勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

末っ子の卒園に際して思うこと(ちょっと暗めですみません)

外気温が上がったり下がったり

芽吹いたと思ったらあっという間に花が咲いて

そして進級行事の多い春は

あまりにいろいろなところでエネルギーが動き過ぎて、ワンテンポ遅めの私にはついていけない季節なのです。

この春も卒業があり卒園があり、年度終わりとなりました。学校に縁の深い暮らしをしていると、先生方の移動にハラハラして切ない思いをするのもこの季節です。

幸いというべきか、小学校は離任なしの継続ということがわかり、卒業の寂しさのみで済みました。

そして我が子が卒園したことで入学となり、次年度はまた小学校に意識を集中できそうです。

 

末娘は2歳児から保育園に通ったので、4年間を飯高町で唯一になった保育園改めこども園で過ごしました。クラスの仲間が12人だったのが10人になり、4月からはうちの子だけが別の小学校です。

1年前にお友達が大阪に引っ越してしまった時はしょんぼりしていたのに、卒園にあたって

「みんなとお別れするの悲しくないの?」と聞いたら

「小学校に行けるのめっちゃ嬉しい!」とのこと。

 

すくすく育った子には、こども園はもう小さくて物足りないようで、小学校の大きな遊具で遊べることを心から楽しみにしています。立派なものです。

 

月並みな話になりますが

4年間の保育園時代、前半は行事が多くて慌ただしかったけれど、後半は中止や自粛の連絡ばかりで、スケジュール調整をしなくてよくなって楽な分、他の園児たちの様子がよくわからないのは残念な日々でした。クラスの子でない下の学年の子たちのことをほとんど知らないのは、私にとってはとても残念なことなのです。何度か接すると子供の名前や特徴は覚えられるしコミュニケーションをとって愛情を持つことができるのに、この2年はまるで他の園児に対して心が動かなかったのですから。

 

バス通園をしていて園の送り迎えをすることがあまりないのもあり、他の子の様子を知れるのはほぼ子供の話からです。「◯◯ちゃんとブロックで遊んだ」とか「◯◯君は足が速いから楽しい」とかの話を聞けたのは、もう随分前でした。最近は自身の成長もあり、保育園の閉塞感に飽き飽きしていた様子だったのが、飾らない感想です。

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珍しく悩んじまうよ

現場の先生方は難しい状況でも丁寧に一所懸命保育をして下さいました。季節感を出し、縮小されても行事にできるだけ取組み、制限に飽き飽きして殺伐となる子供たちの間に入って、おおらかに導いてくれました。

それでも、なんだかカバーしきれない不自由さを娘は感じていたのかもしれません。「やれやれ、やっと卒園か」となってしまった現実を、どう受け止めたらいいのでしょうか。

 

「こんな中でも精一杯できた」と満足したくなる大人の気持ちはわかります。私もまあ「こんな中でも預かっていてもらえただけありがたい」という気持ちが一番です。

だがしかしその後に続くのは、本当にこんな日々を過ごさなくてはいけなかったのかな、という大きな取り返しのつかない疑問です。

 

保育園の最後半年くらい、娘は愚痴をいつもこぼしていました。

「保育園でな、みんないっつも喧嘩するねん。それがいややねん」と。元々そんなに喧嘩っ早い子が集まっていたわけではなかったのです。気が強い子たちではありましたが、目に余るような喧嘩をしだしたのは昨年度の後半くらいからで、だんだん茶飯事になっていったのは、環境のせいでないとは言えません。

 

不満がたまって、それを外でぶつけなきゃいけなかった子供たち。

こんな田舎ののびのびした環境の中でもそれならば

もっと大きな園やもっと狭い園ではどれほどの影響があるのでしょう。

表情も見えず、楽しみは中止中止中止で、大人の表情も暗いのが標準。

そんな時代を経た子供たちはこれから立派に育って行けるのか。

大人の責任、大きいのに、そんなに配慮できていないだろうなと感じてしまいます。

 

私自身は個人的にこれからの未来に希望しかありません。この2年も学びの多い、発見の多い、未来につながる大切な期間だったなと実感しています。自分のやることを絞り、できることを磨き、人とのつながりも絞ったり深めたり磨いたりしてきました。不自由さはあっても、不満は溜まりませんでした。けれどそれができたのは暮らしが広々としており、心に余裕があったからです。いつも喧嘩している人がいたわけではありません。

 

卒園おめでとうと告げた後、卒園してよかったね、もう羽伸ばそうねと思ってしまうなんだか残念感。こういう少し暗い現実を見るからこそ、自分の描くものは明るくありたいと強く想えてありがたいのですが、小さな子供に負担をかけてしまったなという申し訳なさは消えません。これから小学校は安心して過ごしていけます。伸び伸びと愛されて豊かな体験に満ちています。いつまでマスクをつけなければならないのかのしこりはありますが、逆にそれさえ受け入れることができれば、かけがえのない素晴らしい学童時代を過ごすことができます。

 

せっかく10人の大事な仲間がいたから、もっと保育園楽しめたらよかったのに。卒園したくないよぉ、離れたくないよぉと泣きじゃくる姿も見てみたかったのに。都合よく脚色する訳にはいきません。閉塞感の時代があって、それだからこそ、次に花開くパワーが蓄えられたと思える日がくるのでしょうか。そうなったらいいですね。

 

さて、もう10日後には新しい学年です。つべこべ言わすに入学準備を進めなければ。

なにはともあれ、保育園とこども園でお世話になった人たちには、心から感謝しております。末娘の小さな頃に関わっていただいて、本当にありがとうございます。