今週のお題「大切な人へ」
バレンタインは上の娘たちにチョコクッキーをもらいました。5年生と3年生のよく働く自慢の娘たちです。昨年まではチョコの手作りに母の私も参加して、というかほとんど指導していたのですが、今年は2人で勝手にきゃっきゃと作っていて、出る幕なかったです。
長女はいつもいく図書館で、手作りチョコレートの本を自ら借りて、手に入りそうな材料と道具を照らし合わせて、自力で作ることに決めました。小分けの袋だけ私が用意して、材料の微妙なヒントは出したけれど、他は何もしていません。お休みの日に末娘を寝かし付けて一緒に昼寝しちゃっている間に、台所から微かにきゃっきゃと姉たち2人の声がして、ほんわかいい匂いがして、もう作業は終わっておりました。
出来上がったクッキーは、立派なオーブンでバッチリ火加減で一気に焼いたわけでなく、ガスコンロのグリルでちょっとずつそろりそろりと焼いたため、焼き加減はバラつくし焦げはあるし、簡単に言うと不格好な出来映えではあったのですが、香ばしさも含めて立派に美味しかったのです。おやつかディナーかデザートか、何かは毎年関与していたのに、何にもなしでもらうだけだった今年のバレンタイン、私はまた一つ階段を上りました。可愛い娘たちの成長を、大きな視野で受け止めることができたのです。
子供との距離がとても近い暮らしをしている私ですが、別にマメな育児が得意で生き甲斐なわけでもありません。そして子供たちには自律して自由に生きていってほしいと思っていながら、私自身が子供たちから自立することは考慮にいれることができていません。長々しい文になりましたね。要するにつまり、成長する子供たちのスピードにあたふたするばかりの情けない、かつわがままな母なのです。けれど今回は何の口出しもなく、対抗して別に作るでもなく、ただ与えられたモノ(チョコクッキー)に大変満足することができました。
与えられるのが当たり前な子供たちと、与えるのが当たり前な母親の立場が、スルリと逆転したのですね。もちろん今までも子供たちが私にくれたものは両手両足でも足りなくて、可愛いお手紙とかおやつのおすそ分けにいつも尻尾をふってきたものですが、もう一歩踏み込んでの記念日を受け止めることができました。一番上の子を腹に宿してから十二年、なんとゆっくりに見えてダイナミックな出来事ばかりなのでしょう。子供への執着比率が高い己の生き方に悩んだことも多いですが、今は有難さに尽きます。すったもんだあったからこその大切な存在。子供っていいなぁと、やっぱり頑張ってきてよかったなぁと、ものすごく遠回りはしてきたけれどもまだまだ迷走中ではあるけれども、母というのは最高に報われる選択なのかなとやっとやっと思うのです。
上の子たちの成長はめっちゃ嬉しいけれど、ちょっと切ない気持ちを満たしてくれるのが下の娘です。今朝は二人と一匹でお散歩して、咲き誇る梅の花を愛でました。
まだまだ小さい彼女とはぶつかることも多いですが、あっという間に成長してしまうことが予測できるだけ余計に愛しい存在です。
ほんとちっぽけな家族の話。でも伸び伸びとした環境で、活き活きとした子供たちと信頼し合って過ごすことが、私が念願としてきたことでした。止まらない時間、予測できない未来、今の幸せを確約することなんて絶対できないけれど、ふと気付いたこの瞬間を、ちょっと記録しておきたくなりました。