勇敢なる有閑なる優な感じの自由刊行。続

三重県松阪市の端っこにある飯高町で農的生活を営む六人家族のお母ちゃんです。縁もゆかりもない移住をご機嫌に続けていけるのは、尽きないチャレンジ精神と、おおらかな地域のおかげです。地域に支えられる子供たちとの暮らしや、ここで発見した限りない素敵なことを、ちょっとずつ発信していきたいです。

鶏好きによる鶏飼育座談講座

今週のお題「うるう年」


こんな山村のど田舎であっても、真面目に一斉主義の日本人らしく、3月のイベントはほぼなくなり、小学生は長い休みに入りました。自営業+パートの暮らしで高学年の子を上に三人一緒なので世話に困ることはあまりありませんが、曜日感覚は狂ってしまうし、給食のありがたみをヒシヒシと感じる追加の休日です。


そんな中ですが、先週土曜日はうるう年のおかげでギリギリ2月だったことが幸いして、いつもの図書館の会議室にて「鶏会」というものが行われたのです。


鶏を飼っている人、これから飼いたい人、いずれ飼いたい人などが集まって、それぞれの飼い方の工夫など披露し合って質問し合って、より良い鶏ライフに役立てたり、始めたい方の応援をするという趣旨の会でした。養鶏で生計を立てているわけではないけれど、百羽近くを三年ほど飼育している亀成園も、もっと鶏を知りたいし広めたいし、喜んで参加してきました。


自然農でお米を作っている師が呼びかけた会なので、飼い方は当然平飼いの自然養鶏です。自己紹介で参加者の立場を共有した後で主に議題に上がったテーマは下記の五つでした。


・ヒヨコの入手法

・ヒヨコの飼育法

・エサのこと

・鶏小屋について(害獣対策)

・病気になったら


既に鶏がいる状態ですと、関心ごとはエサのことと飼育方法、廃鶏のことなんかになりますが、改めてヒヨコのことがたくさん話題に上るのは、なんだかキュンとする時間でした。予定よりも多くが集まった会になり、局地的なのかもしれませんが、関心の高い話題かもしれないので、ざっとまとめておきます。詳しい本も出ていますので、本気で調べたい場合は書籍をあたってくださいね。

自然卵養鶏法

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  • 作者:中島 正
  • 発売日: 2001/07/01
  • メディア: 単行本
イメージをつかむなら以下もおすすめです。

ニワトリと暮らす―かわいくて、役に立つ!

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ざっと知るには以下をお読みください。

・ヒヨコの入手法

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亀成園では雄鶏があり、抱卵のできる烏骨鶏が多くいるので、卵から孵化させることが可能で、今にも産まれそうなヒヨコもおりますが、そういう飼育環境でない限り、ヒヨコは業者から購入することになります。一口に鶏といっても種類はいろいろで、卵をよく産んでくれる種がいいのか、性質のおとなしい種がいいのか、肉用にも適した種がいいのか、国産にこだわるのかなど選び方は様々です。産まれてすぐのヒヨコは二日程食べなくても大丈夫な栄養を身体に蓄えているため、宅急便で送ってもらうことができますが、生き物の宅配が可能な運送会社は限られているし、個配はしてもらえなく、センターまで取りに行く必要がある、などの条件があります。またヒヨコの体温を保つためにも最低二十羽以上などの条件もあり、ヒヨコを少数手に入れるには、既に飼育している人やグループなどでの協力が必要になりますね。亀成園も今年は近親交配を回避するために、新たなヒヨコを二十羽程まとめて購入することにしており、既に二人の方から追加で数羽ずつを頼まれています。ご興味有れば早めにご連絡下さい。入手先は五藤孵卵場というところです。

http://www.gotonohiyoko.co.jp/poultry_2.php


・ヒヨコの飼育法

めでたく無事にかわいいヒヨコを迎えたら、二週間ばかりは温度管理が肝心です。ヒヨコ電球を使うとか、電気アンカーを入れるとか、室内で飼育して夜は毛布にくるむなど、集まった人それぞれの工夫がありました。ヒヨコたちが固まっておれば温かいけれど、身体の柔らかいヒヨコたちが押し合って圧迫されてしまうこともあるし、ふんわりぺしゃんこになってぐっすり眠れているか、注意してみてあげる必要があります。


