年少児から当たり前に幼稚園に通っていたのに、生活の大きな変化があったこともあり、息子はこの歳までどこの社会にも属さずうちにおりました。本当は憧れの「森の幼稚園」が自分にもできるかなと希望してたのです。娘たちをシュタイナー幼稚園に通わせていた経験もあるわけだし、子供と一緒に畑仕事をして、動物の世話をして、空いた時間は共に裏山を歩き、家に居る時は子供が遊ぶ傍でゆったりと昔ながらの家事をして、時には一緒にパンを焼いたり絵を描いて過ごせたらいいなと、高い理想を捨て切れなかったのです。

だがしかし、相手はなんの遠慮もないわんぱく坊主とわがまま娘であるし、畑仕事もゆったり家事もなかなか身につかず、生活が安定しないで時ばかり過ぎていき、憧れの姿とは裏腹に、いつだって散らかる部屋につい怒鳴り散らす現実でした。それでも子供は親のそばにずっと居られるのが幸せなのかもしれませんが、こっちはいつもこぶ付きの不自由な身に苛立ちが募るし、子供も遊び相手が兄妹だけでは力が余るし、理想にしがみついているばかりが本当の幸福ではないのではと、私もようやくこだわりを手放すことにしたのです。

数年前までは小学校の隣にあった保育園が休園になってしまい、現在最寄りの保育園は車で二十分余り下った隣の小学校区域にしかありません。毎日送り迎えして通うのはガソリン食いの大仕事ではありますが、そこに行けばやっと同年代の友達に巡り会えます。力の余った坊主たちがワイワイ迎えてくれます。といっても一学年10人程度のアットホーム規模ですけどね。初めて親を離れて飛び込む社会としては理想的といっても良さそうです。

それでもまだ複雑な思いを抱えながらも後には引けない入園が決まり、四月までの課題といえば、持ち物準備です。

買えば楽、でもなるべく作ってあげたい、でもミシンは怖いから使えないし不器用コンプレックスも少なくない。でもできるだけあがいてみたい。と、現在選んで進んで大混乱中です。

シンプルな袋一つにしても、正しい大きさに布を裁って、細かくアイロンかけをして、できるだけ細かく針を運んで丈夫に縫って、ほつれないようほどけないよう丁寧に作業を繰り返していかねばなりません。もたもたしているとあっという間に時間が経ってしまう割に出来映えは素敵なイメージとはどうにも違い、不細工になりがちで困ったもんです。

情報や画像やモノがネットで取り入れ放題の昨今、ものすごく器用でセンスがよくて愛情溢れるお母さんがゴロゴロいるかのように錯覚することは簡単です。母像なんてものは上を見上げればキリがないのです。それに比べてと我が身を嘆きたくもなるのです。ちっぽけな冴えないコップ入れに何時間かかっているのやら。

入園準備、背水の陣。

でも離れがたい子供たちを送り出すのに追い詰めらていく状態は実は嫌でもないのですよ。私も仕事が増え、毎日覗きに行くことはできないから、代わりに苦労した袋たちを連れて行ってもらえたらそれだけでちょっと幸せなのですから。ガタガタした手作りを面と向かって文句垂れずに使ってくれる今のうちに、母心を自己満足させておかなくちゃいけません。花粉で目がシパシパしても、運針に気を遣って肩がパンパンに凝っても、自己満足のためにちょっとは仕上げていかなくては。今のところ山の3合目くらいです。