行事食を尊ぶ立場にいるので、毎年節分は逃れられないノルマが目白押しです。無理のない範囲で恵方巻きをこしらえ、イワシを焼き、豆を煎って鬼を待ちます。
こんなに恵方巻きが国民行事になる前から、大阪の実家では恵方巻きを食べる習慣があり、食べ終わるまでしゃべってはいけないルールに従って、家族で大きな豪華な恵方巻きに、笑をかみ殺しながらかぶりついていたのは楽しい思い出で、受け継がなくちゃなと自然に思える貴重な経験の一つです。
うちの場合、まだルールのよくわからない小さな子もいるし、豪華な恵方巻きを六本も買うのも惜しく、慎ましいかぶり付きです。ルールも半分食べれたら喋ってよし、にしているので、インパクトは薄いかもしれませんが、噴き出される危険もなく妥当な線ですね。巻くのはお手伝いもお願いし、なかなか進まない台所育児をちょっとだけフォローです。
無事みんなかぶりつき終え、しばらくしたら鬼の登場です。煎りたての熱い豆を投げ付け投げ付け、上の子は大はりきり、末っ子は泣き出し、大盛り上がりでした。
節分に先立ち、私が鬼を描き、二歳の娘にやっつけてもらった絵が下記です。
豆を意識して橙色を渡したはずなのに、気付けば真っ黒になっていました。本番では泣いてしまった小さな娘ですが、鬼に負けないパワーは人一倍です。
今のところこの冬もどの子も病気もなく、元気そのもので暮らしています。病は気から、がどこまでアテになるものやら、豆を投げて払った鬼がなんなのやら、いつ考えても興味深いテーマです。私もまだまだ大きなことは言えませんが、季節の行事を通して、子どもたちの楽しい体験を通じて、モヤモヤした気持ちや病気に負けそうな弱さを追い払って、心身の健康を高めていけるなら、こんなにお得な話もありません。
日本の季節の行事は近頃多すぎて、正直負担に感じることもありますが、節分は今のところ外せない行事として、有難いものですね。鬼が嫌がるというイワシの頭は一晩置いておき、明日の朝愛犬に食べてもらいますよ。犬も喜ぶ行事食はもしかして節分ならでは、かな。