・エサのこと

人以外の生き物のエサはペットショップで買うものと信じ切っている方も多いのでしょうが、自然養鶏ではエサは飼い主が配合します。屑米やヌカ、生ゴミや草などに貝殻を混ぜて作るのが昔からのやり方で、私の母も子供時代は貝殻を砕いて鶏のエサに混ぜるのが仕事だったと語っておりました。


亀成園での鶏たちのエサはヌカに屑米におから、魚のアラや野菜屑、キノコの菌床におがくずを混ぜて発酵させています。卵の殻用に牡蠣殻粉末も加えています。その他草や畑の虫、生ゴミも都度あげており、鶏の数も多いのでエサの仕込みは一仕事ですが、生ゴミに困らないのは大きな嬉しいことです。タマネギの皮やみかんの皮なんかはあまり食べませんが、お茶っぱや腐りかかったものも平気で食べてくれるので、鶏がいれば無駄がありません。雑食のお掃除屋さんがいるのは心強いものです。


屑米やヌカのルートを確保しておけば、あとは工夫次第でしょうか。草地が広く安全な囲いがあれば緑餌には困らないし、タンパク質の与え方はヌカで十分という方や屑大豆を利用する方もいるので、これが正解といったことは言えません。自分の目で鶏の食いつきの違いを観察するのも面白いです。近くに食堂やホテルなどがあれば、お出汁のガラや日々の残りものがもらえるかもしれません。地域によって柔軟に対応したいですね。


・鶏小屋について

鶏を飼っていてとにかくショックなのは外敵の侵入ですので、小屋の建て方と場所には十二分に注意しなければいけません。ど田舎は臭いや鳴き声はあまり心配しなくてもよいけれど、外敵は多いので気が抜けません。鶏はたくましいけれど弱い生き物です。そして美味い生き物なのです。安心して眠るためには守ってあげなくちゃいけませんね。


イタチなどは3センチの隙間でも侵入してきます。隙間は1.5センチに抑えるようにしましょう。鶏たちの健康を考えて、砂浴びができるようにとコンクリートを打たずに土の上に小屋を建てたら、穴を掘って侵入してきます。なので小屋の周りに20センチ以上の溝を掘り、瓦や板などで外周を囲うことで防ぐことができます。


油断して侵入を許してしまうと、一晩にして全滅という話もよくあります。小屋作りは慎重に。昼間か夕方在宅できるなら、小屋を木製の高床式にしておいて、日中庭に放すという手もあります。暗くなったら勝手に戻ってきますので案外手間のかからない方法です。気候には左右されてしまいますけどね。


・病気のこと

鶏インフルエンザというのも一時よく耳にしましたし、家畜の病気は何より心配な問題です。鶏会でも飼いたい方からの質問に繰り返し出てきました。獣医に診せるべきなのか、移るのか、などが気になることのようです。


あまり頼りにならないのですが、密飼いではなく自然養鶏の平飼いをしていると、感染症のような病気にはかからないというのが関係者の認識です。それでも具合が悪くなり、トサカが白っぽくなることはあります。その場合、他の鶏と離して、きちんとエサにありつける環境に置いてやります。身体を温めるためにエサにちょっぴり唐辛子を混ぜたり、免疫力を高めるために水に木酢液を加えたり、栄養があり食い付きの良い生き餌(芋虫とかミミズ)を与えたりして回復を促します。結構復活してくれます。


それでもダメな場合は、心の準備をします。生き物というのは百%死ぬ物です。命を救うことはめちゃくちゃすごいことですが、死なせてはいけないということはありません。私も幾度かの死を受け止めてきました。慣れることはなくても、受け止めることは難しくなくなってきました。それはまたヒヨコを迎えることを当たり前としているからなのでしょう。

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命の巡りを考えるのに鶏はうってつけだと思うのです。寿命まで飼育すると十年を超す個体もいるようなので、ハムスター程簡単に飼うことはできませんが、この春からもっとあちこちでヒヨコを愛で、鶏と暮らす人がちょっとずつ増えていくといいのになぁ、やかましい春が広がっていけばいいのになぁと、未来を楽しく描いています。